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第15期月光戦自戦記 C級2組 ダイジェスト

此処のところ忙しく、事前準備や徹底した振り返りをする時間が取れなさそうなので前回記事と同じ要領でダイジェスト形式にまとめます。


第1節 vs 暇神 三段

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初戦からいきなりの強敵。

本局が初手合いで、居飛車と角交換振り飛車を主軸にしたオールラウンダーという印象。

戦型は横歩取り模様からの58玉戦法

画像の局面で攻め手がわからず陣形整備に入ってしまったが、35歩から桂頭を攻めていく手があった。

この桂頭を攻める狙いはこの局面以降も何度も最善手に示されており、自玉への反動も大きいがそれ以上に相手玉が危なくなるようだ。

本譜は竜を作ったことを主張に分厚く勝負しようと思ったが、攻めの手掛かりが掴めないまま逆転負けを喫してしまった。

逆転してからは一瞬だったが、こちらが有利な局面が長く悔しい敗戦となった。


第2節 vs 勇斗 初段

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勇斗初段は私が第10期にて初参戦したときから同じ組で、10,11,12,14期と同じ組だったが対局するに至ったのは第11期の一度しかなく、久々の対戦となった。

前回は左美濃vs振り飛車ミレニアムになったので今回も振りミレが相手かと思いきや振り飛車穴熊に組んできた。

それに対して今度はこちらがミレニアムに組むのも面白いと思ったが、囲いに手数をかけるとその分相手の作戦に幅が出るので、速攻で決めるために文鎮囲いから地下鉄飛車にして一方的な展開を狙った。

構想通り一方的に攻める展開となり、画像の局面。
本譜では飛車を四間に振ったこと自体を咎める格好良い手だと思い67金打とした。同飛には49角打から相手玉に迫っていく狙いだ。
しかし、実際そう進んでみると意外と先手玉が耐えており、後手優勢ながら粘られる展開になっていた。

画像の局面では、実は27金打から長手数ではあるが詰んでいた

(▲3九玉 △3八金打 ▲同 飛 △同 金 ▲同 玉 △1八飛成 ▲2八香打 △2七角打 ▲同 銀 △同 桂成 ▲4九玉 △7九飛打 ▲5九角打 △2九龍 ▲3九香打 △3八成桂 ▲5八玉 △7八飛成 ▲6八角 △6七銀打 ▲5九玉 △3九龍 ▲4九金打 △5八香打)

(ちなみに▲同銀の場合は、△同 桂成 ▲同 玉 △1六角打 ▲2八玉 △3八銀打 で先手玉に必至がかかり、こちらの玉は詰まないので勝ちになる)

すぐには読み切れなくても指している内に見えてくるような詰み筋だったので、27金打としていればより確実だった。

相手の守備的な穴熊に対して攻撃的な陣形を目指し、形を作ってからは50手以上こちらが攻めて相手が受ける展開に持ち込み、そして一度も評価値をプラスにさせないまま勝ちきるという理想的な会心譜を作ることができた。



第3節 vs 平和島のくじら 1級

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平和島のくじら1級とは前期でも対局し、通算成績ではこちらが負け越している。

対アヒル戦法に先手番は大きく、左美濃から変形して雁木のようなバランス型を目指した駒組みに。

上画像の陣形がそうで、別の形を検討していたときにソフトが推奨してきたので採用してみましたが、このままだと58の金が浮いている不安定な形で本譜の検討ではソフトも大して評価していなかったのでこれっきりにする可能性大です。

後手から飛車交換を迫られたのが画像の局面。
アヒル戦法の構想として積極的に大駒交換を狙って大駒の打ち込みに強いアヒル囲いを活かすという狙いは有名だが、グラフを見てもらうとわかるように、飛車交換をしてもアヒル囲い相手に評価値が良いままでいられるのが左美濃と雁木なのだ。

今回自分の中で決めていたテーマは「うんざりするほどの受け」。
飛車交換をしてもまだ足りないとなるとアヒル側は相当繊細な攻めを繋げなければならない。
それを一つ一つ丁寧に受けまくってしまおうという構想だ。

普段なら指さないような受けの手も織り混ぜて勝利を掴むことができた。
「一貫性のなさ」が前回対局したとき浮き彫りになった問題点だったので、今回テーマに沿って指し手を選べたのは良かった。


第4節 vs イチ 初段

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イチ初段とは本局が初手合い。
中飛車党で、棋譜を見る限りどんな相手にも基本的に中飛車を選んでいたので本局も中飛車を相手にすることになるだろうと読んでいた。

先手中飛車相手に居合い抜き超速をすると銀対抗になることがほとんどで、そのときは雁木にして対応しているのだが、本局は56銀と積極的に出てきた(そもそも本局
はこちらも角道を開けており居合い抜き超速の形ではなかったが)。
56銀型に対する指し方は二つ考えているものがあり、今回はそのうちの一つである33銀型を試験的に指してみた。

急戦ならではのヒリヒリした斬り合いから中盤に入り、少しこちらが良くなっていたのが画像の局面。
ここで指し手を誤ってしまったがために互角に戻ってしまった。

本譜は攻めだけを考えて飛車を降ろしたが、先に自陣の弱点である桂頭をカバーする意味もある67角打が必要だった。

本譜ではやはり桂頭を攻められる展開となり、一時はこちらが悪くなってしまった。
攻めを凌いでからは反撃に転じ、勝利することができたがこの陣形の経験値の少なさが露呈してしまった。


第5節 vs 画伯 初段

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年も明けて心新たに月光戦に臨む。

対局相手の画伯初段には角換わりで連敗中だが、初手合い時は完全に良いところなく敗れたのに対して前期の対局では勝ちに近づいた場面もあり、少しずつ迫ってこれているはずだ。
お互い居飛車党なため戦型を一つに絞って予想することは難しい。

戦型は第1節と同じく横歩取り模様からの58玉戦法になった。

この58玉戦法というのは元からそういう戦法がある訳じゃなく適当にこう呼称していただけなんですが、つい最近やさい式相掛かりという名称でこの指し方をされているのを発見しました。
これからはこの名前で呼ぼうかなーと考えています。

画像の局面はまだ序盤と言っても良いような局面だが、早くもここで少し悪くなってしまった。

本譜はいつでも27角打をされる危険性があるのは気持ち悪いと思いその筋を消したが、ここでは66角から飛車を8筋に転換して77桂から金銀も上げて、第1節でみられたような地下鉄飛車チックな陣形にしていくのが推奨されていた。

序盤は怪しかったもののお互いに薄い陣形のため攻めが一本入ってからは止まらず、攻めきって勝つことができた。



今期は前期とは打って変わって双方時間が無くなってもまだどちらが勝利を掴むかわからないようなカオスな将棋はなかった。

急戦系が大半で時間が切れる前に勝負が決まる展開が多かったのがその要因だろう。

今回の時間の使い方はひとまず良かったとして、今後持久戦調の将棋になったときにしっかりタイムマネジメントできるように心掛けていきたい。

今回C級2組で勝ち越せたことで今期級位者最高成績を残せたんじゃないかな?

嬉しいような嬉しくないような……。

本当に強かったら段位者になれるはずなので、級位者最強とかに甘んじてないで初段目指して頑張ります。
それじゃあ。

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