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記憶の中の波間にゆれる

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書いた詩を まとめています。
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2023年7月の記事一覧

無題

どうしても行きたい場所があるわけじゃない

でも
いつでも 旅立てる自由がほしい

時間を費やすことを
悪いことみたいに言わないで

わたしの生き方なの
わたしの悪いくせなの

もう放っておいてよ

かけ違えたボタンみたいなわたしたち

わかりあおうとは思わないから
ただの隣人で居させてよ
#詩 #詩作#詩を書く#ポエム

移動遊園地

移動遊園地がやってきた
いったい何をしに来たの?とききたくなるような
こんなうらぶれた街に

移動遊園地の主人は
仏頂面で
その小さい息子も やっぱり仏頂面で

楽しくないのに
楽しいふり

本当はもう どこにも行きたくないのに

遊園地は移動する
彼らは移動する
それが仕事だから

さみしいのは この空のせい
ずっと曇り空で
とても陰鬱だから

ここに住むひとたちが
うらぶれていることが好きだか

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小さな国の小さなカフェの小さな君

取り留めのないことを
おしゃべりして

僕たちは
友達同士だね

明日 君が
突然 旅立っても

僕たちは いつまでも
友達でいられるんだ

小さなカフェの
小さな君は言った

旅を続ける理由を
聞かれて
僕は 困る

目的地がないから

小さな君は
君は 大きく頷く

あぁ 君は友達だ

君が 大きくなって
君が小さな君だとわからなくなったとしても
僕たちは

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無題

あなたのこと
なんにも知らないのに

知りつくしてる錯覚

冷たい人だなんて
言わないでね

だって それが
私の生き方だもの
#詩 #詩を書く#詩作#ポエム

17歳

かなしすぎる
映画の結末のように
私たちの会話もしりきれトンボ

こころが 風になればいいのに

うしろめたさとか
とにかく そういうものは子供のころの
飽きない宝捜しのようで

あるとき
この上なく
泣きたくなる
#詩 #詩を書く#ポエム#詩作

情景

憧憬は
あの人の眼差しと
月明かり

木々が ざわざわと 揺れて
淡い風が立つ

さよならは
いつでも
突然にやってくるもの

風を受けた
私の髪は
夜の闇に消える

判らないことは
すべてと

あの人の
生き方だけだった
#詩 #詩作#詩を書く#ポエム

無意味なことを続ける

そこはかとなく 
ゆらゆらとした
無意味な瞬間

ずっと そうありたい

知っているのは
宇宙の中の とある一点

あなたのいる場所
わたしの歩いた場所

どれほど旅を続けても
知っているのは
そのくらい
#詩 #詩作#詩を書く#ポエム#書く

こどもという仕事と哲学

曇り空を 背伸びしながら
窓越しに じっと眺めて

遠くにある 少し青い空を
白くて薄い雲を
自分の息吹で飛ばそうと試みた

曇り空ならぜんぶ曇ってなければいけない
自分に見える限りの空は

愛とか
恋とか

そんな大人のするようなこと
どこか うそくさいようなこと

知らないし
興味もない

今ほしいのは
ビリジアン色のミント味のアイスクリーム
イルカの形の消しゴム
クッキーの香りがする折り紙

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