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私に届いた(旧)N国党 元支持者からの2通目のメール

2021年10月25日にモンキーポッドで公開した記事「私に届いた(旧)N国党 元支持者からの1通のメール」について、SNS等で一部話題にしてくださった皆様のおかげでそれなりの反響を得た。その後、先の記事の方と似たような方々からチラホラとご連絡を頂戴するようになった。

今回はその中からお一人、(旧)N国党絡みの裁判関係に興味をもっておられた(旧)N国党(現)NHK党 元支持者の方のお話である。その方からは「内容のみなら可」と、頂戴したメール文をそのまま公開しても良いと許可をいただいている。

(本記事のタイトルは「2通目のメール」としたが、厳密には2通目に来たわけでも、メールを頂戴した2人目でもない。2つめの記事という意味であることはご容赦いただきたい。)

今回の送り主の方を仮に「Bさん」とする。
”Bさん”とやり取りをした際、その都度長文で詳しくお返事をくださったので、できる限り頂戴したメール文をそのまま紹介するが、繋げるとそれなりの文量になったため章にして分割する。ちなみに”Bさん”とのメールの往復回数は4回である。
※文中の改行や()での補足、誤字修正等の最小限の校正は行った。また、文章や言い回し等の大半はそのままであるが、内容をある程度まとめるために文章の位置をいくつか入れ替えて編集した。

以下、”Bさん”から頂戴したうちのメール3通分をまとめたもの(ほぼ)全文である。


「裁判」の使い方に疑問を持った方からのメール

初めてメールをお送りします。
私に届いた(旧)N国党 元支持者からの1通のメール」を見て、自分と似たことを感じた人もやっぱりいるんだとわかり、私の感じたこともお話したいと思ったのでメールさせていただきます。
私も”Aさん”(~1通目のメール送り主の方)と同じく2019年の参院選ではN国党へ投票しました。その後の立花さんやN国関連の動画はたまに見ていたのでマツコ・デラックスさんの件も、立花さんが参議員を辞めたことも、連続して首長選挙に出ていたのも見てきました。確かその頃だったと思いますが、選挙実施地域外の予備校前で大音量街宣をして揉めていた(小金井市長選挙・予備校前演説騒動)のを見て「なんて人を国会議員に(小金井市長選挙は辞職後)」にしてしまったんだと後悔しました。「違法じゃない」「罰則が無い」「捕まらない」なら何をやってもいいと本気で思っているんだと感じました。こんな人を政治家として人の上に立たせてしまったのかと後悔しましたが、自分が無知で浅はかなままだとこんな事態を招いてしまうことに気付きました。こういう人が権力を持つと、必ずどこかで犠牲者が出ると思いました。実際そのとき予備校にいた受験生や近隣住民は迷惑を被ったと思いますし、交渉に行った予備校の先生はマイクの大音量で怒鳴られて怖かっただろうと思いました。
まだそのときは私と立花さんどちらの感覚がおかしいのか、よくわからないところがあったのですが、しばらくしてN国党のコールセンターが警察の家宅捜索を受けたとき、立花さんが出した動画で「私は反社会勢力で犯罪者でーす!」と言っているのを見ました。あのときの立花さんは異常なくらい目を見開いていて私は怖くなりました。以前から立花さんは自分で「鬱や躁鬱の気がある」と言っていましたので、その躁鬱状態になってしまったのかと思いましたが、自制できない病気ならむしろ政党党首や政治家なんて多くの市民に影響を及ぼす責任のある地位にいるべきじゃないと思いました。
私がちゃんと立花さんやN国党のことを調べるようになったのはそれからですが、知れば知るほど自分が無知であったことに愕然としました。特に私が驚いたのは裁判の多さです。NHK相手の裁判ならわかるのですが、一般人や地方自治体やそこの首長なんかもとにかく何かある度に裁判を起こしていたことを知りました。中でも一番驚いたのは”ちだいさん”へのスラップ訴訟でした。立花さんは動画で強気に”ちだいさん”をおちょくって笑い者にしようとしていましたが、あのときの立花さんの動画を見ただけで「これは立花さん負けるだろうな」と思ったら案の定負けていました。私が立花さんの裁判に興味を持ち始めたのはこの”ちだいさん”へのスラップ訴訟が切欠でした。
それから”ちだいさん”のN国レポートを読むようになって、もっと調べていくうちにたどり着いたのがモンキーポッドさんで、そこで細かくまとめられた裁判や選挙での出来事を知ることができました。”ちだいさん”への裁判が以前のスラップ訴訟だけではなかったのは知っていましたが、どんな風に提訴して負けてきたのかも詳しく知ると「嫌がらせで裁判をしているんだな」と思うようになりました。
「嫌がらせの裁判」かと思うようになってからは、立花さんのやることの多くが嫌がらせじみているように見えてきました。「NHKに毎日行く」「NHK会長宅に直接行く」なども、実際「家族にプレッシャー」「近所から白い目で」という発言をしていた動画(現在は削除)を見たこともあります。普通に考えれば、嫌がらせができたという満足感以外に得られる成果はほとんどないことは予想がつきそうなものだと思いました。「個人情報をバラ撒く」とNHKを脅したときも、夜間にNHK会長宅を訪れて何度も呼び鈴を鳴らし何度も電話をかけていたときも、立花さんの周りにいた数人の同行者と一緒になって楽しそうにやっていました。しかも、元彼女だったらしい司法書士も同行して同じく楽しそうにしていたのを見てゾッとしました。この党に集まった人たちはみんなこういう人たちなのかと思いました。

嫌がらせの正当化

モンキーポッドさんの記事の「(旧)N国党 (現)NHK党 代表 立花孝志氏とは ② 免罪符」を読んだとき、立花さんのやり方がなんとなく理解できました。
「〇〇だから、△△してもいい」という考え方なんだと思いました。この考え方に当てはめると「違法じゃないから」「罰則が無いから」「捕まらないから」「人が亡くなっているから」「NHKが〇〇しているから」が成り立ってしまい、その延長線上で「だから〇〇するために、自分たちは△△する」という理由付けをしていることに気付きました。
小金井市長選挙での予備校前街宣も、NHK会長宅への夜間訪問も、「NHKが〇〇しているから、だから自分たちは△△する」と言って行っていました。しかし、そもそもそのやり方が嫌がらせの類だと私は思いました。末端のNHK営業所や会長宅への押しかけも、NHK側が嫌がらせに耐えかねて対応するのを期待したやり方だと考えると合点がいきました。
結果的に相手の対応を引き出すためであっても、その手段が「嫌がらせ」なんて許されていいはずがありません。ましてや今は国政政党でその党首の人間が、一方の目的を果たすために他方に犠牲を強いるやり方は間違っていると私は思います。NHK関連だけならまだしも、”ちだいさん”への裁判は「破産させるまでやる」とまで言っていたので、嫌がらせ以外のなにものでもないと思いました。N国アンチへの個人情報開示請求にしても、「ビジネスになる」と言って裁判所の決定前に直接交渉で金銭を要求していましたし、金儲けと他人への嫌がらせを同時にしたいのかと思いました。それまで菅野完さんにも裁判で負けて、その他も日本第一党の桜井誠さんをクズ呼ばわりしたり、散々他人に誹謗中傷紛いな発言をしておいて今度はそれかと呆れました。挙句に「誹謗中傷を無くすため」とかどの口が言うのかと思いました。
小金井市長選以降、立花さんの裁判を注意して見てきましたが、いつも同じ調子で提訴の時点でもう勝ったかのように振る舞っていましたが、負けが続いて「裁判所は立花に勝たせる気がない」と言い出す始末でした。
”ちだいさん”へのスラップ訴訟はもそうですが、今までそんなことをしておいて今さら自分が被害者面して認められるわけがないと思っていました。
党の本題であるNHKの問題にしても、N国党コールセンターでのNHK集金人の悪質な訪問の相談件数を具体的に集計して自民党の小野田紀美参議員へ提供して協力したという話も無く、党名にまでした「弁護士法72条違反」の裁判でも負け、今ではNHKの未払いを勧めて裁判されたら支払いを肩代わりするのが自分たちの仕事だと言い出したのを見て、もう本当に国政政党である必要が無い党なんだと思いました。

見続けてきて思われたこと

”Aさん”(~1通目のメール送り主の方)も言っていたと思いますが、2019年参院選ではぼんやりとした期待だけで投票をしてしまった人は多いのではないかと思います。特に世の中に立花さんとN国党の名前が知れ渡った家宅捜索以降の選挙を見る限りでは、投票したことを後悔する人も増えたように思います。その後私はできる限り動画を見て、発言内容の是非も自分で調べて確認するようになりましたから、今では立花さんの発言の変化にも自分で気付くことができます。でもそこまで理解しようとすると、動画を確認するだけでも長い時間が必要になってしまうので、多くの人たちには無理難題なのではないかと思います。そんな事情からも”ちだいさん”やモンキーポッドさんのように要点を文章で教えてくれる人は貴重な存在だと思っています。
動画はどの時点で何を言っていたのかは一通り通して見ないとわからないので、重要な発言を聞き逃すこともあり、何より「あのとき何を言っていたのか」などを再確認しようとすると該当の動画探しをして、また再度その動画を一通り見なければいけないので、回を追う毎に再確認する気が失せていきます。その後で真偽をまた自分で調べるとなると相当な手間がかかってしまいます。だから発言内容がコロコロ変わっていてもほとんどの人は指摘できず、それを見過ごして放置せざるを得ないというのがN国党界隈の特徴だと思っています。逆に言うと、信者(現役熱狂的支持者)の人たちは毎回動画を喜んで見ているはずなのに、発言内容の変化も無視して、これまでやってきたことの是非も問わず、立花さんの言ったことやったことに無条件で万歳三唱をしているのだと言えると思います。
今もなお変わらない炎上商法と、NHKとの裁判に負けた人の支払いを肩代わりするやり方が本当にNHK改革に繋がるのかを考えると、おそらく無理だろうと私は思っています。急速なブロードバンド化とデジタル化でインターネット徴収も検討されている昨今、インターネット徴収に反対の声も多いはずですが、民放各局も使用している今の電波中継基地局の大半がNHKの管轄下にあり、維持管理もNHKが多くを担っています。つまりはNHKの受信料収入で民放各局も支えられている点が大きいと言えると思います。この問題をクリアしなければ、感染症の影響で廃止に向かうとされている個別訪問での契約業務がそのままの流れで廃止されたとしても、他のなんらかのかたちでの契約・徴収が行われる可能性は高いだろうと思うのですが、この点に関する解決案などは立花さんやN国党からは私は聞いたことがありません。
立花さんは党や自分たちの仕事を「サービス」といいますが、一般市民を直接相手にサービスをしたいなら国政政党である必要は無いはずで、無条件で応援したいと思っている信者(現役熱狂的支持者)たちの寄付や動画の広告収入でやってもらえればいいと思っています。

声を上げる意味

今回、モンキーポッドさんが私の意見を取り上げてくださるということで、今まで思っていたことを全部吐き出しました。
2019年の参院選でN国党を国政政党にする一助をしてしまった者として、「ダメなものはダメ」「そんなことは望んでいない」と思ったことは言わなければいけないと思いました。「嫌がらせ」を是とするようなやり方はダメだと、投票してしまった身だからこそ言わなければいけないと思いました。
立花さんが参院選で当選してから何をしてきたのかをしっかりと見て、それが私たちの望んだことなのかどうか、許しておいていいことなのかどうかを判断して声をあげることをしなければ、今後も”よく知らないまま投票する人々”が後を絶たなくなってしまいます。立花さんの言動を見る限りでは、そういう人たちの票をアテにして国政選挙での2%超えを狙っているように感じます。そうなればまた私と同じように後悔する人も出てこないとも限りません。それを少しでも防げるように、今回の私の意見が一人でも多くの人へ届くことを願っています。

以上が”Bさん”から頂戴したメールの(ほぼ)全文である。

NHK問題しか見ない者、それ以外を見る者

これまでモンキーポッドでは、立花孝志氏や(旧)N国党関係者の言動や行いについて数々の批判をしてきたが、立花孝志氏らがNHK問題を扱っていることについては特に問題視はしてこなかった。それは、NHK自体にも指摘されるような問題が実在し、それを解決しようとすることそのものは批判するべきではないと考えてきたからだ。

今でもSNSなどでは、「スクランブル化を公約にしたのにできていない」「NHK改革が全くできていない」などの理由で立花孝志氏らN国党を批判する人々は多い。しかし、私や”Bさん”の文中で名前の挙がった”ちだい氏”にしても、立花孝志氏や(旧)N国党を批判するところはそこではない。彼らの「やり方」「考え方」の問題なのだ。
今回”Bさん”は、立花孝志氏らの「やり方」は「嫌がらせ」じみていると指摘した。「嫌がらせ」を行うことで相手に対応を迫るやり方を批判したのだ。この点は”ちだい氏”も同様で、”ちだい氏”は彼らを「ハラスメント集団」と呼んだ。これには私も同意するところである。
「スクランブル化を公約にしたのにできていない」「NHK改革が全くできていない」と言って彼らを批判する者は、では逆に、NHK改革が進んでいれば賞賛したのだろうか。仮にNHK改革が彼らの影響で進んでいたとしても、私は彼らの「やり方」を批判する(おそらくは”ちだい氏”も)。それは、目的で手段を正当化してはならないと考えているからだ。そもそもNHK本体ではなく、末端の委託会社の訪問スタッフを攻撃するやり方では何年かかろうとNHK改革には程遠いと最初から思っている。

立花孝志氏の言う「毒をもって毒を制します」とは、そこだけ見れば聞こえはいいが、見落としてはならないのは「楽しそうに」「嫌がらせ」じみた行為を行ってきたことである。そして何より私が指摘したいのは、そういった行為に同調してきた現役(旧)N国党所属の議員たち、および(過去含む)多くの公認立候補予定者たち、熱狂的支持者たちの存在である。彼らは調子の良いときはこぞって立花孝志氏の周りに集まり、都合が悪くなると見て見ぬフリをすることを繰り返してきた。(詳細についてはここでは割愛するが)今まで(旧)N国党を見続けてきた者であれば数度そのような光景を目にしているはずである。

立花孝志氏は言う、「NHK問題が片付いたら解党して政界を引退する」と。本当にこのままのやり方で、NHK問題は立花孝志氏が生きている間に解決するのだろうか。2019年参院選後に動画内で立花孝志氏が語った(口を滑らせた)「このポジションはめっちゃ儲かるねん!」「ゆっくりやったらいいねん!」「遊んでんねん!」という言葉を、私は忘れてはいない。

今回メールを頂戴した"Bさん"は、(旧)N国党が扱うNHK問題以外のところに不信感を抱かれた。それは立花孝志氏が起こす数々の裁判と、その他NHKに対して行ってきた行為を冷静に見続けてきた者が自然と抱く不信感と言っていいだろう。

昨今の立花孝志氏は、刑事裁判一審で執行猶予付き有罪判決を受けたこともあってか比較的大人しく、また周りの党員や熱狂的支持者たちにも目立った動きはない。ならば放っておいても良さそうだ、と考えがちだが、それは「過去になにをしても今が問題無いなら見なかったことにする」ということである。

どう判断するかは、本記事をお読みになられた皆様にお考えいただきたい。


私に届いた(旧)N国党 元支持者からの2通目のメール(終)
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