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だから、目につかないように隠した/短編エッセイ


体型を隠すための洋服。

素顔を隠すためのメイク。

性格を隠すためのチャック付きのバッグ。

生活感を消すために増えていく収納。



「ありのままであること」を大事だと謳う世の中に対する皮肉のように
隠すことに躍起になる日常。

生活を発信する場所が増えたからだろうか?
有名人に誰しもなれるようになったからだろうか?
何でも動画に晒される日常になったからだろうか?


職場や学校で笑顔の仮面をつけることがあっても
それ以外の場所ではもっと素の状態で過ごしていたはずなのに、
便利な世の中になるたびに
つける仮面の時間が長くなっていくように思う。


不便な方がよかったのかもしれない。
そんな皮肉まで出てくる。


でも私はいいんだ。
仮面をつけることで、わずかなこの平穏な時間が守られるのなら。


そう願いながら、
私の本音は日記の中に隠した。



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