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いつでも羽ばたける翼を持つ。

最近、様々な場所で離婚を考えています、というお話を聞くことが多くなってきました。

経験者として思うのは、離婚率の上昇から見えてくるものは、決してネガティブな印象だけではありません。

そこに隠れているDV、モラハラや子どもの貧困問題は看過できないので、それはどうにかしたいのですが、離婚=良くないもの、という既存の価値観に囚われることなく、幸せを追求する人が増えたことの表れでもあると感じるからです。

パートナーとの関係性を考える上で、結婚前から離婚という選択肢を意識することはとても大事なので、思うことを改めて書いてみたいと思います。

先日、旧知の同世代の男性が近々遠方に転職するので、その前に話をする機会がありました。

彼はパートナーと離婚したいので、最近別居を始めたとのこと。それもあって、転職は都合が良いのですね。5-10年の別居の事実(長い!)があれば、ケースによるものの、どちらかが有責ではない場合も離婚の理由として認められるからです。

パートナーは長らく専業主婦だった方。お子さんはすでに自立しています。最近パートを始めたそうですが、やはり経済力が不安で、離婚はしたくないと意思表示されているとのことでした。

奥様とお子さんたちが住む家は、離婚前提で2人に譲渡することにしたとのこと。別居中は婚姻費用分担金払う必要もあるでしょうし、あまりお金ないけどねーー、と笑っていましたが、これからガンガン稼ぐでしょうし、彼のことは全然心配してません(笑)

彼が前々から夫婦関係は破綻していたのは聞いていたので、やっと離婚に向けての行動なんだ、と思いました。

どちらかに有責事項がなくても、長い間共に生活することで徐々にすれ違いが生まれることは、一定の確率であることでです。

お互い親としての役目も果たし終えた後の判断。

人生100年時代、この先の人生を、好きな人たちに囲まれて過ごしたい、と思うのは人として自然なことです

時代の影響もあり、夫婦がお互いに愛情が無くなっても「離婚は恥ずかしいことだから離婚しない」また、「ここまで連れ添ってきたから、別れられることはない」という認識で奥様もいたかもしれません。

いくらパートナーを粗雑に扱っても、互いの行動に関心が持てなくなっても、心は離れても、戸籍上は夫婦。

それって幸せでしょうか?

また、何があっても耐え続けることが愛であり、幸せ、というのも嘘です。

だとすれば、何かしらマインドコントロールされていないか、搾取されている状態ではないか、本心から自分がそうしたくてそうしているのかどうか、見極める必要があります。

もちろん、コミュニケーション不足で齟齬があることもあります。時間をかけてわかりあおうとする努力が2人にあるなら、それはまだ愛情があります。

愛情の反対は無関心。

お互いが相手の行動に関心が持てなくなり、子供やお金の問題だけが2人をつなぎとめている状態をいつまでも続けているのは、有限な2人の人生を無駄にする不幸でしかありません。

そして、その不幸を量産してきたのが、女性の経済力のなさではないでしょうか。

「お金があったら離婚するのに」と言うつぶやきを何度聞いたことか(苦笑)

産業革命以降、また、戦後の高度経済成長の日本で男性は遠方の職場で働くようになり、女性が家事と育児を担うようになったため、多くの女性から経済力が剥奪されました。

歴史と環境の中で、女性=稼ぐ力がない性、かのように思わせられてきたのだと思います。

そして今、時代の端境期で、人としての幸福な生き方と、経済を発展させるための家族のあり方のバランスが破綻してきたのだと思います。

前述の奥様自身も、離婚のリスクを考えていたのであれば、出産育児などの山谷はあっても自分で自分を食わせること、を意識して行動することもできたと思うのです。

経済力だけが力関係ではないですし、そのバランスを他の行動で整えることもできます。

でも、いざ経済力がない側が、そうでない側から離婚したい、と言われた時に経済力がないのは、羽をもがれた鳥と同じ。

離婚ではなくても、パートナーの病気や事故など不慮の事態もあるかもしれません。

そんな時に羽ばたけるための羽の、右翼は経済力、左翼は心身の健康です。

それさえあれば、大抵のことは解決できると思っています。

今はその羽が小さくても、徐々に自分自身の翼である経済力を育てることが、長期的に自分の幸せになる生き方を選ぶ権利を掴むことになる、ということを忘れないで欲しいのです。

また、離婚を考えた時、経済面を別とすると、年齢にもよりますがお子さんの事が一番気にかかるかもしれません。

でも、私自身はいがみ合う夫婦の家庭で生じる、濁った愛情を感じながら成長するよりは、離れていても互いに幸せに暮らしている両親から、それぞれに澄んだ愛情を受け取る方が、はるかに子どもにとって正のエネルギーになると感じています。

もしも、離婚を考えている方がいれば、ご自分の選択肢を幾つか想定した上で、詳細までシュミレーションすることをお勧めします。

そして自分自身が幸せになればなるほど、利他の精神が育みやすくなると思うのです。欧米の富裕層の方に篤志家が多いのも、キリスト教文化が背景にあるのでしょうけれど、まず自身が満たされている、ということが大きいと思います。

もちろん、自身が苦境にあっても利他の精神を持ち続ける方もいます。

でも私自身は、心身の健康もなく、経済力も、自分への愛情もなければ、それは難しいと思う未熟な人間です。おそらく、自分のことで手一杯でしょう。

まず自分が、手元にあるものが最高ではないにせよ、まあまあ素敵だな、と思えるような幸せを掴むことを考えてみてください

あなたが自身がまず幸せになることが、家族へも、社会へも幸せを広げることになるのですから。


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