アスペルガー症候群(Asperger Syndrome : AS)とは

今回はアスペルガー症候群のお話をします。

アスペルガー症候群は、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)の中の一つの概念とされており、高機能タイプとも言われています。
コミュニケーションは苦手なのに、会話できているかのように思われたり、得意と勘違いされたりすることが問題となる事もあります。

☆社会性の障害
一見友達を好むように見え、対人関係を持ちたがる子供が多いため「自閉症ではない」とされる事も多い。
その反面、パーソナルスペースを守り、急に近づかれるとビックリして急に手が出たり、腹を立てたりしてトラブルになる事もある。
非言語のコミュニケーションの意味が分かりにくく、頑張って/大人っぽく/難しい言葉や理屈を使い、パターン化した会話で切り抜けようとする。
そのため、授業中は問題なくても、休み時間に子供同士の会話に入っていけなかったり、先生にも友達にも同じ振る舞いをする特徴がある。

☆コミュニケーションの障害
基本的な語彙や文法は習得できており一見スムーズに見えるが、表現が大袈裟であったり、使い方の誤用があったりする。
コミュニケーションとは、相手に気持ちを伝えるのではなく、勝ち負けのように捉えて拘り、絶対に譲らなかったりする。
声の大きさやイントネーションの調節が苦手であったり、冗談、ほのめかし、比喩、皮肉は言葉通りにとってしまう。

☆思考の柔軟性の障害
いわゆる、『ごっこ遊び』の発達が遅れがちであり、役割を臨機応変に変えたり、新しく生み出したりという、想像的、創造的な要素が少ない。
コレクションや分解、組み立てなどを好むことが多い。
曖昧なことがわかりにくく、「適当にしなさい」と言われても適当がどういうことなのか分からない。
客観視が苦手で、他人が考えたり感じたりしている事の推測が困難である。

☆その他
感覚過敏、ADHD、学習障害(LD)などがある事もある。
聴覚より視覚刺激優位が多いとされる。

◉問題となりやすいこと

背後に高機能広汎性発達障害が潜伏し、高知能のために課題達成能力が高く就学時に発達障害が疑われていない、一部に児童期 ・思春期に不登校や神経症などの既往があるが発達障害を疑われたことがない、という事が多々あります。
子どもの時に発達障害が見逃されたために未診断 ・未治療のまま成人し、職場や家庭でさまざまなトラブル・メーカーとなって周囲を困らせているといった人が増えてきました。(重ね着症候群)

お子さんだけでなく、大人の方のご相談が多いのもこの疾患の特徴です。
ただ、私自身が患者さんとお話する中で感じるのは、こういった“困った”り、“困らせ“たりする特性だけではないという事なんです。
偏見がなく、素直で、真似のできないピュアさに気づく事が多々ありますし、
うらやましいようなずば抜けた記憶力や計算力をお持ちの方も多いですね。


専門家への相談+基本対応の知識を得ることで、
色々な事が多角的に捉えられるようになると
見え方、感じ方が変化していく=楽になる、というのはよくある事です。


不安や心配があるからこそ、

まずは向き合って、「知る」事から。
得意な事、苦手な事、

そのままをただ知る。

自分の感情を否定するのではなく、ただ、知る。
その上で今できる事から1つずつ。
1人で頑張ろうとしない。←経験上、これ1番大事!!

今苦しんでいる方は、その積み重ねの先にきっと今を変えていくヒントがあります。


漢方/栄養療法は、子供からお年寄りまで、
もちろん性別も問わず皆さんの味方になれる、本来はもっと身近な存在です。
お一人で悩まず、

個々の体質や特性に応じて出来ることを
是非味方にしてほしいと思います。

岡本美樹

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