砂の記憶

ずっと 奥に
目の前にある
しんとした 殺風景な旅の記憶

遠くに来たと思った

異国の血に憧れた頃
無理やりに
あの人に溺れた

結末を
考えるのではなく

わかっていたとて
夢に 出てくる

あの日
キスをした

異国にいる気がした

箱舟にのって
砂の河を渡る

真っ赤な太陽を背に
キャラバンは行く

私は
浮足立った子供で
それ以外なにも見つからない子供だった

窓から見える
緑と風が
強い自分であるかと
都合よく錯覚した

あの時
遠くに行くことが
旅の 目的だった

あの人に
キスをした

落日を わたしは
きっと忘れないだろう

#詩 #詩作#詩を書く#ポエム

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