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お世話になった「キー坊」へ

「4年半の間、僕の絶え間なく受け止め続けてくれて本当にありがとう。君がいてくれたおかげで、僕の人生はどれだけ助けられたか想像もつかないよ。これまでお互い色んな事があったけど、別れの日を迎えるにあたり、思い出を綴っておくね」

「パソコンの画面越しに初めてキー坊の姿を見た時に、お高く気取らず、ありのままの自分をさらけ出しているけなげなたたずまいに僕は思わず惹かれてしまったんだ。」

「キー坊と会ったのはそれから数日後、僕の部屋に新しいPCが来た時と同じ頃の寒い日だったね。外は雪が降っていた。仕事を終えて夕方に帰宅した時、玄関に座っていたのを覚えているよ。」

「本当の事を言うと、最初は全くキー坊には期待していなかったんだ。どこか君を「そこそこいい評価を集めるありきたりな奴」という目見ていたのかもしれない。でもすぐにそれは間違っているという事に気が付いた。だって君は黙って僕が来るのをいつでも待っていてくれたからね。」

「仕事がひと段落して、僕が席を立ったらすぐに昼寝をしていたのを僕は知っていたよ。その時は「楽してばかりいて!」と思っていた。でもそれは思い過ごしだったってことを知ったのは3年以上も経過した後だったよ。もっと早く気が付いてあげればよかったね。たった2つしかない体力をなるべく消費しないようにして、いつでも僕が使えるようにしてくれていたんだと最近になって分かったことだったんだ。だから普通は2年で変えなきゃいけない所を3年以上交換しなくても僕は快適に作業に取り掛かる事が出来たんだ。」

「そういえば突然エンターキーが押せなくなったことがあったね。覚えてる?あの時は本当に焦ったよ。息子のイタズラを君は黙って受け止めてくれたんだろう?よく見ると、エンターキーの隙間にガムが詰まっていた。思い出しただけでも笑えるよね。あの時無理やり服を全部脱がせてしまってすまなかった。わざわざ後ろのネジを外す必要はなかったことを僕は知らなかったんだ。」

「いつも平然とした顔をしていたけど、本当はもう疲れていたんだろう?」

「どうしてもっと早く言ってくれなかったんだい?その事を知っていたらあんなにヒドイ使い方はしなかったよ。角度調節のツメが折れた時も、君は「なんともないさっ」と言った顔でいつもと変わらない仕事をしてくれていた事を覚えてるよ。あの時に気が付くべきだったんだ。君がすでに年老いているという事を。」

「こうして4年半が経過して、いよいよ君の動きが鈍くなってきたと肌で感じるよ。最近関節が固くなってきたみたいだね?上手く仕事がはかどらない事が増えてきたね。そろそろ君もゆっくり休んだらいいんだよ。」

「4年半の間。いつも僕のそばにいてくれて、本当にありがとう。」

「キー坊との別れの時が近づいた今、僕は一つ気が付いた事があるんだ」

「僕はずっとキー坊の事を使っていると思っていたけど、それはある意味では違うんだろうね。」


「使っていた」のではなく。


「愛されていた」のかもしれないね。


「そういえば、この前ネットで見たけど、君には同じ形をした仲間が沢山いるんだって?日本全国、いや世界中にいるんだろ?すごいね。」


「キー坊の仲間に愛されている人が世界中にいるなら、僕もなんだかうれしくなるよ。」



「それじゃあ。。おやすみ。」


終わりに。

新しいキーボードを購入したので、4年半お世話になったK270への感謝の手紙でした。(笑)

へばね~。

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