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どの映画が僕の心を打つのか

私事ですがコロナにかかり、自宅待機中にたくさんの映画を観させてもらった。(Netflix 素晴らしいコンテンツ!!)                    そこで僕は気づいた ただなんとなく そう深く考えもなく

 僕の心を打つのは日本映画ではなく韓国映画だということ              

 情けなく寂しい気もするがこれは全くの事実だ。              僕はこれを確信した映画がある

「ビューティー・インサイド」だ

なんか予告版を見ると酷くチープに感じでしまうが                      中身は本当に素晴らしい

映像・音楽・原作・演技 4つとも最高だ

映画というのはこれらを達していないと視聴者を映画の世界に誘うことが出来ない

それをこの映画を観て再度認識し直した。

私達は時折 役者で映画やドラマを選んでしまうことがあるが、それも不毛だと気づいた。

この映画には主人公はいない いるといえばいるが同じ役者ではない。      大切なのはそこではない

いい映画でいい演技をすることが役者の役割だということ

そして映像と音楽がその映画の世界観を作り出す

トッケビなんて正にそうだ 映像と音楽があの世界を作っている(まあトッケビは映画ではないが)

あとこれが最も重要なことだといえるが

物語の答えが明確だ

「答え」というとなんだが正しいOr誤りみたいに感じる方もいるが

「見せ方」と置き換えた方が分かりやすい

例えば「パラサイト」は格差社会への強烈な主張

「新感染 ファイナル・エクスプレス」は「自己犠牲」

因みに「ビューティー・インサイド」は「愛」だ

この明確さこそが 視聴者に落とし処を探させる必要性をなくさせている

それは映画感想を無為にさせているにでは?という意見が挙がりそうだが

それは違う

印象操作というのは「作品」にとっては必要だからだ

作品の提供者が視聴者に「このように観てほしい」いう方向性を指し示すのにはそこに必ず意図がある。

それが商業的であろうと社会性であろうと「見せ方を固定する」ことで               私達は提供者が与えた世界を堪能することができるからだ                 これは私達が意見を持つということを「世界に魅せられる」ことに変化させようとする1つの企みなのかもしれない

いかにもハリウッドが行ってきた商法と同じ

でも異なることが1つある

提供者はそれを視聴者に見せることと同時に「問い」を与えている

「あなたはどう思うの?」という「問い」だ

ハリウッドにはこれはなかった

例えば「ハルマゲドン」や「アベンジャーズ」を観た後に

「あなたはどう思うの?」という問いを感じたことのある方がいるだろうか?

多分いない 

なぜなら物語は完全に終結しているからだ


この「問い」が私達を沼にはまらせる 

「愛とはなんなの?外見なの? 内面だけを愛するとはどういうことなの?   果たしてそれは可能なの? あなたはどう思う?」と・・                                      韓国映画はこのようにして私達を魅了する

では日本映画はどうだろう

最近の日本のドラマは観ていない 

Netflixを利用して「全裸監督」「金魚妻」「浅草キッド」を観させてもらった。

端的に言う(失礼な発言になってしまい不快に思う方々もいると思うがあくまで個人的な意見として捉えてほしい)

「面白くない」

役者や音楽。映像が悪いのではない もちろん制作費の問題もあるのかもしれないが今回大事なのはそこではない

原作が圧倒的に魅力的ではない

「あなたはどう思う」という提供者の意図がもしあるというのなら

「なにが?」と僕は答える

何も感じないのだ

物語の答えは明確だろうか?

「物語の答えは明確なのか」と「あなたはどう思う」は続いている

物語は製作者の中だけ明確なのではないか

視聴者には届いていないように思える

少なくとも僕には届かなかった。

でも

「僕たちはみんな大人になれなかった」という映画のみ

さらば青春の光(芸人じゃないよ)と同様の「何これ?」を残してくれた


多分この映画は分かりにくい 90年代をリアルに過ごしてきた僕でも

咀嚼して理解することが出来ない

そこには「幻の光」や「PiCNiC」がもっていた90年代の「危うさ」と「不確かさ」があるような気がする

それを「少年性」と呼ぶのだろうか「モラトリアム」と呼ぶのだろうか

物語の答えが明確 とは違うもの

これも映画なのか 忘れていた

「分かり合えないってことだけを分かり合うのさ」

90年代に小沢健二は言っていた。

僕はそんな映画を愛していた。

それが今の若い子達にも届いたらいい

そんな映画は日本からでしか生まれないのではないか?

僕はそれをワクワクしながら待とう

まるで高校生のデートみたいに

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