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上司の許可と仕事の責任

いまだに、公務員の時の癖が抜けません。何かをするたびに「許可」を得ようとしてしまいます。

公務員として生きていくには、皆が良いと思う行動でも、正しい行動でも、業務におけるあらゆる行動について「許可」を取らないといけません。公務員という世界を生きていくためのある種の処世術です。つまり、「許可」さえとれば、何か問題があった時にはすべて「上司」の責任にできるからです。

「許可」を取らずに、どんどん仕事を進めている職員もいました。それはそれで、許可を取るための説明も手続きもいりませんので、スイスイ仕事がすすんで、実績を残す人もいました。逆に、問題が発生したときは上司に大目玉を食らいますし、上司からの信頼も失い、いずれは責任のない仕事を回されることになります(クビはないので、逆にそれはそれで仕事が楽になったと喜ぶ職員がいることもありますが・・・)。

ということで、私もどっぷりとその世界に漬かってきましたので、大学教員の今でも何かをするときに「許可」が必要ないのか気になっています。しかし、誰に聞いても、基本的に「許可」はいらないとな。どちらかというと何かするためには「申請」が必要という感じでしょうか。そうすると、本当にこれを「申請」してもよいのかどうか、悩むこともしばしばです。

そう考えると、公務員時代は常に上司に守られながら仕事をしていたと、改めて気づかされます。時には許可申請をして、上司に「ダメ」と言われて腹が立つこともありましたが、それはそれで、その仕事をする必要がないということですし、「許可」された場合は、する必要がある仕事であり、かつ何か問題が発生した場合は上司が責任を取るという意味でもあります。

そう考えると、やはり改めて大学教員の仕事は「自由」と引き換えに重い「責任」を課せられているのだと考えてしまいます。やるかやらないかも自由、そして何かあった場合の責任も自分。代わりに謝ってくれる人はいません。

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