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質の悪いラム酒で酔いどれた彼は猛烈な睡魔と闘いながら今夜も机に向かい壊れた懐中時計や片方しかない革の手袋と気違いじみた途方もなく長い口論を始めるのだ性懲りもなく。夜更かしの白熊が北欧風の古びた屋根にゆったりと寝そべる頃、性善説を唱える独立主義者たちのいかにも安っぽいスピーカーやスニーカーは救急車に放り込まれ、およそ時代遅れのシルクのブラウス──麻薬中毒患者と見紛うほどに着飾った看護婦たちは優雅にカデンツァを叫び続け、君のポケットの中キーホルダーにつながれたままのようさ。

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