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指す将順位戦7th自戦記 B級3組 5回戦 (vs 動点P 3級[1298])

前局にて遂に土が付いてしまった。
一応それでも昇級圏内のようだが 戦いはまだまだ長い。

【対局前】

◇対局相手の印象

純粋居飛車党
どんな相手に対しても居飛車で戦っており、自分から攻めていける形を重要視しているように見える。
自分と同じようにかなり駒組みがパターン化されている印象を受けた。相居飛車らしく、研究と研究がぶつかり合う将棋を期待したい。

◇対戦成績

初手合
実は対局できそうな機会がなかった訳ではなく、それこそ第15期月光戦では同じ組だったが 人数の関係で総当たりではなかったため対局するには至らなかった。

◇事前準備

 [▲先手番]

こちらが先手番の場合想定されるのは角換わり対ショーダンオリジナル。特に角換わりの場合は右玉を相手にする可能性が非常に高い。
それぞれ対策を用意しておく。

①角換わり(対右玉)

一時期 先手番角換わりを封印していたときもあったが、最近になってまたやってみようと思えるようになった。現時点では常に角換わりに戻すという感じではなく相掛かりと角換わりの両刀使いで作戦に幅を持たせるイメージ。

動点P3級の棋譜を見たところ、26歩34歩76歩の進行にすれば一手損角換わりになって通常の角換わりより手得できそうだったが、得した一手をどこに使うかが難しく、26歩34歩76歩の進行(一手得)と26歩84歩25歩85歩76歩の進行(手得無し)の2パターン用意するのは労力がかかるので本局では26歩34歩25歩のオープニングを採用する。

右玉対策として今回用意したのは45桂馬速攻
相掛かりを指し始めるまで先手番角換わりで多用していた戦法で、右玉に組み上がる前に仕掛けるので正確には右玉対策ではないかもしれないが、これで良ければ右玉が終わるという意味では右玉を滅ぼす戦法ということで。自然に組んできた場合は攻めが炸裂しそうだが、桂馬速攻を意識して変な駒組みをすると別の欠点が生まれる(例えば一番わかりやすいのは 44歩と受けると右玉にしたとき44銀と出られなくなる)ので、今はまだ研究段階だが相手の工夫に合わせてこちらも色々工夫出来そうな感触はある。
動点P3級が攻め将棋なことも加味して、それを上回る最速の攻めで対策する。

想定局面①
金銀飛車の配置、端歩の突き合いの有無など難しいが色々試してみた感じ今のところこの形が最善という判断


②対ショーダンオリジナル

角換わりにすると深い研究勝負になるため、その展開を嫌うならショーダンオリジナル力戦にしてくることもあり得る。
ショーダンオリジナルは居飛車穴熊四手角のように、「組めれば強いが組むまでが大変」という系統の作戦だと思っているので 陣形が完成する前に仕掛けて激しい展開にもっていく。具体的には、角道を開け 早めに47銀と指して、ショーダンオリジナルを指す上でかならず突かなければいけない55歩に56歩と即反発できる形で先手にとって好条件な力戦に持ち込む予定だ。

想定局面②
展開によって中飛車にすることもできるように引き飛車に構える。面白い歩の手筋が出現する変化もあり激しい展開が予想される。


 [△後手番]

こちらが後手番の場合は84歩と突いて相手の作戦を受ける。
やはり角換わり対ショーダンオリジナルが予想される。

③角換わり(対右玉)

相居飛車は先後の差が大きいが、本局では後手番でも65桂馬速攻を採用。
右玉含みの陣形に対しては後手番でも速攻が通るという結論を出した。

想定局面③
先手番のときと見比べていただければわかるように飛車を引く一手を省略している。
……というか後手番の方で研究しているのでそれに合わせて先手番ではわざわざ一手損している。
つまり後手番の方が実は好条件ともいえる。


④対ショーダンオリジナル

後手番でもやることは同じ。
他にも有力そうな作戦がいくつかあったのだが先後で違う作戦を用意するのはコスパが悪いので先手番に合わせて引き飛車5筋反発型で挑む。

想定局面④
手順前後によって色々変わるだろうが大体こんな感じ


◇対局前まとめ

先後どちらでもやることは大体同じ。
予想は角換わり右玉とショーダンオリジナル五分五分。

……で考えていたが、対局前日に同じクラスで角換わり右玉の将棋が出現した。
こういうとき動点P3級は自分もやったると燃えるタイプなのか、じゃあ今回は辞めておこうと控えるタイプなのか
……わからない。攻め将棋な人はなんとなく前者な気がする。

結局五分五分で予想。


【対局開始ッ!】

先手:Kasatanahama(1298)
後手:SaisokuAmanogawa(1149)

初手(▲2六歩)~17手目(▲7六歩)

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲4八銀 △7二銀 ▲9六歩 △6四歩 ▲5六歩 △6三銀 ▲5七銀 △3四歩 ▲6九玉 △9四歩 ▲7六歩

後手番となって想定の一つであるショーダンオリジナルの将棋に。
後手番の対ショーダンオリジナルは正直一番研究が浅かったが仕方ない。

想定局面④へ向かって進んでいく。……が早速25歩で外れている。
まあこれくらいは検討していないわけではないので誤差の範疇。
現局面と想定局面④の比較をしながらの将棋となるのである程度時間を使っていくことになる。

事前準備の通り、角道を開け 銀を早めにあの位置へ持っていき55歩に対して即反発できる用意をする。

76歩まで進んで画像の局面。ここではいきなり角交換するような変化もあるが、それはショーダンオリジナルの中でも比較的メジャーな変化
これくらいは動点P3級(というよりショーダンオリジナルを指す全棋士)の研究範囲であろうから無闇に突っ込むことはしない。
相掛かり的な感覚で飛車先の歩交換をしていく。


18手目(△8六歩)~21手目(▲6八銀)

△8六歩 ▲ 同 歩 △ 同 飛 ▲6八銀

ここで事件が発生していた。

画像の局面で88角成から将棋が終わっていた。
対局時は「へー受けないのか、どんどん想定局面から外れていくなぁ」くらいのノリでスルーしてしまった(終局後まで気付かず)。

こちらの作戦が発動する前から決まってしまっては面白くないので見落としていたのは良かったといえば良かったのかもしれないが、この手のミスをするのは二度目で、同じミスを繰り返したくはなかったので少しショックだった。


22手目(△82飛)~26手目(△5六歩)

△8二飛 ▲8七歩打 △1四歩 ▲5五歩 △5四歩

消費時間1秒で82飛と引いてしまいチャンスをみすみす逃す。

これで想定局面④から先手から25歩が突いてあるのと94歩と68銀左の交換が入っていることになる。
想定局面④と比べて若干先手が得をしていそうだがまだ事前に準備しておいた方針が無駄になるわけではなさそう。

ショーダンオリジナルをショーダンオリジナルたらしめる55歩に即54歩と反発するのが用意の作戦

無視するのも支えるのも取るのもショーダンオリジナル党としてはやりたくないのではなかろうか。

本譜は同歩と取る変化で角を換える展開へ。


27手目(▲5六同歩)~41手目(▲1六歩)

▲ 同 歩 △8八角成 ▲ 同 金 △5四銀 ▲5三角打 △6三銀 ▲2六角成 △4四角打 ▲ 同 馬 △ 同 歩 ▲4六銀 △4二銀 ▲7九玉 △4三銀 ▲1六歩

角交換になると「角交換に5筋の歩は突くな」に反してしまう先手バランス型で隙の少ない後手という構図になり指しやすいというのがこちらの主張。

途中角を打ち込まれたが手に乗って陣形を整備し、想定局面④に比べて先手が微有利だった序盤からまた元に戻せた気がする。

動点P3級が途中1手に2分以上使ったのを見て恐らく研究からは外れているだろうと一安心。
こちらの土俵に引き込むことは出来たようだ。

画像の局面では54銀から逆ショーダンオリジナル(という呼び方が正しいかはわからない)にする手もあった。この指し方は別の変化で現れるのは確認していたが角交換の展開でもこちらの陣形が素早く整備出来ていれば成立するようだ。

本譜は74歩から幅の出るような指し方をしていった。
後手は先手の手に合わせて①雁木②右玉③中飛車から後出しすることが出来る


42手目(△7四歩)~43手目(▲3六歩)

△7四歩 ▲3六歩

先手から36歩と突かれて、次に35歩からの仕掛けを見せられる。

これまでのように出来るだけ形保留する指し方を一貫するなら73桂だが、もう戦いが始まってしまうので、 ここで前述の①雁木②右玉③中飛車から選択する必要があると考えた(73桂だと居玉な上に桂頭という弱点を作ってしまうので指しにくかった)。

指し手の候補は①52金②62玉③52飛

ここは今後の方針を決める重要な局面なので5分以上あるタイムアドバンテージをふんだんに投入して考える。

まず①52金雁木を目指した手。代えて41玉や42玉は玉が戦場に近づいてしまうため指したくなかった。右玉にいく変化も残しておりこれまでの方針に沿っているとも考えられるが、先手から中飛車にされたときに玉と向かい合っておりそれが不安要素。

62玉は完全に右玉に形を決める手。居玉を解消し、玉を予め戦場から遠ざけている。しかし玉飛接近形となり将来玉と飛車を同時に攻められる可能性もある。

52飛中飛車にする手。②62玉だと飛車が狭いため、一旦飛車を真ん中に移動させてから62玉としていくイメージ。そうなれば飛車ははたらいてきそうだが52飛の瞬間が居玉+玉飛接近形+先手から中飛車にされたときに玉へ通っている と非常に弱い。中飛車にする最後のチャンスだが、仕掛けを見せられたタイミングで隙を見せるのは流石に出来ないか。

ということで本譜は一番安全そうな②62玉を選択。
右玉党相手に右玉で戦うというのは個人的に好きな戦い方でもある。

この三択以外にも、画像の局面で75歩という手があった。
同歩に65角と打って87角成と47角成を同時に狙っている。両方受けるなら69角とするしかないが、以下45歩57銀(同銀は33桂)56歩66銀92角77銀73桂66歩65歩78角52飛が変化の一例。こうやって中飛車に組む順もあったようだ
先手の右銀を攻撃することで先手からの仕掛けも消えており流石の手順

仕掛けを見せられたので受けの手しか考えていなかったが、より強力な攻めを見せる+相手の攻め駒を攻めることで結果的に攻勢をとれるという考え方は一つ学びで 仕掛けられそうなときの思考の一つとして今後組み込んでいきたい。


44手目(△6二玉)~53手目(▲5八飛)

△6二玉 ▲3五歩 △ 同 歩 ▲ 同 銀 △3四歩打 ▲2四歩 △3五歩 ▲2三歩成 △2七歩打 ▲5八飛

5分以上かけて62玉と着手。
時間差は縮まってしまったが時間は使うためにあるので問題ない。

やはり35歩からの仕掛けがくるが、進んで27歩の切り返しでどうか。

同飛は45角で飛車とと金の両取り。

前の局面で62玉に代えて41玉や42玉と指していると27歩のとき32とが王手となり失敗。52飛と指していた場合もかなり危ない。
玉を戦場から遠ざけた効果があらわれている。

58飛とまわられて画像の局面。62玉に代えて52金と指しているとここで飛車が玉を睨んでいて怖く、62玉を選んだことで防御力を高めている。……と思いきや53角の隙があるではないか。

金取りに対処しなくてはならないため53角を受けることは出来ない。
最も防御力の高い手を選んだつもりがなんだか嫌な形になってきた。ここらへんは少し形勢を悲観していたので何か技を出さなければと考えて、単純に23金と取る前に一発57歩と叩いた。

同銀ならその瞬間安全になるので53角を防げそうだ。
ということで同飛と取るのが妥当だが、飛車の横利きが無くなった他 将来桂馬が跳ねたときに飛車にあたるようになっている。
歩を打った瞬間歩切れになるが23のと金を取ればすぐに回収できる。

画像の局面でソフトは単に23金と取る手を推奨しているが、これはかなり難しい。
以降は53角から先手の猛攻を受けるが、ソフトならではの絶妙なバランス感覚で耐えている(とても指しこなせる気がしない上に変化も膨大なのでここに手順を記すことはしない)。
猛攻を凌げるならわざわざ一歩を相手に渡す必要がないということだと思うが実戦的にはかなり苦労しそうだ。

感想戦では途中35歩から仕掛けるのではなく互いに陣形整備をする変化も検討し、こちらが右玉で手待ちをして千日手という結論に至った。
後手番としてはそれでも満足だが、仮に先手番のときこの変化になった場合は何か攻めを考えなければならない。
先手番なら一手早いのでこうなる前に仕掛けがあるかもしれないし、そこらへんはまだ研究が行き届いていない。
現時点では、前述の75歩からの手順を先手番で応用して攻勢を取っていくのが良いのかな というくらいで考えている。


54手目(▲5七歩)~65手目(▲7五歩)

△5七歩打 ▲ 同 飛 △2三金 ▲5三角打 △7三玉 ▲3一角成 △3三桂 ▲7五歩 △5四歩打 ▲7四歩 △ 同 銀 ▲7五歩打

53角と打ち込まれた局面で、形としては72玉としたいが42角成が厄介なので73玉は仕方ないところ。
62玉としたときはもっと良い形の右玉に組むつもりだったのでややあてが外れている。

玉頭目掛けて75歩から攻めてくる。龍を作られるわけにはいかないので54歩と塞いでおいてひたすら防御の構え。
ショーダンオリジナルに対して激しい変化を選んで攻め合いにするつもりがいつの間にか動点P3級の攻め こちらの受けという構図が出来上がってしまっている。

作戦がバッチリハマったのに目論見通りにならないというチグハグな雰囲気。
形勢は良いので成功とも言えるかもしれないがこの辺りはまだまだ己の作戦の立て方の未熟さを感じる。

画像の局面では先手の持ち駒が歩しかないので強力な攻めはこないと見て63銀と引いたが、ここは歩を取ってしまう手もあった。
今は歩しかないが簡単に香車を回収できる形で、本譜も香車を打たれて拠点を活かされる展開になってしまった。


66手目(△6三銀)~73手目(▲7七香)

△6三銀 ▲2一馬 △5二金 ▲1一馬 △3四金 ▲2一馬 △2八歩成 ▲7七香打 

馬で香車を回収されて77に打たれ玉頭を攻められる。
馬を切って銀を打つ筋があるので玉を引いておく。これで見慣れた右玉の形になり、まだ桂馬や銀に弱い形ではあるものの一安心。

いよいよ動点P3級は持ち時間を使いきり秒読みへ。

指す将順位戦ももう5回目だが、これまで全て相手の方が早く秒読みに突入している。
相居飛車故に研究勝負になりかねない対動点P戦はこちらが先に外れて一方的に時間を消費する展開も考えられたためこれもまた一安心だ。


74手目(△6二玉)~83手目(▲5四歩)

△6二玉 ▲3七桂 △3六歩 ▲3五歩打 △ 同 金 ▲7四歩 △7二歩打 ▲5五歩打 △3七歩成 ▲5四歩

相変わらず動点P3級が攻めてこちらが受ける展開。

画像の局面でもやはり受けを考えて61桂と53と73の地点を同時に受けたが47とから攻め合う手もあったようだ。
後手陣は玉飛接近形で嫌に思えるが先手陣も壁金陣形の悪さはお互い様。であれば駒得のこちらが攻めに出ても十分に勝機があるということのようだ。

47とに同飛なら86歩同歩87歩98金(同金は65角が飛車金両取り)86飛で玉飛接近形を解消しつつ攻めていくことが出来る。
取らずに55飛と躱すのは45金75飛46角から先手陣に迫っていく。

この対局の振り返り全体を通して攻めながら自陣の環境を良くしていく手が目立つ。
この戦型ではこのような考え方が重要なようだ。


84手目(△6一桂)~86手目(△5三同桂)

△6一桂打 ▲5三歩成 △ 同 桂

画像の局面は感想戦で話題になった局面。

ここで本譜43馬に代えて54歩という手が検討された。
以下65桂43馬同金53歩成同金71銀後手の玉飛接近形を咎めた好手順。以降52玉53飛成同玉82銀と進む。

動点P3級としてはこれでも無理攻めという感覚で 実際評価値もこちらが良いのだが、個人的には嫌な進行だった。
右玉のようなバランス型は飛車を渡すと一気に崩壊するイメージで、55飛の先手なのでまずそれを受ける必要がある(受けなくてもまだ後手が良いらしいが……)など忙しい。
前述の82銀以下43玉21飛で、先手は持ち駒が金と歩2枚で追撃が出来ないので持ち駒を補充している間に後手は先手の悪形を攻めていけるかという勝負のようだ。

流れ的に受けの手を続けて指してしまいそうで、もしかすると逆転を許していたかもしれない。

動点P3級もソフトも無理気味だと思っている中自分だけが嫌な思いをしているというのは問題なので認識を改めていきたい。
自分の玉形も悪いが相手の玉形がそれ以上に悪いというのがポイントだ。


87手目(▲4三馬)~93手目(▲7六飛)

▲4三馬 △ 同 金 ▲5五飛 △4五桂 ▲7五飛 △8四銀打 ▲7六飛

本譜は43馬と切って玉頭を狙ってきた。
画像の局面では47とから65桂と跳ねて桂馬のダブルジャンプで攻め潰すのが良かった。

相居飛車でこの桂馬アタックが成立すれば大体優勢というのはこれまでの記事でも再三記している。

ここで遂にこちらも秒読みに突入。
3回戦辺りから時間の使い方を模索しているが、今回は4回戦の自戦記でも述べたようにじっくり使う方針にした。
具体的には、「王手されていて応手が一つしかない」というような限定的な局面を除いて、比較的簡単な手が見えていても常に50秒考えて指すというやり方を試してみた。

対局前まとめのところで記した この対局の前日に行われた将棋はまさかのクリックミスによる王手放置によって終幕しており、自分もやってしまいかねないという危機感があったので10秒は猶予を残して確実に着手できるように心掛けた。


94手目(△6五角)~113手目(▲6六桂)

△6五角打 ▲7八金 △7六角 ▲ 同 香 △2九飛打 ▲5九金 △4七と ▲5四歩打 △ 同 銀 ▲5五歩打 △ 同 銀 ▲5四歩打 △5七歩打 ▲5三歩成 △ 同 金 ▲2四角打 △5八歩成 ▲5一銀打 △6三玉 ▲6六桂打

本譜は飛車を追い回すという方針のもと65角と打ち、飛車角交換をしたが先手に角を渡してしまうのは紛れを生んでしまい微妙だった。


画像の局面では68とから先手玉が詰んでいた
68と88玉78と同玉69銀同金同飛成同玉58と79玉68金88玉79角98玉88金97玉89金86玉85歩77玉88角成が最長の手順。
飛車を渡すのでクリックミスをすると逆に62飛からの一手詰になる。

本譜は59とから確実に先手の戦力を削っていった。
安全に勝とうという思考だが 手数をかけることでその分先手にチャンスを与えている気もする。


114手目(△5九と)~123手目(▲5五歩)


△5九と ▲3五角 △6六銀 ▲ 同 歩 △5八と ▲8八玉 △6八と ▲ 同 角 △5七と ▲5五歩打 

35角で金を回収され、縦に利く駒が入ったので後手玉が詰めろ状態に。

一手一手受けていけば流石に優勢は揺るがないだろうが、間違えると即死なので気分は良くない。

画像の局面も放置すると詰むので受ける必要がある。

こうなってしまったのは前の局面で65角から飛車角交換で先手に角を渡してしまったことに起因する

小駒で攻めていけばこんなことにはならなかった、これは反省。

本譜は52金打と受けたが75Xと打てば一気に右側が広くなり、遊んでいる銀を活用する好手。
全く見えていなかった。

124手目(▲5二金)~終局

△5二金打 ▲4二銀打 △6一銀打 ▲5三銀成 △ 同 金 ▲7三金打 △ 同 歩 ▲ 同 歩成 △ 同 銀 ▲ 同 香成 △ 同 桂 ▲8六角 △8五桂 ▲ 投了
まで136手で後手の勝ち

先手からの攻めもいよいよ切れ模様。

85桂に代えて76桂から詰んでいたようだ。
持ち駒が豊富なので自然に指していけば確かに勝ちになっていそうだ。

本譜は先手の攻めがもう続かないと見て着実な寄せで迫った。

ここで動点P3級が投了

85桂以下74銀同玉75金63玉85金と桂馬を外すくらいだが同飛でも一手一手の寄りで、もしくは76桂97玉(98玉は89飛成同玉88金同金同桂成同玉76桂77玉88銀76玉67銀75玉76金で詰み)89飛成くらいでも寄っている。

とにかく先手から攻めがないため状況をひっくり返す手段がなく 投了やむなし。





【対局後】

◇本局の振り返り

ショーダンオリジナルという相手の方が慣れている戦型でこちらの土俵に引き込めたのは良かった。
そこから一方的に受ける展開になってしまい 苦労が多くなってしまったのは課題だ。
検討で発見した攻め合いの手順を研究に組み込んで進化させたい。
指す将順位戦で相居飛車の将棋になるのは3回目だが、1回戦は情報が少なすぎてあまり準備が出来ず、3回戦は完全に相手の得意を殺してこちらの研究の上で戦っている状態だったので、本局 相手の得意戦法とこちらの作戦がぶつかり合う展開になったのはなかなか滾った。
時間の使い方についてだが、毎回50秒使う恩恵があまり感じられなかったのでこれからは指し手が決まったら指すことにするかもしれない。
本局の収穫と課題を活かして次局に臨みたい。

◇最後に

今回は前回の形式から更に目次のところに指し手の符号も追加した。
これでだいぶ見やすくなったのではないか。
さほど労力もかからないしこれからはこの形式でやっていこうかな。
いよいよ次で指す将順位戦も折り返し。
一局でも多く勝てるように研鑽を積んでいきます。それじゃあ。

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