幸せには小さじ1杯の諦めを
会社の同期とおよそ半年ぶりに飲んだ。入社7年。5人いた仲間は4人になり、彼女ができないだの彼氏と別れただのと話していたら、今や半数が既婚者だ。話題といえば会社の愚痴と同僚のゴシップ、夫婦関係か相変わらずの恋愛。
みんな仕事とプライベートが一長一短だった。結婚生活の話は楽しそうに語るのに仕事では年間目標を達成できずに評価が悪かったとか、仕事は順調でも「離婚するかも」の冗談にどこか笑えなかったり。
まあ、そんなもん。
私たちは幸せなんだろうか?
大変だけど、辛いこともあるけれど、きっとそれなりに幸せなんだろう。すべてが上手くいくことなんてないんだから。
メリーポピンズはスプーン1杯の砂糖で幸せになれると教えてくれた。
私たちは必死になって砂糖をスプーンですくう。すくった砂糖をどんどん鍋に入れる。幸せでいっぱいになるはずの鍋の底はいつの間にか黒く焦げている。かき混ぜても焦げたところは元に戻らないし誤魔化せもしない。
解決するには…たぶん諦めるしかない。手に入れたはずの幸せを、幸せだったものを手放して。
諦めながら生きていく。私は幸せなんだと言い聞かせながら。小さじ1杯の諦めは幸せの隠し味だ。
model: amandaさん
(instagram: @amanda._.diary)