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カナダで出会った人 〜どうして無職になってまで心の声を優先するのか〜

私がどうして無職になってまで自分の心の声を大切にするのか、カナダである人に出会ったことがきっかけの一つでした。

カナダでワーキングホリデーをしているとき、当時住んでいたシェアハウスからバスで40〜50分ほど離れたところにあるレストランで働いてた。

ある日少し帰りが遅くなった日にキッチン兼バーテンダーとして働くスリランカ人の同僚の家が偶然近いことを知り、その日以来、彼が仕事が休みの火曜日以外は毎日送ってくれるようになった。

彼と車の中で、私は拙い英語でたくさん話をした。彼はいつも明るく話しかけてくれ、レストランで唯一の日本人で英語が上手でない私を気にかけてくれていた。

彼は学生の頃、生まれ故郷のスリランカでは内戦が続いていたため、安全な場所を求めて1人カナダへと渡った。

働いて、お金を貯めて、彼の家族・友達をカナダへ招いた。彼の妻も、彼が招いたそうだ。ビザや移民の手続的なところや過程を詳しくは聞かなかったが、晴れてカナダの市民権を取った。

彼は2人の娘と妻を養うために週6回、朝から夜遅くまで働いていた。
早朝に起き、まず家の前や近所の雪かきをする。子供たちを学校に送り出し、その後レストランで仕込み作業をする。ランチタイムを終えると夜の仕込み。忙しい夜はバーテンダーとして時にレストラン全体のお客さん分のドリンクを作った。そのあとはレジの精算作業をし、締め作業をして23時頃に終わる。

いつ寝ているのか、、というスケジュールの中で、さらに彼の仕事の割にはそのレストランでの時給は多くはないように感じた。

しかし彼は幸せだと言った。

彼は、安全であること、家族・友人が近くにいること、があること、仕事があることが幸せだと言った。

対して私は、安全な国に生まれ、戦争は、人伝にしか知らない。カナダへ働きに行けるビザを得る権利があり、そこでカナダを気に入れば移民する選択肢も簡単では無いが存在しており、そうでなければ帰る場所があった。

住むところ、食べるもの、仕事、場所、きっと私は人より多くの選択肢を持っていて、選ぶことができる。

尊くて有難くて幸せで、だからこそ私は慎重に、選ばないといけない。今の状況をありがたく思って終わりにしてはいけない、自分で選んで、納得のいく選択をする。そして絶対に幸せにならないといけないと思った瞬間だった。

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