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宗教2世、習い事のバレエを続けるのが大変だった理由

仏教や神道を信仰しているからといって、部活や習い事を続けるのに困る、なんてことはほとんどないと思います。

私が2世として通っていた教会、末日聖徒イエス・キリスト教会(通称モルモン教)は教えの中で様々な決まりや推奨されている事などが非常に多く、それが学校生活や習い事にも影響することがありました。

※「モルモン教」という通称は、2018年に教会の指導部より、通称の「モルモン教」という名称を使用しないよう求める見解を発表されています。通称「モルモン教会」は公認されたものではなく、「使用を推奨していない」とされているので、記事内では「教会」と表現していきます。


末日聖徒イエス・キリスト教会

末日聖徒イエス・キリスト教会は、キリスト教の1つで、非3位一体(神様、イエス・キリスト、聖霊はそれぞれ別とする)の教会です。文化庁発行の宗教年鑑でもキリスト教とされています。ただ、カトリックやプロテスタント等の他の宗派からは異端とされているようです。キリスト教の旧約聖書と新約聖書の他に『モルモン書』『教義と聖約』など独自の聖典も信じています。

本部はユタ州ソルトレークシティにあります。

なぜ私がユタ州の大学が第1志望で、そこに行ったかはこれで大体察してください。笑

教会ではたくさんの決まり事があり、熱心な家庭ほど細かいところまでこだわって生活します。

ですので、習い事のバレエを続けるのにも教会との両立が求められました。
中学・高校時代に特に引っかかっていたのは下記の点です。

社会人になると他にも引っかかることがどんどん増えていきますが。^_^;

①日曜日の礼拝と過ごし方

礼拝なんてすぐに終わるのでは?  と思われるかもしれませんが、これは礼拝の他、年齢や性別に分かれての聖典勉強や教義の勉強の時間も含まれ、これだけでトータルで3時間ほどです。

そしてその後に教会で何らかの責任がある人は残って会議や諸々の雑務を行ったりします。なので4~5時間教会にいることは普通です。

また、日曜日は安息日として、「一週間の疲れを休める日」なので、基本仕事や勉強(学業)は行わない、お金も使わない、というのが基本です。

要は教会関連の活動以外はなるべく控えましょう、という感じです。

バレエやダンスをされている方はお察しかと思いますが、バレエの講習会や特別レッスンや本番はほとんど週末に集まります。

なので、教会が第1優先の我が家は日曜日のレッスンはほとんど行けなかったのです。(本番等は出させてもらいました)

日曜のレッスンだけのこと、かもしれませんが、ゲスト講師のレッスンを受けられる条件は整っているのに受けられない悔しさ、他の子は受けているレッスンを受けられない焦り、教会が理由ということの言いづらさなど、

ただただレッスンをして上達したかった思春期の私には大きな心のつっかえでした。

②平日や土曜日に入る教会の活動や集会

これも日曜日と同様、レッスンに行けなくなる、というものです。

あらゆることに大真面目だった私には、レッスンを優先して教会の活動を休むことへの罪悪感、教会を優先してレッスンを休むことへの焦り、どっちを選んでも何か心に引っかってしまう環境でした。

どっちを選んでも悪いことはしていないはずなのに、なんだか悪い気がするのです。

また、中学3年生から高校3年生までの4年間は、毎日の平日朝6~7時に教会に通い聖典勉強をする、というプログラムを行います。

これもレッスンで夜が遅くなりがちで、朝が大の苦手だった私には大変なことでした。ただ、これについては、ほとんどの教会員にとって大変で、もちろん、寝過ごすこともありました。笑

教会で任される責任

教会は会員たちのボランティアで運営されており、会員1人1人が教会内における何らかの責任があります。

例えば、教会の支部のリーダーを任される人、日曜日礼拝で賛美歌を伴奏する人、聖典勉強の先生をする人、など多くの役割があります。

また、日曜日の礼拝で毎週会員の中から割り当てられた人が、皆の前でお話をしたり、お祈りをしたりします。

その場でお願いされてパッとできるものや、前もってお願いされてしっかりと準備して行うものなど様々ですが、

これらが日常生活にあるかないかの気持ちの楽さは私にとってとても大きかったです。

離れてみた今、気持ちの余裕が違います。笑

また、前述した4年間聖典勉強では、100個の聖句を暗記しなければならなかったり、

青少年のための合宿等のイベントあるのですが、ある程度の年齢になったら、その実行委員として準備を行ったりなどの責任もありました。

バレエもたくさんやりたい、でも教会のこともしっかりやらなくちゃ、ということで特にに気持ちの持ち方に苦労していました。

生真面目な性格で、周りも教会に熱心な環境にいると、教会の標準から少しでも離れることの罪悪感はなんとも言い難いものなのです。

特に日本の教会は服装から何から何まで「言われたことは忠実にこなす」という「日本的」な感じです。

ちなみに、後に渡米することになりアメリカの教会にも行きますが、アメリカの教会はアメリカっぽかったです。笑

世間的には全く悪くない事でも、教会からするとグレーやアウトなことは多く、私は割とグレーな方を好んでいたのだと思います。


もちろん、生まれた時から関わっていた教会ですので、教会から学んできたことは多く、苦手なことも頑張って行ってきた経験は至るところで役に立っていると思います。

そして、今まで助けてくださった多くの教会員にはとても感謝していますので、そこはきちんとお伝えしておきます。^^

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