見出し画像

本は読むものだなんて誰が決めたのだろう

私は本が好きだ。読むことはもちろん、買うことも好きだ。最近ふと思ったのだが、本は読むものだなんて誰が決めたのだろう。私が本に触れていて楽しいのは、選ぶ時、吟味する時、お金を払う時、そしてもちろん読んでいる時。そう、選んでいる時間が楽しいのだ。本は知識をくれる。新たな世界をくれる。勇気をくれるし慰めもくれる。そんな本の中から「次はどれにしようかな」なんて考えながら手に取る時間が好きなのだ。


とどのつまり、私は本屋が好きだ。本屋に行くと沢山の本が私を出迎えてくれる。すん、と一呼吸すると木の匂いがたっぷりと吸い込まれて、安心する。そして私は普段の半分のはやさで歩く。いち、に、いち、に。と踏みしめるように歩く。本屋は図書館ではないので静かにする必要は無いのかもしれない。でも、私はひとつひとつの棚をぐるりと見渡しながら、いつもより丁寧に足を踏み締める。
新書コーナー、専門書コーナー、学習書コーナー、文庫コーナー、単行本コーナー、漫画コーナーとゆっくり歩いているうちにゆうに2時間は経過し、6冊ほど本を持っている。大抵、小説、漫画、エッセイ本。最近はビジネス書や新書も買ってみたりしている。教授に勧められた本だったり、SNSで見て面白そうだと思った本だったり。一番多いのは、表紙とタイトルとあらすじを見てピンときたものを買うことだ。
そんなこんなで自分の予算を思いっきりオーバーした本達と真剣に向き合ってどれを買うか吟味する。私が1ヶ月に自由に使えるお金は20,000円。そのうち本に使えるお金はどんなに見積もっても5,000円だ。文庫本なら6冊程は買えるが、大判コミックスともなると5冊弱。更にビジネス書や単行本、エッセイ本となると4冊弱が関の山である。どうしたものか。うーん、うーんと考える。その時間がたまらなく楽しい。大抵一冊か二冊諦めて、えいや!と他を買ってしまうことが多い。そしてレジに行き、大枚を叩き(学生にとって5,000円は大枚である。)幸せの重みを抱えながら帰宅する。そして、次は「どの本から読もうか」とわくわくしながら選ぶのだ。

今日着る服を選ぶように、今日食べるものを考えるように、私は今日読む本を選ぶのが好きなのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?