ホリエモン新党と東京都知事選挙 ③
ホリエモン新党と東京都知事選挙 ②では、ホリエモン新党の初陣となった東京都港区長選挙とホリエモン新党の実態について考察した。
2020年06月18日告示の東京都知事選挙へ向け、17日にホリエモン新党からの立候補者の記者会見も開かれ、そして18日、告示日を迎え他の東京都知事選挙への立候補者も出揃った。かねてから噂されていた堀江貴文氏の出馬は無く、ホリエモン新党から当初発表されていた予定は大きく変更された。
東京都知事選挙 出馬会見
06月17日、ホリエモン新党からの東京都知事選挙への出馬を表明した一番手は、堀江貴文氏の運転手を勤める”さいとう健一郎”氏という人物であった。
※さいとう健一郎(39才)氏
堀江貴文氏の運転手兼秘書。以前からN国党 立花孝志氏と交流があり、次期衆院選でのN国党 立候補予定者。現在は独身。
”さいとう健一郎”氏は会見で、堀江貴文氏はホリエモン新党には一切関与していないとしながらも、次のように語った。
「ホリエモンイズムを受け継いだ私が、この東京都知事選挙に挑むことに意義があると思っている」
会見での”さいとう健一郎”氏の意思表明の後、立花孝志氏から驚きの予定変更が発表された。
当初、立花孝志氏はN国党公認として出馬するとしていたが、すでに作成した選挙ポスターデザイン(記載事項)の都合上、立花孝志氏本人を含む出馬予定の3人全てがホリエモン新党からの出馬になるという。
会見時、立花孝志氏と”さいとう健一郎”氏に続く3人目については公表されてはいなかったが、18日告示日を迎え、3人目は2020年08月の大阪府箕面(みのお)市長選挙にN国党から出馬予定とされている”服部修”氏であると発表がなされた。
東京都知事選挙 ホリエモン新党
立花孝志 氏(ホリエモン新党公認 N国党推薦)
さいとう健一郎 氏(ホリエモン新党公認 N国党推薦)
服部修 氏(ホリエモン新党公認 N国党推薦)
N国党とホリエモン新党からの出馬については、誰がどこから出馬するのかを会見などでその都度その伝えられてきたが、以上のように確定した。
ホリエモン新党 立花孝志氏の目的
「3人立候補した理由は、こうするためだった」
と立花孝志氏は語る。
3枚並べたかったらしいが、さて、どのような効果があるのだろうか。
まず、目に見えるところから考察していくと、”目を引く”というのは確かにそうであろう。目立つと思われる。そのため、設立されたばかりの「ホリエモン新党の名前の周知」という面では効果はありそうだ。そして、立花孝志氏と堀江貴文氏、立花孝志氏と籠池泰典氏、それぞれ仲が良さそうというアピールもできるだろう。籠池泰典氏はともかく、これを見る限りでは堀江貴文氏が立花孝志氏をバックアップしているように見て取れる。
公約とされた37の提言だが、これは近寄って見に行かなければおそらく読めないのではないだろうか。興味のある人は立ち止まって読むのであろうが、これでは興味の無い人への訴えかけとしては弱いと思われる。
そして気になる点だが、2枚のポスターで掲載されている写真は堀江貴文氏だが、当の本人は立候補をしていない。名前こそ書かれていないものの、彼は有名人である。投票の際に「堀江貴文」や「ホリエモン」と書いてしまう人も出てきそうである。「堀江貴文」であれば、立候補者ではないで無効になることは言うまでもないが、党名としてポスターにも記載されている「ホリエモン」と書いて投票するとどうなるのか。この件で選挙管理委員会へ確認したが、「無効です」と即答されてしまった。当然であるが、こういった「ホリエモン」無効票が増えてしまうのではと懸念するのは私だけではないだろう。
無効票の増加を誘うような戦略をし、公党であるN国党の公認を取り止めてまで、何故そうまでして立花孝志氏は”ホリエモン新党”の育成を急ぐのか。立花氏は「ゆくゆくはN国党をホリエモン新党に移して代表を堀江さんに任せたい」と語っており、N国党と自身の限界を感じているのかもしれない。
しかし、この期に及んでまだ立花孝志氏は気付いていない。
何故N国党は認めてもらえないのか、何故自分は批難されることが多いのか、そこに気付かなければ何処に鞍替えしようと同じ末路である。
この東京都知事選挙の主張においても、「少数派や多様性を認める社会にしていきたい」と立花孝志氏は語っているが、とどのつまり、「自分たちを認めろ」と言いたいだけではないのか。
この件に関して、Youtuberである”みずにゃん”氏が詳しい解説をされているので紹介しておきたい。(私も概ね同意見である)
立花孝志氏のホリエモン新党を推し進める目的は概ね理解できたと思われるが、それを認めるかどうかは別問題である。図らずも、この東京都知事選挙が、立花孝志氏を含めホリエモン新党の是非が問われることになった。
都民の判断は如何に
これは東京都限定の東京都知事選挙である。多くの東京都民が考える投票先に、ホリエモン新党 立花孝志氏は選択肢に入っているだろうか。
あの有名な「予備校前 迷惑演説騒動」は東京都小金井市長選挙での出来事であり、そのときの立花孝志氏の得票は678票(得票率1.66%)と驚く程低かったのである。それ以降、立花孝志氏は自身が選挙に出ることを控えたが、他の地方選挙でもN国党から立候補した者たちの惨敗が続いている。
そういった状況もあってのホリエモン新党なのかもしれないが、立候補をした3人ともにN国党からの推薦とされており、立花孝志氏のポスターには「NHKから国民を守る党」の名前が記載されている他、他の2枚にはNHK撃退シール(N国党のシール)が貼られている。つまり、N国党=ホリエモン新党であると自分たちで広報しているわけだが、その影響がどう出るのか、得票結果を待ちたいところである。
今回の東京都知事選挙は、現職小池百合子氏の他、れいわ新選組 山本太郎氏や日弁連の元会長 宇都宮健児氏、元熊本県副知事 小野たいすけ氏、日本第一党 桜井誠氏なども立候補されている。
東京都民の有権者の皆様にご注意いただきたいのは、ホリエモン新党 立花孝志氏らは、当選を目的として立候補していない点である。日本の首都 東京を誰に任せるかがかかっている大切な選挙である東京都知事選挙。自分勝手な手法で売名に勤しむ者や集団に、今は構っている余裕は無いはずである。
ホリエモン新党と東京都知事選挙 ③(終)
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