こわい衣服

 ズボンが爆発、ズボーン

 三人死んだ。

 調査に乗り出す人々。三人死んだのだから、調査に乗り出す。

 現場検証。現場は閑静な住宅街。閑静閑静。蟻が歩く音も聞こえてくるほど閑静だ。だから、ズボーンという爆発音はそれはそれはもうズボーンであった。住民は恐れていた。どうにかして、どうにかして、とお願いしていた。警察は調べた。一生懸命調べてた。調べてる音がすごかった。すごく響いていた。しかし、何も分からなかった。

「ちょっと、どうしてくれるの!私、不安で眠れないわ!原因がわからないなんて!」

 住民のひとりが怒った。

「すみません。すみません。でもまあ、再発は防止できますよ。出来ちゃいますよ。あなた方がね、ズボンを履かなければいいのです。つまりはね、スカートを履きましょう。スカートを。だってね、スカーっとは、爆発しなそうじゃないですか。」

「なるほど!!」

 その日からその地区の住民はスカートを履いた。しかしその日から暴行事件が相次いだ。スカートがスカーッとするために、殴りまくっていたのだ。みんな、パンツしか履かなくなった。

 完

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