ドールチェあーんどガッバーナのせいだよ

としまえんのプールに行った。
そこは公園じゃない。いつもいく公園とは違う。癒しというよりキラキラウキウキする場所。
久々にファミリーだけじゃなく、若者や学生も集まる場所にいった。

遊園地のプールというウキウキとした気分は、たんに賑わっているからだけではない。
公園と徹底的に違うのは、それは音だ。音楽がいつもどこかから流れてきてる。

おかげで気づいたら、帰って水筒を洗いながら「ドールチェあーんどガッバーナーの~香水のせいだぁよぉー」と、口ずさんでいた。
そばにいた夫も一緒になって口ずさみ、娘が寝たあと、こっそりと2人でその曲を検索した。

瑛人さん、知らなかったけど、今流行りのかたなのだろうか。
改めて聞くと、なんだか染み入る。
ドルチェ&ガッバーナどころか香水を買ったこともなく、全くの縁がないまま人生を終えそうな私だが、いい曲だなーと思い、「ちゃんと聞くといい曲だね」と夫と言い合い、
その後も何度か聞いては口ずさんでいる。

昨日も歌いながら、皿を洗う途中ふと気づいた。
あ、こんな感じで曲に出会うのって、すごーく久しぶりだ。

最近はテレビの歌といえば、パプリカ、勇気100%、オトッペ、よくて朝ドラの星空のエール。ドラマの感電。最近の娘の十八番は、はるがきた、ハッピバースデートゥーユー。さぁ、ご一緒に!
テレビでの歌って、番組の印象が強い。だから、曲が単体ですきというより、そのドラマとかひっくるめて好きなんだと思う。

歌番組がやるような8時台は、3歳無事ねんねへのラストスパートなので、とてもテレビをのんびり見ている余裕はない。

少し前、娘に「大人の歌も歌って!」と言われて、最近の適当な歌が出てこず愕然とした。

私は、どんな風に曲を好きになってたっけ?

わからなくなっていたんだ。

思い返せば、小中学生くらいのとき、いつも給食の時間は放送係が、流行りの音楽を流していた。
その中からこれが好きだのあれはちょっとだの、勝手に選んでいた。当時はMDが主流だったので、親に頼んでCDを借りて落としてもらったりした。

放送係の趣味が入った給食の時の曲は、なんだか「私たちのもの」という感じがして、ランキング番組でいいところにいくと嬉しかったりした。

そのうちにラジオを聞くようになり、受験生の頃、初めて宇多田ヒカルのautomaticを聞いた。

今までの歌と違いすぎて、衝撃すぎて、思わずメモをとり、次の日にCDショップに行った。私が見つけた!誰がなんと言おうと好きだし探しだす!と思って勇んできたのに、それは一番売れる正面の棚に、一番堂々とおかれていた。しかも日本人だった。勝手に黒人の女の子が歌ってるんだと思っていた。
売れすぎていて、ちょっとがっかりした。

そんなこんなで、宇多田ヒカルが好きだったり、コブクロが好きだったり、モンパチだったり、JUDY AND MARYだったり、バンプにはまったり(書いていくと年齢がばれる……汗)したが、私のMDには、ミスチルや、島唄や、カーペンターズや、KinKiや、鬼束ちひろや、井上陽水や、ラブコメや、B'zや、卒業写真や、何度でも、や、なんならホルン協奏曲まで、いろいろと雑多に好きな曲を一曲ずつ寄せ集めて入れていた。

そのほとんどが、《耳》で出会った音楽たち。
友達の好きなCDを借りたり、CDショップで視聴しまくってた時のもあるけれど、ある日どこかで流れていた曲と、偶然ばったり出会ううちにひかれあう、そんな恋の落ち方。

だからそれは、ある日の給食時の空気を呼び起こさせ、
片想いを思い出させ、
イヤホンの感触と夜風と自転車のライトだったり、
耳くっつけて聞いてたラジオのスピーカーの震えだったり、
カラオケの時の友の表情だったり、
メロディーに乗せて解き放ってもらった感情だったりを、
よみがえらせる。

教育的にどうかとか、対象年齢とか、そういう理性を通らずに、「あ、これ好き」という曲をその時の自分もまるごと含めて抱きしめていた、あの頃。

そんな感じの、曲との出会いを、最近ぜんぜんしてなかったなぁと、思ったのだった。

YouTubeには、この曲を聞いてる人にオススメの曲がラインナップされる。
「おかあさんといっしょ」の「からだ☆ダンダン」の流れでは、「ブンバ・ボーン」は流れてきても、「香水」は流れてこない。来てたとしても、耳が知らない曲をわざわざ再生はしない。

『あなたにオススメ』とか『これが好きならこれも好きでしょう』とか『母が泣ける歌50』とかされずに、見ず知らずの他人がこの曲いいから聞いてもらいたい!と流してくれた曲。
そんな曲と偶然居合わせた私の耳との出会いが、とっても心地よくて、嬉しかった。

きっとこれから「香水」をどこかで聞くたびに、あのプールサイドのざらっとした絶妙な熱さとか、3歳の娘のはしゃぎっぷりとか、もうなくなってしまうとしまえんのこととか、いろいろ思い出すんだろうなぁと思っている。

ありがとう。

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読んでくださりありがとうございます!
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保育士、学童保育士、漫画原作、留学夫と共にロンドン語学留学、の経験をへて、現在一児の母。 四角いところを丸く掃くタイプ。 北村薫、森絵都が、青春の書。 https://twitter.com/GMKqK45tieDHxCy
コメント (2)
良い記事でした
ありがとう
KAさん、ありがとうございます!
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