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ブルーインパルスが飛んだ夏。 #tokyo2020

そこにいる誰もが、ただ息を呑んで、青い空を見上げていた。5色のスモークが真っ直ぐに伸びていく様子に、ただただ見惚れていた。今この瞬間を平和と名付けずして、なんと呼んだら良いのだろうか。

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今朝、目覚めて、ふとiPhoneを手に取ると

12時40分頃、東京上空をブルーインパルスが飛行

とのニュースが目に入った。そういえば、うちから歩いてすぐの橋からスカーツリーがよく見える。きっと、あそこに行けばブルーインパルスがみれるだろう。

そう思うや否や、愛機のFUJIFILM X-T30を手に、灼熱の外へと飛び出した。

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予想通り、この辺りに人はそんなに集まっていない。高い建物もいくつかあるし、ルートを確認する限り、五輪マークもここからでは見えない。でも、行きと帰りと2回ブルーインパルスがやってくる穴場。

隣の人とも1.5m以上の距離を保って、みんながみんなマスクをしている、今となっては当たり前の光景。そんな中で、誰もが穏やかな顔をして、ただあの5機がやってくるのを待ち構えて、青い空を眺めていた。

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いろんな出来事が、起こっている。

現に今、韓国や台湾の開会式中継には手話通訳が付いているのに、開催国日本の開会式中継はかろうじて字幕がついている程度という事実に戦慄しながら、このnoteを書いている。

辞任せざるを得なくなったり、解任される人が続出していて、なんだか不穏な空気感でいっぱいだったけれど、ともかくオリンピックが始まったらしい。辞任も解任も、どれも彼らが悪かったことであることは大前提。でも、選考した人たちはどんな基準で、国際人道的なリサーチをして選考をしたのかの説明は、ちゃんとして欲しいなと思っている。

今日までにかかったお金と時間と関係者の労働が、かかっているんだから。そもそも彼らを「選んだ」組織が彼を「解任」したり「辞任」したりせざるを得ない状況にするなんて、とんでもない事態なんじゃないかなと思う。本当にびっくりした。

どれも「ごめんなさい」で済まないし、人から指摘されないと謝れないでここまできてしまったのは、大問題だと思う。「多様性と調和」なんて大会ビジョンとして掲げているのに、選考された時点で彼らから「実は、過去にこんなことがあったんです。もちろん悔いてます。」みたいな話はできなかったのかな。

とりあえず諸説あるけれど、誰かの切り取った視点じゃなくて、ちゃんと原著を読んだ上で批判をしないといけないんだろうなとも思うし

これを機に「そんな理不尽な!」とか「こいつはひどい!」とか言うだけでなくて自分ごととして世の中を見つめるきっかけがたくさん散りばめられているんだろうなぁと思っている。

それでも、こんなニュースはさておいて、あのブルーインパルスが飛んでいたあの時間だけは、誰もが青い空と5色のスモークを眺めていた。

そういえば去年の、未知のウイルスがただただ蔓延していく中、家族にも会えない、仕事にも行けない、気軽に買い物にさえ行けない、もうどうしようもなかったあの日も、ブルーインパルスが、空を駆けて行った。

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息が詰まりそうで、先が見えなくて、もう一生このままなのか、このまま世界が滅亡してしまうんじゃないか。そんな不安の中、あの日のブルーインパルスもまた、私たちの不安を一瞬だけ飛ばしてくれた。

どうしようもない、先の見えない、何を信じたら良いのかわからない。そんな日々が続いている。でも、今日のあの瞬間、ブルーインパルスが東京の空を駆けて行ったあの瞬間は、平和だった、そう思う。

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