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「もらえるものはもらっておこう」もほどほどに。

外出したとき、ヒヤッとする瞬間ベスト3に

補聴器の電池がなくなりそう
かつ
替えの電池を持っていないとき

がランクインする。そして昨日、ついにそのトキがやってきてしまった。

先日「補聴器とiPhoneが、はじめてBluetoothで繋がった日のこと。」にも書いたんだけど、今わたしは新しい補聴器の試聴をしている。

眼鏡やコンタクトを装用して生活している人は、このnoteを読んでくださっている方々の中にも多いのではないかと思う。かくいうわたしも、眼鏡を小学2年生から、コンタクトを中学1年生から使っている。

通常、なんだか視界がぼんやりとして目の前のものがはっきりと見えにくくなったなぁと思って眼科に行くと、視力検査と診察を受けるとすぐに眼鏡やコンタクトの処方箋をもらう。そして、眼鏡屋さんやコンタクト屋さんに行くと、比較的すぐに眼鏡やコンタクトを受け取ることができる

そして、その眼鏡やコンタクトを装用することで、眼軸長が「矯正」されて視界が明瞭になる。だから、わたしのような裸眼0.03くらいの近視(眼鏡やコンタクトがなくては、冗談抜きに見えないしきこえない)であっても「矯正視力」が1.0に近くなるような人たちは視覚障害者ではなく健常(晴眼)者として社会生活を送っているのではないだろうか。

でも、耳がきこえにくい場面において眼鏡と同じようなことができるかというと、そうでもない。人の脳は自分にとっていらない音を小さく、自分にとって必要な音を大きく認識してきく力をもっている。

でも、補聴器は機械だから周りの音を騒音も含めて増幅してしまう。わたしと同世代の平成一桁生まれの人には伝わると思うんだけど、その増幅はホームビデオで運動会を録画したときのような音。

(スマホを使って屋外で動画を撮るときも、同じことが起こっているのかな。スマホを持つようになってからは、機械音を裸耳で聴き取れなくなってしまったからわからないのだけれども。)

そんなこともあって補聴器は、メーカーやイヤーモールド(補聴器の音漏れを防いだり、スピーカーを入れたりするための耳栓)の形によって、きこえ方がだいぶ変わる。だから、いろんな補聴器やイヤーモールドで試聴をして自分に合った補聴器を購入するのだ。

わたしの場合、補聴器屋さんに行って「新しい補聴器が欲しいです」と相談を始めたのが3月で、購入する補聴器の機種とイヤーモールドの形が決定したのは、7月も中旬に差し掛かろうとしている昨日。3ヶ月とちょっとかかっている。

そしてその昨日のこと。「この補聴器にしましょう。次回までに、医療費控除の書類申請をして、購入する補聴器のカラーを決めてきてね」と補聴器メーカーのパンフレットを手渡されてルンルン気分で電車に乗ったちょうどそのトキ。iPhoneと補聴器をBluetoothで連動させて聴いていた音楽が急に止まって

デンチテイカ

という、いかにも機械っぽい音声が流れてきた。(わたしが今まで使っていた補聴器は「プープー」と鳴っていたから、多分メーカーによってお知らせ音は異なる)

これからお茶のお稽古だし、電池がなくなったら困るな、といそいそとカバンの中を探ったのだけれども、わたしの探し物は、ない。

さっき補聴器屋さんに行ったでしょ?この二週間とちょっとで電池を4つも消費して「この補聴器、聴き取りやすいんですけど燃費悪いんですよね」と笑いながら電池を補聴器屋さんの店員さんに見せたでしょ。そして「そうなんですよねー。でも我慢して」と苦笑されたでしょ。

あああああ。新しい電池を受け取らずに、ケースごと補聴器屋さんに置いてきてしまったんだった。

と気づいたときはもう、お稽古場の最寄駅で。そして、補聴器の電池は空気電池で補聴器屋さんやネットじゃないとなかなか手に入らない。あと、いつも使っている補聴器は最初のお知らせから完全に音がなくなるまで約半日はもつけど、この補聴器がどれくらいもつかは、知らない。

いつもは自分で購入した電池を使っているから、もったいなくて音が完全になくなるまでその電池を使い続けるし、音がなくなっても角度を変えてもう一回音が鳴っているか確かめてみるなどする。がしかし、試聴期間中は補聴器屋さんが電池までくれるから、心が大きくなって一度目の「デンチテイカ」で電池を交換してしまっっていたのだ。

ただ単にセコイとしか言いようがない、わたしのこの傲慢な態度が極度の不安を招いたのかもしれない。これを、自業自得というのか。

今電池がなくなったら、お稽古中どうやって先生とコミュニケーションするんだろう、とか外出している今きこえている足跡だのの生活音が消えたら不安だろうな(家の中では、音がないことにも慣れているんだけれども)、なんてことをぐるんぐるんと考えながら、お稽古場に向かった。

幸いにしてあの「デンチテイカ」という無情なお知らせは、その後再度鳴ることなく電池がなくなることもなくお稽古を終えて補聴器屋さんにトンボ帰りしたから良かったものの。ヒヤッとした、昨日のお話。

補聴器屋さんに教えてもらった情報によると、この補聴器メーカーはiPhoneのように電池残量が20%くらいになると電池低下をお知らせしてくる傾向にあるらしい。

なんだ。iPhoneのそれが残り1%で驚異の働きをするのと同じように、この補聴器も「デンチテイカ」と言い出してから本領を発揮するのか。だなんてセコイことを考えたことは、口にはしない。でも、ここには書いておく。

こんなことが起こらないように、普段は職場に一シート(なくなることが多いから)、外出用のコインケースに二つ、化粧ポーチに一シート予備の電池を用意している。でも、今回試聴している補聴器はいつも使っている電池ではなくて別の種類の電池だから、すっかり対策を怠ってしまったのだ。反省。

あと、電池が低下していくとちょっぴりきこえも悪くなる……ような気がするし、実際補聴器屋さんからも「お知らせ音がなったら、電池を変えてくださいね」と言われている。だから、わたしのこのセコイ対応はまったくもって間違っているし絶対におすすめしない。

このまま順調にいけば、8月には新しいわたしの補聴器との生活が始まるので、予備の電池もちゃんと入れ替えよう。そして、お知らせ音が鳴ったら潔く電池を変えるんだ。

試聴が終わったら電池は自分で購入しないといけないし、そもそも「もらえる」からといってふんぞりかえりすぎだ。頭からひっくり返って尻餅をつく日もそう遠くない。

そういえば、補聴器屋さんから補聴器を何色にするか決めるように言われたんだけれども、どうも決めきらない。今使っているのは、この記事の見出しに載せているワインレッドでかなり気に入っている。

モカっぽいブラウンもオシャレだけれど、無難すぎるような気もする。ホワイトもかわいいよな……なんてことを考え出したら逆に決まらなくなってしまって困っている。どうしよっかなぁ。


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