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価値ってあるような、ないような。多分モノはモノでしかないけど。

ありがたいことに、カミさんはブランド品を欲しがらない。といっても関心がない訳ではなく、水商売という仕事柄、ブランド品にはとても詳しい。
お客さんへのプレゼント時や、お客さんを値踏みする上でこの手の知識は必要だ。

そもそもカミさんが僕に興味を持ったきっかけは、何かの会計をした時に、僕の使っていた財布を見たからだそうで、

「エッティンガーの財布を使うヤツは仕事ができる」

らしい。あくまでカミさんだけの経験則だと思うけど、僕も若い頃はモテたいから、身につけるものに多少のこだわりはあった。

また、中古品にも抵抗がない。むしろ日本人の新品信仰を「狂気」と言っている。

アメリカ人だから、デザインも含めた機能性のみに価値を置く、プラグマティズムなんだろうな。そういう所でお互い気が合うんだと思う。

しかし、最近はちょっと違う。「山」のせいだ。

「山」といっても僕らのは「登山」というより「山遊び」なので、そんなたいした道具は要らない。服はしまむらとワークマンで十分だし、行き先も天候考えて、フレキシブルに変更するから、レインコートも日常生活のモノで十分。

靴は、確かにスカルパはカッケーし、ゴローは渋い。しかしこれは足との相性次第だし、靴は命にも関わりかねない最重要ポイントなので、ブランドで選ぶのは危険だ。

となると、何処にブランド嗜好が出てくるかというと、

リュックとストック

になる。山でも途中の電車やバスの中でも、他人の、この二つの装備に陰気な視線を向けてジトーっと観察するようになった。そして

「カリマーのリッジかぁ。定番だな。また、よく使い込まれてる。アイツはデキルな!」
みたいな話が、夫婦間の会話になる。もちろん山遊びの想い出話も
「あの登りところで全身モンベルのジジババ軍団抜いたよなぁ」
という具合いだ。

そんな僕の現在のリュックは、カジュアルなデザインと色使いに惚れて手に入れたコロンビア。
これには赤鬼と名前をつけている。(※僕のネーミング癖については「ネーミングはヤバいが役に立つ」をご参考ください)

さて、ストックの方だ。
まだ山遊び始めてまもない頃から、僕はダバダという、ネットで¥2000くらいで買えるストックを使っていた。
ところがある日突然、カミさんがメルカリで、ブラックダイアモンドという一流ブランド品を手に入れ、これを自慢するのが妬ましくてしょうがなかった。

そして、カミさんに対抗するなら、レキしかあるまいと決めて、暇さえあればヤフオクやメルカリでレキのストック、しかも赤鬼に映える青いのを探していた。

そんな時だ、日高のあるリサイクルショップで「あっ!」と目を見はった。欲しいものがそこにある。しかも新品同然。ピカピカだ。
出会ったのは良いが¥7000はするだろう。そりゃ厳しいから、また地道にメルカリで探すかぁ。とりあえず感触だけでも味わっておこう。と手に取った。

ぶったまげた。1本¥780。あまりにも衝撃的だったので、写真を撮って残してある。
もちろん即購入した。そして雲切丸と名付けた。
多分リサイクルショップの人がブランドの価値を知らなくて値段を付けたのだろう。1本つづ値段つけてあるのは良い証拠だ。

物の価値というのはそうしたものだ。実際¥2000のダバダのストックと、一流ブランドの雲切丸が使用上どんくらい違うかというと、ちょっと軽いくらいで、そこまで差が出るというモノでもない。

さて、前置きが長くなってしまったけど、なんでこんな話になったかというと、
最近「狩り」が調子良い(※狩りについては「狩場に自分という獲物がいて驚く」をご参考ください)本当にありがたいことなんだけど、複雑な心境でもある。

多分フォロワーの数が増えたから「みんなフォローしているから」というような感じで、フォローしてもらえてるんだろうと思う。しかし、noteにはフォローされるのなんて気にせず、僕なんかよりずっと良い文章を書く人がいっぱいいる。もちろん気にしないからフォロワー数も少ない。

だから、フォロワーの数と文章の価値は必ずしも一致しないし、文章の価値というものも読み手の考え方やその日の気分でも変わるというのを、ちょっとでも気に留めて貰えたらなぁと。

上から目線っぽいから、こういうのを書くのも「なんだかなぁ」って感じだけど、今日はそれが書きたかった。

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