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亜熱帯のさなか

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書いた詩を ここにまとめています。 若いころに書いた詩なんかも、織り交ぜながら 記憶を どこかに メモするように 細々と 書いています。
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#自分の記憶

無題

あれは
朝焼けだったか
夕焼けだったか

もう 忘れてしまったけど

あの 光の加減とか
雲の上にいる時間は
果てしなくて

晴れでも くもりでもない
どっちつかずの空を横切る
飛行機を
わたしは 眺めている

あきらめに似た
淡い希望みたいな何かが
カップの底に 溜まって
冷めた珈琲をすする

わたしは
もうきっと あなたたちには
会えない

こんなに
重大な事実を
気がつくでもなく

判ったこ

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夜明け前の戯言

あの日
というほどの
だいそれた 日々ではない
なんとなく 過ごした日々を

特別ではない
普通の日だった毎日を

懐かしくて
悔いることなど
何一つないのに

眠れない夜というのは

つい そんな普通の毎日にさえ
手を出さずには いられなくなる

悔いることでしか
思い出せないような わたしは

次も 目覚めることができるという
前提で

夜毎 眠りにつくけれど
そんな 保障はどこにもない

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苦悩

知らないことが
多すぎて

何から どの様に
あなたに
知らないということを
伝えればいいのか
解らない

知らないことを
知りたいけど
世界のはしっこで
小さく うずくまる

あなたに
伝えられることが
なかなか なくて

わたしは
なんだか もう
失敗だなって思って

隅に置いてある
りんごを かじりたい

情景に
船の静画が ある

わたしの

畝る波と
城を食む蟻と
床板を踏むヒールの足

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海をおもう

弧を描く 水鳥が
届かない 羽をばたつかせて

勇気なく
泣きたい気持ちを
弱さを
懸命に隠して
老いてゆく

近くにいる
わかりあえない
群れた 同胞たちと
決別したい と
きっと 思おう

誰からも
愛されず
日々を 淡々と やり過ごす

それすらも
精一杯の勇気

見過ごせない
荒ぶる 意識

水鳥は
渡り鳥に きっとなれない
#詩 #詩を書く #自分の記憶 #感情を記録

夏の暑い日

木陰にいるのに
とても 暑くて

新たな
忘れてた 胸の痛み

夏は じれて
たまらない

行き先がないから

痛いのか
暑いのか
泣きたいのか

わからない

時間だけが
どうしようもなく
経ってしまう
#詩 #言葉を綴る#自分の記憶 #忘れないように #感情