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晴れて行くメキシコ

7月12日、ファブアカデミーの卒業に当確ランプが点灯し、19日には私の名前も載っている卒業確定者リストがコーディネーターから配信されました。すでにMITニール・ガーシェンフェルド教授の署名の入った修了証書(ディプロマ)の電子コピーも添付されており、ようやく実感が湧いてきました。

6月初旬の卒業製作のプレゼンには184人が臨んだと以前noteで書きましたが、プレゼンはしたものの未だ卒業確定していない受講生も相当数います。期限までに文章化(ドキュメンテーション)が終わっていないとか、文章化がギリギリになり過ぎてグローバル評価が間に合っていないとか、いろいろな事情があるのでしょう。私よりもずっと優れた作品を作っていても、文章化が間に合わなかったというケースが多かったのではないかと思います。

60点程度のものを80点レベルに盛ることができる自分の英作文能力には、大いに助けられたと改めて思います。

Facebookで卒業確定を報告したら、多くの方から祝福のメッセージをいただきました。ありがとうございます。ファブアカデミーを卒業することの価値は、どうしても「知る人ぞ知る」なので、祝福のメッセージをいただけるだけでも御の字だと思います。

そんな中でも、「ファブラボ」を通じて接点があった、インドやブータン、ネパール、インドネシアの方々からは「よくやった!」と絶賛いただいたのは嬉しいです。私から見ると、彼らはファブアカデミーのインストラクターであり、過去に修了されている先輩です。開発途上国の「支援」とは全然違い、私が彼らから学ばなければならないこと、彼らがいてくれるメリットは多いと感じています。

ともあれ、8月5日からメキシコ・プエブラで始まる今年の世界ファブラボ会議「FAB24」には、胸を張って行くことができます。

FAB24のロゴ、去年のFAB23の時には既に出来上がっており、
ブータンでステッカーが大量に配布されていました。

プレイベントも含めると、今年のスケジュールは以下の通りです。

  • ファブシティ・チャレンジ(7月26日~8月2日、国内8カ所)

  • ファブ・フェスティバル(8月3日、4日、於プエブラ)

  • FAB24カンファレンス(8月5日~9日、於プエブラ)

  • ファブシティ・サミット(8月11日~14日、於ユカタン)

流れとしては、去年のブータン(FAB23)とだいたい同じフォーマットです。でも、細かく見ていくと、①フェスティバルが2日間となっている、②ファブシティ・チャレンジの審査結果発表が、カンファレンス最終日ではなく開会前に移された、③ブータンではカンファレンス最終日の最後の2時間程度しか設けられなかったファブシティ・サミットが、カンファレンスとは完全に切り離して別の場所で4日間も開催される―――など、ちょっとした違いはあります。

去年と比べて円安が進み、しかも開催地がアジアではなく、さらには過去2回のFABxとは違ってメキシコにはファブラボ絡みのJICAの事業が存在しないこともあって、日本からの渡航者は少なめで、かつ日本人の主催するサイドイベントも少ないようです。(ま、去年は現地にいた私がイベントを盛り過ぎて疲弊したという反省点もありますが(笑))

今回私は、7月25日に日本を出発し、8月7日にメキシコを出て、帰路はワシントンDCを経由して、10日に日本に帰る日程を組みました。ファブアカデミー受講に続き、この旅行は大きな出費ですが、元々ファブアカデミーとセットで捉えていたので、覚悟の上です。5月から働き始めたばかりの職場では、今年度の有給休暇の権利を全部使い果たしてしまいます。

去年のブータンの様子を見ていると、FABカンファレンスを最後まで見て帰る参加者は少ないと思ったので、私もファブアカデミーの卒業式(8月5日)と、カンファレンスの2日目までフルに出て、3日目には現地を発ってしまう日程にしました。

一方で、去年は主催者側にいてあまり楽しめなかったファブシティ・チャレンジについては、今回は一参加者として思い切り楽しもうと考えています。

当時書いたnoteの記事でも触れましたが、ファブシティ・チャレンジは外国人参加者にとって開催国の地域住民と地元で交流し、地元に必要なソリューションを共創できる貴重な機会です。せっかくできたその国とのつながりをその後も維持できるきっかけにもなります。「関係人口」づくりのグローバル版とでもいえるでしょうか。FAB24の一連の日程の中でも目玉となるイベントだと思うので、これは最優先で参加を考えました。

今年2月には申込み、例の「ドラフト会議」で、チアパス州サンヘロニモ・トゥリハで地元住民組合組織IXIMがホストを務めるチャレンジ「森林でものづくり(Crafting in the Jungle)」の参加チーム8人のうちの1人に選んでいただきました。グアテマラ国境に近く、マヤ文明の影響を受けて先住民の多い地域で、女性のエンパワーメントにつながるものづくりを考える、5日間のデザインスプリントです。

但し、チアパス州にはファブラボのようなデジタル工作拠点がないので、何ができるのか頭を悩ませています。

取りあえず、ホストのIXIMからは、①木材加工、②砂を使った陶芸、③養蜂が活動候補として挙げていただいているのですが、いずれも私にとって未知の領域だし、事前に聞いているところではあまり地域特有のブランディングとかされていないようなので、取りあえず渡航前の準備としては、養蜂の基礎の基礎とか、メキシコ南部地域の歴史(マヤ文明やサパティスタ民族独立運動等)を少しかじったところです。

さてどうなることやら…。

ファブシティ・サミットの開催地はユカタンとなっていて、プログラムを見ると、今年はユカタン州メリダ市、タンガ州(タンザニア)、レンカ市(チリ)がファブシティに加盟するそうです。

ファブシティ財団も、メキシコ国内で8カ所もファブシティ・チャレンジをホストする以上、メリダ以外にも将来的に加盟してきてほしいと期待する都市や地域があると思うので、チアパスでもそんな取組みをインストールするきっかけにでもできたらいいなぁと思ってはいます。

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