見出し画像

投票行って外食するんだ。

♬投票行って外食するんだ〜♬

小さい頃大好きだったモー娘。のThe☆pieceの一節。あの頃は、投票に行く両親に連れられ、近所の中学校へ足を運んだ。

なんだかいつもの学校とは違う、厳かな雰囲気。背筋がシャンと伸びる。ついて行っただけなのに、大人になった気分。投票所を出た瞬間、一気に現実に戻される。

「誰に入れたの?」と訊ねると、母が「誰に入れたかは行ってはいけないの。ママもパパが誰に入れたかは分からないし、聞かないのよ。それが選挙なの。」と。あまりにも厳かな表情だったものだから、また、シャンと背筋が伸びた。選挙、かっこいいな。わたしも投票したい。素直にそう思った。

あれから何年かして、高校の公民で政治・経済を選択した。毎週末の課題は、ニュースを見てくること。そして、月曜朝イチの授業で先生が作った時事問題テストを受ける。
この時事問題テストがかなりディープで、各政党の政策や各国の経済状況を網羅したモノだった。
今までで一番政治に興味をもっていたのは、この頃だった。ものすごく真剣にニュースを見て、自分なりに考えていた。そして、わたしにも投票する権利が欲しい。そう強く願っていた。

ハタチになってはじめての選挙。
投票所に行くのに憧れたりもした。けど、当時同居していた祖母があまりにも心配性で「当日風邪をひいていけなくなると困るから。これは、わたしたちの立派な権利なんだから」と普段から期日前投票をしていたこともあり、祖母に倣って学生の間は期日前投票をしていた。

でも、社会人になって、小さい頃に感じたあの厳かな雰囲気を感じたくて出来る限り選挙当日は「選挙に行く」という予定を立てて投票に行くようになった。

ポストに入る選管の資料をよく読み
ネットで情報を漁り
自分の足で地域の学校へ行く。
受付を通り、ユポ紙を受け取る。
いくら家で考えてきたとはいえ悩みながら
あのツルッとした紙に鉛筆でサラッと書く。
そして、投票箱に入れる。
一連の動作を終えて出口に向かう。
そのまま引き込まれるようにスタバに入り、新作のピーチオンザビーチフラペチーノを飲んだ。

何十万、何百万分の一の意見。
ほんの小さな意見だ。
でも、わたしが生きやすい世の中になるために、きっと、大切な一票。

わたしたち二十代だって
わたしたち聴覚障害者だって
わたしたち女性だって
政治に関心をもっています。

その意思表示をしていかないと
高齢者向けの
情報保障に重きを置かれない
障害者福祉に重きを置かれない
女性が軽視される
そんな世の中になってしまう。
それは、イヤだ。

たった一票で世の中は変わらないかもしれないけれど、たった一票の積み重ねで何かが変わると思うのです。その変化のベクトルの角度には、ちょぴっと影響を与えられるのではないかと、信じているし、積み重ねていきたい。
そう思いつつ、厳かな体育館を思い出しながらピーチオンザビーチフラペチーノを味わった。ほうれん草とベーコンのキッシュとともに。

#エッセイ #生活 #聴覚障害 #選挙 #ニュースで語る #投票行って外食するんだ #モーニング娘

見に来てくださりありがとうございます。サポート、とっても心の励みになります。みなさまからのサポートで、わたしの「ときめき」を探してまたnoteにつらつらと書いていきます。