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根拠

高校時代の話

進路ガイダンス?的なやつのとき
コンサートやライブをつくる音響の学校に進む道も候補にあって、説明聞きにいった。


そしたらそこには学校一美人な同級生。


彼女は絶対音感の持ち主で、ピアノも相当巧い。

それでこのブースに来たみたいだけど、

先生は冷静にこう言った。


「この道は限られている。」


あなたの能力ならば音感を生かして楽譜を起こす仕事とか、

(当時はしりだった)着メロを書き起こすとか、


そういう仕事はどうだい。と。

彼女はさもつまらなそうに、

「ふーん」といなしてその場をやり過ごしていた。

私には、
絶対音感とか、着メロを書き起こすとか、

とんでもなくスッゲー世界だったけど、彼女の目は死んでいた。


20年ほど立って
人伝て、SNS伝てに彼女の様子を知った。


ハイブランドのモデルになって海外を飛び回ってるそうな。CMとかにも出たことあるそうな。

いいことばかりじゃ もちろんないだろう。
辛いことのが多いだろう。

でも

あの時の冷めた彼女の目の奥に
秘められていた夢やら可能性が花ひらいたのだとしたら…


想像して、泣きそうになった。

正直ちっとも仲良くなかった人だから、
私の妄想がそう思わせてるのかもしれない。
けど、
事実彼女はモデルとして今も頑張っている。
なんだかなーもう。


何が正しいのか、分からないのだとしたら、
本人の心意気を信じることしか

道はないんじゃないかな。

正しいことなど誰も分からないのだとしたら、

自分で考えて進むしか、ないよね。



あれから20年近く経って
そんなことを思う、今日このごろ。

もしあの頃の彼女にもう一度会えるとしたら、

(向こうは私のことなど何も知らないけど)

とにかく思うように生きて!

と言うだろうな。




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