危篤おじいちゃん

 昨日からおじいちゃんは危篤おじいちゃんとなり、危篤ルームで危篤睡眠しています。危篤おじいちゃんは危篤なので天からのお迎えを待っています。

「危篤おじいちゃんは天からのお迎えを待っている状態ですか?」

 と先生に聞くと

「今夜が峠ですね笑」

 と言われました笑。

 危篤おじいちゃんに伝えよう。

「危篤おじいちゃん、今晩が峠だってよ!!」

「ふがーふがー。」

 危篤おじいちゃんは危篤なので今夜が峠ということもわからずに寝ています。あほめ!わからせてやる。

「危篤おじいちゃん、今夜が峠だってよ!!びよよーん!!」

 私は危篤おじいちゃんの耳を引っ張りました。ゾウさんみたいです。

「やめなさいっ!!」

 ビシッ!!

 さっき笑っていた先生が怒りました。倫理観があるのですね。倫理の先生なのか!

「危篤おじいちゃんはおもちゃじゃない!!人間を舐めるな!!」
 と、言われました。
 ビシッ!!と、頭を叩かれました。痛かった。病室内に音が響いていました。ビシッ!!
「ま、孫を叩くな〜!!」
 えっ!!
 ええええっ!!
 なんと、危篤おじいちゃんがしゃべったのです。
 ビシッ!!
 医者がもう一度叩くと
「孫を、叩くな〜!!」
 と、再び声がしました。
 ビシッ!!
「孫を、叩くな〜!!」
 やはり音が....。
 しかし、危篤おじいちゃんの口は全く動いていません......。これはどうゆうことなんだ.....。
「ここ、これはどうゆうことですか......?」
「私にも....わかりま....わかりません.....。」
 先生も動揺しているようです。
 ビシッ!!
「孫を、叩くな〜!!」
 ビシッ!!
「孫を、叩くな〜!!」
 ビシッ!!
「孫を、叩くな〜!!」
 ビシッ!!
「孫を、叩くな〜!!」
 .........
 何回やっても同じように声が聞こえてきます......。一体....一体どうゆうことなんでしょう....。

 ビシッ!!
「孫を、叩くな〜!!」

 ヒーッ!!
 私たちは怖くなって危篤ルームから逃げました。危篤おじいちゃんは一人危篤ルームで死にました。

 完

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