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記憶の中の波間にゆれる

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書いた詩を まとめています。
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2023年10月の記事一覧

欠けているとしても それはそれが現実なのだった

なくなったって
はかりしれない 宇宙は
膨張し続けている

欠けた お茶碗みたい

あなたが いなくなって
もう どのくらいたったかしら

ゆうべ あなたの夢を見た

毎日 時間は 経っていて
そのうち
わたしも いなくなるけど

なくなったって
はかりしれない 宇宙は
膨張し続けている

宇宙が 生きている
#詩 #詩を書く#詩作#ポエム

果実

あなたは あなたのしわがれた手で
夏みかんをむいた

ベタベタするから
むくのがキライ、と

わたしが 言ったから

あなたは なんでもしてくれる
わたしが 望むことを

夏みかんに 蜂蜜をかけて食べると おいしいよって
わたしは あなたのしわがれた手を撫でながらいう

あなたを 失ったら
わたしは きっと 悲しい

夏みかんが 好きだから
あなたのしわがれた手が 好きだから

#

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夜風にあたる

ふと 昔の恋人に
今すぐ逢いたいと思った

とても遠い場所にいるのに

海を越えて

昔の恋人の 縁もゆかりもない場所で
わたしは 暮らしているというのに

そばには あなたが いるというのに
そばには ゆるぎない幸せが いるというのに

どうして泣きたくなるのだろう

昔の恋人なんて
顔さえ 忘れてしまったというのに
#詩 #詩を書く#詩作#ポエム

理不尽

猥雑さと

それに反する 愉快さと

丁寧にいきること
#詩 #詩作#詩を書く#ポエム

生きる

旅を続けることで
孤独は
深くなるばかりだ

旅をやめたいと思う

だけど
きっとやめることをしない

旅は
自身が終わるその日まで
ずっと つづく

言い訳をしても
狡猾であっても
楽観的であっても

孤独は
そばにいつもいる

旅を やめることをしない
#詩 #詩を書く#詩作#ポエム

Tシャツと花火

きりりと 冷たい夜風に
わざと Tシャツで
表にでて

夏のあいだに
できなかった花火に火をつけるあなた

伏し目がちに 言葉を辿るとき

今こそ
私たちは別れるべきなんだと

思い込んで躍起になる

やり残したことは
きっと 花火だけではない

私たちは
あやふやな言葉ばかりを
味方につけて

少年だった頃の事を
しきりに 話す

なんにも 知らない時を
懐かしんで

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あまのじゃく

あんなに 望んでいたのに
いつしか
アラを見つけてつつくみたいな
うがった 大人になりました

でもきっと
でもきっと

わたしは 今のほうが好き

力は 抜けていたほうがいい
ちょっとくらい 毒があってもいい
#詩 #詩を書く#ポエム

くちなしの花

あ、くちなしの花のにおい、と
祖母が言った

有るのか無いのかわからないような
ほそい釣り糸のような
そんな香り

この日から
くちなしの香りは
祖母の香りになった

このまま 錦市場に行って
お魚を買って帰ろう

くちなしの花の香りは
じんわりと 汗ばんだ肌に まとわりつく

今年も 京都の夏は とてもあつい
#詩 #詩を書く#タイムラグ#ポエム