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らしく撮る

映画「七人の侍」の木村功は実はチャンバラができなかったという。
出演の話が来たとき、自分は全くできないのだけど、と言ったら
カメラマンが、大丈夫ちゃんと撮るから、と請け合ったそうだ。
この話を読んだときには本当にびっくりした。
だって、映画では本当にすごい侍に見えたから。
もしかしたらそれは木村功の謙遜だったのかもしれないが
あそこまで強そうに撮るカメラマンはスゴイのに違いない。

色々な映画やテレビの裏話として
俳優がどれだけ役作りのために努力したかが
例えば料理人だったら包丁さばきを・兵士だったら銃の扱い方を
猛烈に練習したことが話題になるが
でも
らしく撮る、ということももっと重視されてもいいのでは。
撮る方の腕と編集する方の腕はなかなか注目されないものだ。
こう撮ると・こう編集すると強そうに見える、という部分に
お金と時間をかけていないように思える映像を時折見かける。
ああ、手抜きだなあ、とがっかりするし
俳優が可哀そうに見えてしまう。

人間がどういう時にどう動くのか
俳優はそれを自在に再現できなくてはならないが
撮る方も撮りたいように撮れなくてはならない。
そして今度はそれを編集でさらに「らしく」していくものだろう。

丁寧な仕事が好きだ。
とはいえ、自分がそのために
たくさんのお金を出せるわけじゃないのだが。

ムシがいいのか。
そか。

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