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短編エッセイ

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ちょっぴりフィクションを混ぜたエッセイ集
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#深夜

深夜、1人、青信号になるのをまつ/短編エッセイ

深夜、1人、青信号になるのをまつ/短編エッセイ

これを渡ってしまったら、
それこそ私はダメになる気がする。

夜が深くなっていくと、道を歩く人はほとんどいない。
終電を過ぎたこの時間は車も少なくて、
帰れなくなった人たちを乗せたタクシーが数台
通り過ぎていくような状態だ。

こんな時間になると、
田舎の信号機は働くことをやめるけれど、
都会の信号機は「もしも」に備えて稼働し続ける。

だから毎回試される。

車も人もいない状況での赤信号。
たっ

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