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麻疹というやヴぁいヤツ

勉強
実用
子育ての風景

麻疹の発生と感染についてのニュースを見た方も多いと思う。
感染してからどのように症状が変化していくのかは
国立感染症研究所 感染症情報センターのサイト

がわかりやすい。
さてそこで
以前togetterで見た麻疹の解説を読んだのだが
麻疹のヤバさがわかりやすく解説してあったので紹介したい。

さてその経過はというと
第一段階 麻疹に感染しました!
もう、ここで重大問題発生!
麻疹のウィルスはまず人間の免疫細胞に感染するのだと。
え、いきなりかよ!
それで麻疹は感染したらほぼ発症するのだと。
身体を守るはずの免疫細胞に感染するて・・・
で、麻疹ウィルスは
“ とり憑いた ”免疫細胞とともに全身を巡るのですな。(震
さて、まるで風邪のようなカタル期を過ぎて
あ、“ カタル ”って、粘膜から粘液がじゅるじゅる出る状態のことで
要するに鼻水とか気管がゼロゼロするとかのことなのね。
風邪と間違えられることが多いというのだけど
この時期が一番“うつりやすい”のですってよ!
それが過ぎるとようやく“キラーT細胞”という
最終兵器的wな名前の免疫細胞が発動して・あの赤い発疹が出て
「あ、これは!伝説の麻疹!」となるのですな。
発疹が出てから3~4日は40度近い高熱が続くので、これはツライ!
その後回復に向かうのだが
麻疹の怖さは回復した後にも続くのだ。(六角精児の声で
キラーT細胞は感染した細胞を“処理”していくのだが
“麻疹のウィルスはまず免疫細胞に感染する”ので
感染してしまった大量の免疫細胞が処理されてしまうのと
ダメになった免疫細胞の“自死”アポトーシスが起きて
“免疫力”ががっくりと落ちてしまうのだ。(震
この状態が3か月から最長3年!
つまり色々な感染症にかかりやすくなる・・・ヤヴァいですよこれは。
麻疹は治ったと思っても・別の感染症にかかりやすくなって
間接的に人の命を奪うのだと。

さてそこで
「二度なし病」と言われてきた麻疹だが
近年、二度かかる例が出てきたというのですな。
「人類と感染症の歴史」加茂茂孝著 丸善出版 によると
ワクチンが普及したことで流行の規模が小さくなったためなのだと。
どゆこと?
そもそも一度かかれば二度とかからない“二度なし病”の実態とは

感染 → 免疫ができる → 免疫が弱っていく 
                ↓
      また感染するが症状が出ない(抗体価の再上昇・ブースター)
                ↓
            免疫ができる(以下繰り返し)

常に一定間隔で流行があったから、この過程を繰り返して
高い抗体価を生涯維持していた

ということなのだと。
あ、知らないうちに感染してたのか!
例えば
2007年の成人麻疹の流行の実態は
① 流行が小さくなり、感染する機会が無く
ワクチンも接種していなくて、成人になって初めてかかった
② ワクチン接種などで得た抗体価が、自然流行がほとんどなくなったことで
ブースターがかからなくなって減少して流行時に感染防御できなかった
というワケで
“二度なし病”に二度かかるというのは
皮肉にもワクチン接種のおかげで流行が抑えられた結果だったのだな。
まとめると
成人の麻疹発生は
ワクチン導入前の江戸時代では
流行間隔が長く空いていた(20年~30年)ことで起こって
ワクチン導入後の現代では
ワクチンで流行が小さくなったために
ブースターがかからなくなったことで起きている。
だからといって
ワクチンなんかやめて
江戸時代のように麻疹が大流行すれば自然に抗体価が上がる…って?
いや・だから・死ぬから!!
毎年子どもが何千と死ぬから!
ホントに死んでたんだから!
だから
ワクチンを適切に使って、抗体を管理した方が安全なので
麻疹のワクチンは二度打つことになったのぢゃ。

自分事で言うと
幼稚園の時、はしか(麻疹)も水疱瘡もやった。
はしかは手の平に小さな赤い「ぶつぶつ」ができて
とても痒かったのを覚えている。
顔にもずいぶん「ぶつぶつ」が出ていると言われたので
鏡に映して見せてもらったら
顔中に手の平と同じような赤い小さな「ぶつぶつ」が出ていた。
いつもは座敷に親子で寝ていたが
その時は居間の長椅子をベッドにして寝かされていた。
夜中に目が覚めると必ず母が私の顔を覗き込んでいて
私が「豆電球がついてる」と言ったのを覚えている。

調べてみると
直接麻疹に効く治療法は無くて・対症療法しかできないのだと。
それなら身体の弱い私が麻疹にかかった時には
母は本当に心配したことだろう。
豆電球の下で私を覗き込んでいた母の顔を思い出す。

息子が麻疹の予防接種を受ける時期が来たとき
予防接種の副作用が問題になって任意接種になっていた。
かかりつけの小児科医に相談すると
麻疹だけは受けておくよう強く勧められた。
「麻疹は怖いです」
それで混合ワクチンを接種することを決めたのだが
そのとき医師が誰ともなく
「こんなことを母親に決めさせるなんて」と
強い語調でつぶやいていたのが記憶に残っている。

予防接種のおかげでたくさんの命が守られた。
守れる命は賢く守った方がいいとは思うが
非常に少ないとはいえ不幸にも副作用で大きな被害があった場合には
当事者としては運が悪かったで済まされないだろう。
できることと言えば十分な補償をすることではないかと思うが
これは完全には解決できない問題だと思う。

自分が特に何事も無く高齢者になるまで生きているのは
実はとても運が良かったのだと今になって思う。

よく生きていたな・自分。

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