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〜映画であなたもタイムトラベルを体験できる?〜映画「ダーティ・マシーンズ」

「もしも未来にこんなものがあったらなぁ?」と考えたことは誰もがあるでしょう。その話題の中に、定番ともいえるほど登場する物が『タイムマシーン』ではないでしょうか。

そもそもタイムマシーンとは、現在や過去、未来を時空を超えて自由に移動をすることができるようになる機械のこと。

世間では、この世界で実現させるには考えられない物として認識されるも、空想的な物語として様々な映画やアニメに取り入れられています。

その代表的な作品といえば『バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ』や日本の伝統的アニメ『ドラえもん』などがありますね。

それらすべての映画に共通することは、空想上の物語(SF作品)としてタイムマシーンが使われていること。

しかし今回ご紹介する映画は、全く新たな視点からタイムマシーンを描いた作品。その映画こそ『ダーティー・マシーンズ』です。

本当にタイムマシーンがこの世に存在したらと考えさせられ、さらには映画を通して鑑賞者も一緒に体験させてくれるという、なんとも画期的で斬新な構成。

タイムマシーンが誕生する瞬間をタイムマシーンで体験することができるという、なんともワクワクさせられる世界観。

今回はそんな映画の魅力と醍醐味が豊富に詰め込まれた『ダーティ・マシーンズ』の解説をお楽しみください。

ネタバレも含みますので、SAMANSAでの作品チェックも忘れずに!


<作品時間> 13分34秒
<監督> David Matthew Olson
<あらすじ>
駅のホームを歩く一人のスーツを来た男。なんとその男は世界が変わる、タイムトラベル誕生の瞬間を体験している人だった。時空を超えて降り立ったのは2019年9月22日、場所はストックホルム。

イヤホンの音声案内を聞きながら、タイムタラベルの生みの母であるソマ・ベッカ博士の行動をそばで観察する。

世界が変わるまで5分56秒。思わず乗るべき電車を逃してしまったソマ・ベッカ博士。もちろん本人はこの時、人生が変わるとは全く思っていない。

歩いて駅のホームで座って待つことにするベッカ博士。そして世界の歴史が変わる瞬間はとても意外な出来事だった・・・。

しかし男のそばには、体験中に歴史を変えて時空ズレを生じさせようとする人が現れる。果たして我々の未来はどうなってしまうのか・・・?



◎新感覚映画! あなたも奇跡の瞬間に立ち会える!?

あなたもタイムトラベルでタイムマシーン誕生の瞬間に立ち会うことができる。まさに夢のようで斬新な作品。

この映画を通して特徴的な要素の一つが『出演者にほとんどセリフがない』こと。セリフがあるのは巻き戻された最後のシーンのみ。

タイムトラベル体験中は音声案内のみの構成になっており、これによって視聴者も一緒にタイムトラベル誕生の瞬間に立ち会える、新感覚の鑑賞者一体型映画です。

今までのタイムトラベル映画に同じような作品はなく「本当にタイムトラベルがあってもおかしくない」と期待をさせられるほど。

非現実の世界をリアルに描く、そしてその世界に鑑賞者を引きこむ。まさに映画の魅力がたくさんつめられた約14分。

そして、体験の裏側に隠されたメッセージにも注目です。


◎タイムトラベル利用の際の注意事項はこちら

今回ターゲットとなったのは、タイムトラベルを生んだ張本人であるソマ・ベッカ博士です。体験者の一人である男は、博士を目の前で観察しいくのですが、実はタイムトラベル体験に関しての大切なルールが。

①ソマ・ベッカ博士に未来を伝えることができない。つまりは「タイムトラ
 ベルは作ることができる」と伝えることはできない。

②そこで起きている現実を変えることは許されない。落ちているものを動か
 すことも。人に話しかけることも。

②4.3Mの距離感を守ること

この細かい設定が、より映画の世界へと引き込ませます。

ちなみに映画で出てくる『パラドックス』とは、いわゆる『矛盾』ことを表しています。

過去に起きた出来事の積み重ねによって今の現実が起きており、もし過去を変えるようなことが起きれば現実にズレが生じ、世界が変わってしまうことを示唆していますね。

◎見逃せない奇跡の瞬間までのカウントダウンと緊張感

物語を通していくつかの仕掛けが面白いのも特徴的。一緒に体験する視聴者へより現実味を与えてくれます。その感情を揺さぶる一つの要素となっているのが『緊張感』です。

度々アナウンスされる、歴史が変わる瞬間までをカウントダウンする時間。それによって、見ている人々を期待とワクワク感でいっぱいにさせます。

さらに、ルールに守らないといけない緊張感。

歴史を少しでも変えてしまうと、我々の存在までもがなくなってしまうという、まさに生死ギリギリの体験。

その瞬間を体験しようと必死になるも、自身が行動することによって物の位置が動いたり、そこにいる人々に認識されてしまう・・・なんて可能性も。

命をかけて歴史的瞬間を見ようとしていることを理解すれば、よりこの作品の臨場感を味わうことができるでしょう。


◎世界に革命を起こしたには小さなきっかけ

タイムトラベル誕生のきっかけは、駅に落ちていた価値のない宝くじ。そんな小さな紙切れ一枚が、やがて大きな歴史を変えるきっかけになるわけです。

本当に人生何が起こるのかわからない・・・。

私たちの人生に意味のないことはないのかもしれない。

先ほども述べましたが『過去に起きた出来事の積み重ねによって今の現実が生まれている』ことを考えればとても奥が深いワンシーンです。

冒頭で起きた博士が電車を逃す出来事は、一見すれば全く意味の無いことに思われますが、電車を逃すことがなければ、宝くじの見つけることもなかったということ。

つまり全ては必然。全ての出来事は繋がっている。
小さな過去の積み重ねが今という現実を作っている。

私たちそれぞれの人生が大きく変わる要因となったのも、意外と小さな出来事から生まれたのかもしれません。

ちなみに、ニュートンが万有引力を発見したきっかけは『りんごが木から落ちるのを見た時』と語り継がれているのも有名な話です。

長い人生の中で、いかに一瞬一瞬を大切に生きることができるのかを教えてくれる大切な場面の一つといえるのではないでしょうか。

◎タイムトラベルを通して描くメッセージ

この物語の結末は、他の体験者が博士に話かけてしまうことで巻き戻されてしまいます。

おそらく巻き戻されずにこのまま話が進むとすれば、タイムトラベルが発明されていない世界が作られる、つまりは我々の存在が滅亡すると予想できますね。

そして、巻き戻しの際に歌われる歌詞に注目。

「過去は忘れましょう。」
「過去は変えられないから。」
「今わかったの。あなたが運命の人だって。」

タイムマシーンないこの世界では、過去のことは忘れましょう。
過去は変えられないから今を大切に生きていきましょう。
このユニークな歌には、映画全体を通したメッセージを読みとることができます。

いかがでしたでしょうか?

長編映画にもなかなかみることない、珍しい視点で作られた映画。こういった作品ができるのも、映画ならではの魅力なのだと思います。

あなたもこの映画を通して、改めて目の前の人を大切にしようと感じることできるといいですね。

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ぜひ、ご覧ください。

<映画ライター/shuya>