見出し画像

電子書籍と紙の本

読書

電子書籍を初めて購入してみたのは2015年だった。
購入したのは
「電子書籍で1000万円儲かる方法」
鈴木みそ・小沢高広著  学研パブリッシング

いや別にマンガを描いて儲けようというわけではなく
ウェブで色々なことができるようになってきて
同時に個人の創作の自由度が大きくなってきたと感じていたのと
これまでの紙媒体の書籍とは違う
ウェブ媒体との付き合い方を知りたかったので。

この本を読みたいと思ったときに電子版が出ていることに気が付いて
当たり前だよなーと思いつつ・これを読むなら電子版だよなーと。

内容もさることながら電子書籍を買ってみたのは
そろそろイロイロ片付けなくちゃー(汗)ということもあった。
私が持っている本など、自分で読めなくなったら邪魔モノでしかない。
それでも馴染みの古本屋さんに引き取ってもらうことを思いついて
ずいぶん気が楽になった。(書籍については)
というワケで
読みたい本はたくさんあるが、全部買っていては財布も書棚ももたないし
図書館で借りるにも読みたい本が無かったり
イヤ、何より本に染みついた柔軟剤のニオイが辛くて

一つの選択肢として電子書籍はあってもいいと判断した。

初めて電子書籍を読んだ時には
紙の本とは違って情報そのものを購入した感触があって
慣れるまでちょっとかかる気がしたが
まあ、慣れた。
で、「電子書籍で1000万円儲かる方法」を読み終えたワケだが
ウェブ環境の変化とともに
紙媒体の出版の仕組みと電子書籍の仕組みが書いてあって面白く読めた。
技術とともに仕組みも変わるのだなあ。

でも、作る側から見ると「作りたいものを作る」のに違いは無いのだと。

さてそこで電子書籍を読んだときの初々しい感想をまとめると
まず、電子書籍は場所を取らないし価格が割安でありがたい。
初めは読み心地に違和感があったが途中から慣れた。
率直な感想として
本を読むと言うよりウェブの記事を読んでいるような
…当たり前か。
情報を得るために読むなら電子書籍でいいと思う。

一般に流通している紙の書籍と比べてみると
ちょっと読んでみて、と誰かに見せることもできないし
貸すことも譲ることもできない。
紙の書籍は「モノ」だから手渡せる。
でも、「モノ」だからかさばってしまう。

手元に置いて「すりすり」したい本や思い出の詰まった本は
モノとしての価値もあって手元に「置く」もので
電子書籍はあくまでも中身の情報の価値で「持つ」ものだと思う。
さてそこで
私が持っている本で、これは紙の本だからこそ、と思っているのが

「あいたくて ききたくて 旅に出る」小野和子 PUMP QUAKES

「ぼおるぺん古事記」(一)(二)(三)こうの史代 平凡社
この本は書店でふと手に取ったら放したくなくなって持ち帰ったのだ。
(お金を払いました!)
古事記を、あの、こうの史代のタッチで描いているのだ。

これは絶対に電子書籍じゃダメ!絶対!!
本の大きさ紙質腰巻手触りぜーんぶ好きっ♪
ちなみにブックデザインは佐藤亜沙美さん、と。
(忘れなければ覚えておこう)
本を愛でながら何度でも丁寧に読んでいきたい。
自分の中でもやもやとあった古事記の世界がほぼ違和感なく再現されていて
いや、古事記は初めて読んだのが小学校の時で
その時は言葉も難しくて所々のあらすじがわかる程度で
とても読めたとは言えない状態だったが
その後、高校生の頃、二十歳の頃
それよりずうっと大きくなってからも繰り返し読んでいて
知識が身に着くとともにその世界は広がりと深みを持って
神話の世界がリアルな世界と重なってきたのだ。
人が身の回りの種々様々なモノ・コトに
どのように“神”を見たのかが見えてくるような。

紙の書籍がすべて電子書籍に置き換わるとは思っていない。
それぞれに使い方や価値が違うから。
自分の都合でうまく使い分ければいいと思う。

そして皮肉にも
最後まで手元に置いておきたい本は
誰かに後始末を頼まなければイケナイのだなあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?