さなペソ

社会不適合者準2級

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最近の記事

なぜニヒリズムに陥ってしまうのか–ニヒリストの特性について

ニヒリズム(虚無主義)とは「物事の意義や目的といったものは存在しない、自分自身の存在を含めて全てが無価値だ」とする考え方や態度のこと。 絶対的な価値観が喪失し、社会全体を貫く新たな価値観を見いだせていない閉塞感漂う現代の日本においては陥りやすい考え方と言えるかもしれない。 しかし、もはやわたしたちは人生を生きるうえで神の存在を必要としていない。現代人は、神がいないからといって「ニヒリズム」に陥ったりもしない。この世界は人間の世界であり、人生を良くするも悪くするも生まれ持っ

    • フェミニズムはむしろ女性を原始化させる

      先日noteで興味深い記事を読んだ。 ジェンダー(gender)とは、生物学的な性別(sex)に対して、社会的・文化的につくられる性別のことを指す。一般的に社会学の文脈だと性差別は男女間の生物学的な性の違いに基づくとされることは少く、その代わりよく唱えられるのは男女差別や格差は社会規範に大きくバインドされている…といった話だ。例えば、性愛において女性が経済力のある男性を好むという事実に対して、「社会がこの問題を構成している」といった風に解釈する。 しかしこのnoteではむ

      • 他人と向き合う事の不可解さ

          高所恐怖症というのがあって、高いところに登ると人は不安に感じるらしい。もちろん、高いところからもし落ちれば死んでしまうのだから、不安を感じるのは合理的で健康的な心の動きだ。 私の場合、むしろ、低いところから高いところを見上げた時に不安になる。たとえば、晴れ上がった青い空の中に、雲が流れているのを散歩をしながら見上げていると、とても不安になる。何か、自分を支えてる体幹が揺らいでしまう感じともいえるだろうか。もちろん、この場合には、不安を感じる合理的な理由は何もない。

        • 「知る」ことと「感じる」ことの違い

          「好きな本は何ですか?」 と聞かれると、待ってました、とばかりにわたしは「ノルウェイの森です」と、答える。 ノルウェイの森を読んだことがある人にはわかると思うけど、この小説やたら人が死ぬ。しかも簡単に。あとセックス描写もやたら多い。そしてそのまま、独特の薄暗い雰囲気の中淡々とストーリーが展開されていき、とくにクライマックスもないまま終わっていく。 多くの人のこの小説の内容を理解できないという感想やコメントは良く目にする。Amazonのレビューを読んでもボロカスのも多いし

        なぜニヒリズムに陥ってしまうのか–ニヒリストの特性について

          時代性と熱っぽさ

          最近、面白い映画を見た。 「初恋」は、1968年に発生した三億円強奪事件の実行犯である白バイ男は女子高生だったと設定し、この女子高生の初恋を描く恋愛映画である。 家庭の事情で孤独に生きてきたみすずは、新宿のジャズ喫茶だけが自分の居場所だった。そこで知り合った岸という男に、ある計画を打ち明けられ、その計画に乗ることにする…それは、3億円を強奪することだった。、 この映画の中ではジャズ喫茶 「B」という物理的に限定された視点から学生運動が盛んであった1960年代後半の新宿が

          時代性と熱っぽさ

          アンディウォーホルと虚構

          古本で安かったので買ったアンディ・ウォーホルの特集がけっこう面白かった。美術手帖 1997年 12月号 20世紀を代表するハリウッドスター、マリリン・モンローのイメージがひたすら繰り返されるアンディー・ウォーホールの「マリリン」(1967)はポップアートの代名詞的作品だ ポップアートとは ポップアートはだいたい1956年から1970年の間アメリカで流行ったアートスタイルで、主題として大衆社会や消費社会を扱っているのが特徴である。 その根本的な思想はアンディー・ウォーホー

          アンディウォーホルと虚構