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当たり前の出来事を少しだけ延ばしたかった



5月

慣れ親しんだ環境と離れた。
そこから離れるのはもう前々からずっと考えていて、だけど踏ん切りがつかなくて
あとすこし、あとすこし、、を繰り返していた。

その場所は私にとってとても大切な場所で、大好きでそこにいる人たちみんなが大好きで愛おしくて、ずっと幸せでいてほしいと願う人たちばかり。
だからこそ、これまでにその場所の空気感が変わる度に、今じゃないもう少し落ち着いてから、みんなが馴染んでから離れようとおもっていた。
私はプラスの存在には到底なれないから、せめてマイナスにならないように、、環境が落ち着くまでせめて仲良しの子たちの辞めない理由になれば、、と思って過ごしていた。
というかその場所救われていたのは本当は私で。そこに行くから取り戻せる自分がいた。外の世界は陰口や策略だったり、そんなことに溢れていて疲れてしまう。だけど、そこに行けばみんな明るく話して、軽く愚痴を言ったり。ひとつ仮面を外して人と対することができる、そんな環境が大好きだった。

だけど、いつしか、そこに行くのがしんどくなっている自分がいた。
好きな気持ちは変わらなかったし、今も大好き。
だけど、その場所を手放すことで入ってくる何かの方が私には魅力的に感じられた。たくさん救われてきたのに、今の私には足枷になっているような気がしてしまった。

離れることを決めてからも、それを伝えてからも、この選択を何回も後悔したし、時間が過ぎるのがとても早かった。
何も今じゃなくていいんじゃないかと。
だけどもう伝えてしまったものは仕方ないし、自分の選択に強気になりたいと思ってしまった。



そこに参加する最後の日
会うなり、今日で最後だね〜泣くなよ〜といじりながらも話しかけてくるみんなのことが本当に大好きだなとおもった。
いつもみたいにざっくばらんに話したり、踏み込んだ内容を話したりするみんなのことを見ていた。
日常的なことから恋愛のこと、将来のこと。
それぞれが楽しく穏やかに話していて。そこにはきっと余計な面倒な人間関係のアレコレはなくて。ただ純粋に相手との時間を楽しんでいて、相手のことをおもって話す時間。
こんな人間関係を築けるのはきっとここが最後なんだろうなとおもった。そんな場所を自分から手放したんだともおもった。



みんなが幸せで美味しいものをたくさん食べられて、好きな人たちと笑顔で過ごせる毎日が続きますようにと心から願っている。

数年前にこの場所に引っ越してきて、ここを嫌いにならなかったのは、みんなに出会えたからだと思う。
人間関係に臆病になることが減ったし、何より働くことに抵抗を抱かなくなったのはきっとここにいるみんなのおかげだったのだと思う。

この場所をきっとずっと忘れないんだと思うし、これからも定期的に会えたら嬉しいなと思う。
初めてこんなに好きな存在ができた。




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