「貴方」だから書きたくなったんだよ。
まいりました。
これはもう、完全にノックアウト。
心揺さぶれるものに出会ってしまいました。
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私は2024年にnoteを始めました。
「創作!創作?創作とは何だ!」と自問自答しながら、noteを徘徊しました。たくさんの名文を目にして、先輩noterさんの足跡を辿って、その道筋をなぞるように書いてきました。
創作を自由に
とあっても、その実自由に創作できている方がどのくらいいるでしょうか。
「読まれるためには」
「タイトルの工夫」
「サイトマップの作成」
「マガジンに登録」
これらは自分の作品が読まれるための努力と工夫であって、先人たちの知恵でもあります。
ところがそれをすることによって「自分のやりたかった事」が少しずつ変化して、独創性や自由が失われることにもまた繋がっていたのかもしれません。
これまで私はガツガツと「創作大賞だ!読まれる文章書くのだ!」と息巻いて、おそらくメインストリートであるその場所をまっすぐ歩いていました。
ところがふとした時、このメインストリートのすぐ横に路地裏が存在していることを知ったのです。
「意味のあること」「誰かに読まれること」がメインストリートのテーマである世界の中で、路地裏はそれとは全く逆の「誰も覚えていない、なんのはなしか分からない話」で賑わっていました。
路地裏の入り方は至極簡単。
記事のどこかに#なんのはなしですか とハッシュタグをつけるだけ。
そしたら1人の男がその話を回収しにやってくるのです。
まるでおとぎ話。
歯が抜けた日に枕元に抜けた歯を置いておくと、キャンディと交換してくれる天使のような存在です。
私がその路地裏に足を踏み入れた時、そこは「なんのはなしかわからない話」で賑わいを見せていました。すでに賑わっている場所に途中から入ることに、どれだけ勇気がいったでしょう。
クラスみんなが「カラオケいこーぜ!」と言ってるところに「わたしもいれて!」と言えるのはよほどの猛者か、根っからのパリピのみだと思うのです。
私は誰にも聞こえないような、小さな声で「なんのはなしですか」とつぶやきました。そしたら、その男がやってきました。そして私が枕元に置いておいた歯記事のかわりにこんな言葉を置いていかれました。
その文章を読んだ時の私の気持ちをなんと表したらいいでしょう。
見てくれるだけでも嬉しかったのに、キャンディくらいで十分なのに、ものすごく大きくてあったかい何かをくれました。私の体のまわり全部を嬉しさと楽しさとわくわくで包んでくれて「もっともっと書きたくなる気持ち」を残してその男は去っていきました。
「これから道を間違えないことを願います」と言ってくれたけど、メインストリートと路地裏、どっちの道も歩きたいと心から思ったのです。
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そして翌週、私はもう「なんのはなしですか」が書きたくて書きたくて、もはや「なんのはなしですか」を書くためだけにネタを探しました。
そして「ナンのはなし」を書きました。
カレーにつける、あのナンです。今回は歯のかわりにナンを置いてみました。するとまた、その男がやってきました。
そして男はナンを回収すると、月曜の朝にこんな言葉を返してくれました。
起きぬけにこれを読んで、笑い転げました。
どんな文章を書いても、この人がいるから大丈夫。っていうか、この人に拾ってもらいたいがために書く。この人に、ツッコんでもらいたい。
たぶん、そう思うのは私だけじゃなかったはずです。
なんですか通信の翌火曜日、「この人の回収コメントが好きだから書く」と言っている方がいました。その通りだと私も思いました。私も、みんなも、一度書いてみた「なんのはなしですか」への回収コメントで、その男に惚れたのです。
「なんのはなしです課通信」は混沌としていました。色々な人が、とても自由に書くことを楽しんでいました。そしてどんな記事にも男は表れて、かわりにキャンディを残して去っていきます。甘い甘い、クセになるキャンディです。
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男は私に言いました。
「そもそも誰も覚えてないはなしの集まり」だ、と。
そこで私は疑問に思いました。
この人は、「誰も覚えていないはなしの集まり」をどんな気持ちで回収し続けているんだろう?混沌とする路地裏を、もはや人込みでごった返す裏原宿のような道を、その道を歩く人々をたった一人でまとめ続けているのです。
この男の存在そのものが、おとぎ話のようです。
そしてそのすべてこの答えがここにありました。
この路地裏は、この男が3年もの歳月を費やして作り上げたものだったのです。強い強い信念をもって。
そして男はこう言いました。
さらに、男が置いていったキャンディはその甘さでは到底推し量れない、男の心の内がありました。
あぁ、そうだったんだ。
だから、私は、また書きたくなったんだ。
その情熱に、その男の心に、私は完全に打ちのめされました。
涙がボロボロと流れました。なんでかは分かりません。なんの涙でしょうか。キャンディに催涙成分でも入っていたんでしょうか。
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路地裏の男、その混沌を混沌のまま残す男、そしてその道を通る、全ての人に、甘いだけじゃないキャンディを配り続ける男。
その人をコニシ木の子さんと言います。
コニシ木の子さん。
あなたは「なんのはなしですか」は魔法の言葉だといいました。
確かにおっしゃる通りだと思います。
だけど、「なんのはなしですか」に、面白くて楽しくて、もっと書きたくなる魔法をかけたのは貴方です。
「なんのはなしですか」は貴方が回収するから、貴方が配るキャンディがとっても美味しくてクセになるから、だから私たちは惹かれたのです。そして今もなお、書き続けているのです。
コニシさん。3年間、続けてくれてありがとう。
「なんのはなしですか」に、そしてあなたに出会えてよかったです。
ありったけの感謝を込めて。
頂いた分のキャンディ、少しでもお返し出来ますように🍬🍭
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