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れいわ新選組 若者勝手連 の 成長と展望

2021年10月31日、衆議院議員総選挙にて”れいわ新選組”は3議席を獲得することに成功した。代表の山本太郎氏は「横に広げることで協力してくださった皆さん、それを後押ししてくれたボランティアの方々のおかげです。」と後に語っている。その”れいわ新選組”のボランティアチームである勝手連、勝手連の中でも中心となる”若者勝手連”、彼らの活躍もこの度の衆院選への結果に大きく寄与したと考えてよいだろう。

先日、れいわ新選組若者勝手連 共同代表 ”かもめん”氏に直接話を聞く機会があった。彼は今21才の大学生、多くのボランティアたちの中心的人物として活動を続ける彼の心の内を少し聞くことができた。

れいわ新選組若者勝手連 共同代表 ”かもめん”氏

まずは、”れいわ新選組若者勝手連”と”かもめん”氏について簡単に紹介しておこう。

”かもめん”氏がTwitterで1人声をあげたのは2018年某日、18才の高校生だった頃である。若者の政治参加を掲げ、”若者勝手連”として活動を始めたのは2019年参院選の少し前のことだ。その頃はまだ、”かもめん”氏の同志は数名で団体と呼べる規模ではなかったが、”若者勝手連”は2019年参院選後も活動を継続、次第に彼らの熱量と意思は徐々に世間の理解を得ることに成功していったのである。
そして2021年07月、活動をさらに本格化させていった”若者勝手連”は、政治団体「れ若連」を設立。現在”かもめん”氏は、「ボランティアチーム れいわ新選組若者勝手連 共同代表」であり、「政治団体 れ若連 代表代行 兼 広報」を務めている。
かもめん氏 Twitter アカウント
政治団体 れ若連 Twitter アカウント

”若者勝手連”と”かもめん”氏については、以前に2度モンキーポッドで取り上げたことがある。興味のある方は、ぜひそちらもお読みいただきたい。

”かもめん”氏へのインタビュー

以下、”かもめん”氏へのインタビューを要約無しでお送りする。

:お久ぶりです。先の衆院選もボランティア活動お疲れさまでした。
かもめん氏:ありがとうございます。

:早速ですが、衆院選でれいわは3議席を獲得しました。山本太郎さんも国会へ戻りましたが、勝手連代表としてはこの衆院選の結果は(100点満点中)何点という評価でしょうか?
かもめん氏:なかなか難しいところも多いと思っていたので、平均点が50点のテストで70点は取れた感じだと思います。

:今回の衆院選の前後で、れいわを離れた元候補予定者が数人いらっしゃいますが、かもめんさんとしてはどんなお気持ちですか?
かもめん氏:残念で寂しい面もありますが、被選挙権の自由、金銭的、或いは肉体的な負担も大きいので、お疲れ様でした、としか言えないです。

:07月に政治団体を設立したとお聞きしました。「れ若連」は正式名称なのでしょうか?
かもめん氏:はい。
:・・・・・

:れいわ新選組のボランティア団体が「若者勝手連」、政治団体としては「れ若連」という認識でいいですか?
かもめん氏:そうですね。詳しく言うと、国政政党である「れいわ新選組」を勝手に応援する若者の連絡網としてのボランティア団体が「れいわ新選組若者勝手連」であり、それを政治的・経済的に支援するための政治団体が「れ若連」です。

:政治団体「れ若連」のほうは、全国の勝手連チームとはどういった関係になるのでしょうか?
かもめん氏:基本的に「れ若連=れいわ新選組若者勝手連」と思ってもらって差し支えないです(笑)
:まだその辺りはこれからカタチになっていくということですね。政治団体ではないボランティアチームのみでは、できないこともありますからね。
かもめん氏:そうですね。

:全国の勝手連チームは、現時点で何チームあって総勢何人ほどになっているか、把握はされていますか?
かもめん氏:日々増えていっているようなので、把握はしていないですが、今はざっと140チーム前後あると思います。人数まではちょっとわからないです。

:SNS以外に、ボランティア団体と政治団体と、ともに公式ホームページはありますか?
かもめん氏:現時点では両方ともホームページはありませんが、前向きに検討はしています。

:このところ忙しく活動をされているのをよく目にします。活動にはやはり少なからずお金がかかるということで、活動資金の寄付をお願いされている場面も見かけるのですが、寄付を受け付ける口座は公開されていないのでしょうか?
かもめん氏:受け付ける口座は政治団体のほうで作った口座なのですが、もしもトラブルがあったとき直ぐに対応は難しいので公開はしておらず、TwitterのDMで直接問い合わせをいただいた方にのみ、口座情報を連絡しています。
かもめん氏 Twitter アカウント
政治団体 れ若連 Twitter アカウント

:アルバイトをいくつも掛け持ちされているそうですが、活動資金としてはそれでも足りないので寄付を、ということですか?
かもめん氏:足りないというか、足りる範囲の活動しかできないです。実際、街宣とかで配るチラシなんかは自分たちで印刷していますし、あちこち出向く交通費も全部自腹なので、バイトの給料はあっという間に飛んでしまいます(笑)。できれば次の(2022年)参院選までは今の頻度と規模の活動を続けたいのですが、このままだと頻度を減らして縮小することになりますので、それで寄付をお願いしています。
:ボランティアや街宣はお給料が出るわけではないでしょうから、大変でしょうね。
かもめん氏:お金が欲しくてやってるわけではないので、給料が無いのは別に構わないのですけど、お金が無いことが原因で活動ができなくなるのは悔しい気持ちになります。

:他の勝手連チームで寄付を募りたい場合、「れ若連」を使ってもいいとお考えですか?
かもめん氏:”れいわという新しい時代を若者が連なることで作ってゆく”、「れ若連」のこの趣旨に合致するなら構いません。
:志を持った上で応相談ということですね。

:かもめんさんもあと数年で学生ではなくなると思いますが、そのとき勝手連はどうなっていてほしいですか?
かもめん氏:後進に譲れるくらいの体制になっていて欲しいですね。また、全国の市区町村レベルで勝手連ができたら最高だなぁと夢想しております。

:かもめんさんを含め若者勝手連のメンバーが被選挙権を得る年齢に達したら、ボランティアではなく立候補者として”れいわ”に合流する可能性は?
かもめん氏:可能性はフィフティフィフティです。”れいわ”の看板を背負って出れるなら出るのか、無所属諸派の「れ若連公認」として出るのかはまだわかりませんが。その時は応援お願いします。
:了解しました。

:では最後に、来年の2022年参院選に期待する”れいわ新選組”の獲得議席数はいくつですか?
かもめん氏:二桁に乗せたいので、最低でも5議席ですね。

:ありがとうございました。今後もご活躍に期待しています。
かもめん氏:こちらこそ、どうもありがとうございました。

若者世代への期待

先の衆院選では、18~19才で43%、20代で41%が自民党に投票したというデータがある。実のところ、ここ10年ほどは自民党への若者票は40~50%となっている。その理由として多いものは、「政権が変わっても何も変わらない、だったら混乱が無いほうがいい」「今まで自民党で絶対ダメと思ったことがない」「今まで続けてきた実績もあるし、未経験政党に比べると不安は少ない」だそうだ。

これは、今後良くなるという期待感よりもどこか諦めに似た感情のようにも見える。混乱や失敗を避けようとする気持ちはわからなくはないが、今が大丈夫だからこのままでいいだろうという感覚に、私は少し危機感を覚える。

山本太郎氏がこれまで街頭演説等で訴えてきた「子どもの7人に1人が貧困」「一人暮らしの女性の3人に1人が貧困」「全体の56%が生活苦」等、それに当てはまらない家庭、もしくはそれに気付かずに育った人々は上記のように考えるのも無理は無い。だが、自分が大丈夫ならそれでいいのだろうか。小学校中学校と一緒に育ってきた友人たちは、家の近所の人々は、本当に困っていない類の人たちだろうか。そこに気付いた若者たち、それに目を向けた若者たちが動き出し、形を成したものが”若者勝手連”である。

今の現状で救われない人々を救うには変革が必要だ。昨今話題になっている「18才以下の子どものいる家庭への10万円給付」半分の5万円分はクーポンやポイントにするという案が大きな批判を呼んでいる。さらには、事務的な経費が現金で一括給付するのに比べ、約900億円高い1,200億円となる試算も出ている。いったい何のための900億円なのだろうか。そのお金で確かに給付に携わる企業や人々が潤い経済が少し回るかもしれないが、900億円をまずは今困窮している人々へそのまま給付に回せと言う声も多い。
現状維持を望み変化を望まないということは、こういったやり方を是とするということだ。

変化を敬遠する若者たちは、このままの未来で良いと思っているだろうか。少なくとも、声を上げ活動を続ける”若者勝手連”はそうは考えていない。

どこかで変わらなければ、自分たちに子供ができたとき、自分たちが歳をとったとき、今と同じかさらに悪化した世の中になっていては困ると気付いた若者たちが”若者勝手連”となった。そしてその輪は今も少しづつ広がり、変化を望む声も大きくなりつつある。
選挙での若者の投票先という意味で、変化を望む者たちと望まない者たちの対立の構図となってしまいそうだが、そこで期待するのが”れいわ新選組”の議員たちの活躍だ。

”れいわ新選組”の議員たちの活躍で少しずつでも良化していくことができたならば、それを感じはじめる若者たちも増え、変化への抵抗も薄らいでいくのではないかと考える。その芽が出始めたとき、その彼らの心に直接声を届けることができるのは、きっと同じ世代の若者たちではないだろうか。

導くのも、大人の役割

とはいえ、しっかりしているように見えても彼らはまだ20代前半の学生が中心だ。Twitterを眺めていても、ときに言わなくてもいいと思えることを口走っている場面に遭遇することもある。ある程度人生経験を積むと自ずと身に付くことだが、黙っていることで自分に利することは実は少なくない。
若者感情(という表現が正しいかわからないが)としては、「思ったことも言えないなんて嫌だ」「自分の意見を言って何が悪い」ということになるのかもしれないが、”言わなければ相手は離れていかなかった”、”言わなければ不必要な反感は買わなかった”、という”タラレバ”の未来もたまには考慮してほしいと思うところである。もちろん考えてはいるのだろうが、それでもまだ、という話だ。

Twitterでの発言をわかりやすい例として出したが、おそらく見えないところでも若さ故の過ちとまでは言わないが、脇の甘さがあるように思う。だが、今はそれでいい。細かいことは気にせず突っ走れる気概が今は必要だ。

大事なのは、そういった脇の甘さや未熟さが出たとき、大人たちや年配者が正しく指摘・教示してあげることだ。人は勝手に育っていくものではない。周りの人々から学び、経験し、吸収していくものだ。これは私の願いでもあるのだが、彼らを暖かい目と手で育ててあげてほしい。人に優しく、未来を自分たちで切り開こうとしている若者たちに、手を差し伸べて導いてあげることも大人としての役割であるはずだ。

言葉遣いや態度、振る舞いや世渡り、それらを学びつつ彼らは人として成長していくだろう。そんな彼らに、励ましの声をかけることでも、今の活動のための寄付でも、例え小さなことでも、少しでも前へ進めるように背中を押してあげてほしい。未来に希望を見失わない彼らこそが希望なのだから。


れいわ新選組 若者勝手連 の 成長と展望(終)