N国党・立花孝志と新型コロナウィルス

本記事は、「vs モラリスト」や「衆院静岡4区補選」とは別物としてご覧いただきたい。モンキーポッドではこれまで、「新型コロナウィルス」を敢えて「新型ウィルス」と称してきた。それは、新型コロナウィルス関連の記事で随時表示される「新型コロナウィルス感染症に関する注意」を出さないように配慮し、新型コロナウィルス関連記事ではないという見方をしてもらうためであった。

しかし、モンキーポッドで追い続けている「N国党 立花孝志氏」が新型コロナウィルス感染症に関する発言を繰り返し、安倍政権への批判とNHK問題を結びつけ、自らの戦略に利用するようになり、モンキーポッドとしてもこのままこの件に関していつまでも避けてはいられなくなってきたと考え、今回は「新型コロナウィルス感染症」関連であると明記して本記事を作成するに至ったものである。

「新型コロナウィルス感染症」関連である、とは言え、感染の防止方法や治療に関する情報の掲載では無いことを、予めご了承願いたい。
あくまで、立花氏やN国党関係者における言動と行動の中の「新型コロナウィルス」関連に対する”注意喚起”と”お願い”の記事である。
長引く可能性のある題材の場合、記事タイトルに「①」と付けるのだが、モンキーポッドでの「新型コロナウィルス」関連はこの記事1本で終わりにしたいというのが私の願いである。それは、早期に「新型コロナウィルス」の感染拡大が終息して治療方法が確立されることへの願いであり、立花氏とN国党関係者が軽率な発言や行動を控えてくれることを願うものである。

立花氏の感覚、新型コロナウィルス

2020年03月09日頃から、立花氏は度々「新型コロナウィルス」に関しての持論を発信している。今でこそ(04月15日頃)自身は外出や他者との密接を避けるように自粛しているようではあるのだが、当初の立花氏は「コロナなんて怖くない」と主張し、軽率な発言を繰り返していたのだ。
新宿御苑で安倍政権へ当て付けのように「桜を見る会をやります」と言ったのもその1つである。(実際には新宿御苑が閉鎖したため中止となった)
そして、広島県福山市で行われた福山市議会議員選挙では、03月29日に応援に駆けつけていた立花氏を囲み、N国党関係者が集団となり花見を開催している。福山市では03月05日にはすでに感染症特別警戒本部から、飲食を伴う花見の宴会を自粛要請が出ていた。(潜伏期間があるとはいえ、04月17日時点でのN国党内での感染者発表は無い)

立花氏はこうも語ってる。「感染して死ぬのは、元々持病があった人や死にかかっていた人や老人だけ」「元気な人が感染しても大したことはない」「死んでる人は全体の僅かな人数」と言うのである。確かに、すでに死亡してしまった方や、感染しても命に別状の無い方々を見た場合はその通りと言ってもよい。しかし、死にかかっていたから、今死んでよいのだろうか。持病がある人は仕方が無いと見捨てることが正しいのだろうか。今死ななくてもよかったと思える人たちまで亡くなっているのである。そしてそれは、やがて自分の身近な人で起こるかも知れないのだ。だからこそ、まずは自分が感染しないように注意し、万一気付かないうちに感染していたとしても、他人に移さないように気を配ることが大切なのだ。その連鎖を止める意思が身近な人を守ることに繋がるのだが、やはり立花氏にはそういった視点や感覚は無いように見受けられる。

そんな中でも立花氏は、「日々NHKの被害者は出ている。お爺ちゃんお婆ちゃんが怖い想いをしている」と、NHK問題を追及する姿勢のアピールは忘れないが、立花氏は新型コロナウィルスで死亡する可能性の話では、「老人が死ぬのは仕方が無い」と言っている。新型コロナウィルスから守る気はないが、NHKからは守ろうとしている。なんとも不思議な話である。

そうするうち、著名人でも感染者や亡くなる方も出始め、立花氏の言動もそれに連れ変わっていくが、以前の発言を訂正も撤回もしないのである。その上で強調されていくセリフがあった。「僕は」である。「僕はそんなに怖くないと思っている」、あくまで、「僕は」こう思っている。という発言が以前よりも増えたのである。

そして立花氏の憶測による発言は、対策の遅れが方々で批難なされていた安倍政権へ向かう。「安倍総理が強い対策を採らずにいるのは、実はコロナウィルスが大したことがないと知っているからではないのか」と言い出したのである。上記した立花氏の発言を、自身で正しいと仮定して想像を膨らませているのだろう。実際には、一連の立花氏の発言を裏付ける研究発表や政府公式発表などは無く、また、立花氏自身もそのエビデンスを示すには至っていないのだが。

立花氏自身がどう考え、どうするかは個人の自由である。立花氏も「もし自分が感染して死ぬようなことになっても、それは仕方がないと思っている」と発言している。その考えそのものを否定するつもりはない。しかし、立花氏に気付いてほしいのは、立花氏自身の言動が及ぼす影響である。

立花氏は紛いなりにも国政政党の党首であり、元国会議員である。さらに、広告収入をいくらか得られるだけの発信力を持ったYoutuberで、フォロワー数約13万人のツイッターアカウントの主である。
立花氏自身は、自身の発言の末に自分がどうなろうと責任を負う覚悟があるのかもしれないが、話しのうわべだけを捉えて真実と思い込み、誤った情報を拡散する者や、その思い込みで軽率な行動をとる者がいることを、立花氏自身が知るべきである。

それでなくとも、N国党の現職議員や立候補予定者や支持者には、立花氏の発言のみを鵜呑みにして自分で調べようとも考えようともしない者たちが多いのである。それは今まで立花氏が「自分を理解できる人だけついてくればいい」「そういう人たちの支持だけあればいい」と言い続けた結果なのだ。
そういう団体としてN国党を作り上げてしまった立花氏が、自分だけが自分の責任を負うのだから、影響を受けた人たちのことまでは知らない、では通らない。

さらに言うと、立花氏はおそらく、どのようなニュアンスで、どのような内容であれば、どれだけの責任で済む。と考えた上で発言を行っているように見受けられる。それはNHK問題とは別物である。つまり、立花氏のNHK問題の主張や行動を支持し、それで理解したつもりになっているのかもしれないが、NHK問題以外の立花氏の知識・話法・論法がどのようなものなのかを、N国党関係者は全く理解できていないと思われる。

新型コロナウィルスに関して、軽率な発言や行動は慎むべきであることは、容易に判断がついて然るべきなのだ。本当はどういう人たちが集まってしまったのか、そろそろ立花氏にも気付いてほしいものである。

N国党関係者の認識

ここで言うところの「関係者」とは、現職議員・立候補予定者・支持者を含む意味で「N国党関係者」と称したい。そのN国党関係者の新型コロナウィルス感染の認識に関して、批判の声の多かった出来事を見てみよう。

宇都宮市議会議員である遠藤信一氏と柏市市議会議員である大橋昌信氏が、新型ウィルス感染対策と称して、塩素系の洗剤とクエン酸を混ぜて服用するよう勧めていた問題では、実際に、N国党関係者の女性が服用し、体調を崩し病院のお世話になるという事態に発展した。その後、発端となった両名は謝罪したが、この問題は一部新聞紙面でも報道された。

一般的に全国でも、塩素系の洗剤に(次亜塩素酸ナトリウム)と酸性タイプの洗剤(クエン酸を含む)と混ぜたことで発生する気体での死亡事故は、度々起こっているのではあるが、良識のある大人のすることではない。
両名はこれを動画発信で行っていたが、それを見た視聴者から早々に動画削除や謝罪を促す声が多数挙がった。しかし、N国党関係者の女性が服用して体調を崩して病院沙汰になるまで、動画削除や謝罪はなされなかった。
(その後、服用した女性は無事回復している。)

この危険物服用と立花氏に直接の因果関係は無い。だが、「N国党は自由」と称して、下の人間を管理教育することなく放置した末の出来事である。
立花氏の新型コロナウィルスに対する見解とも直接には結びつかない話ではあるが、”個人の憶測を確証も成しに発信する”という点においては、N国党関係者はしっかりと立花氏のそれを継承してしまっていると言えるだろう。

そしてもう1つ触れておきたいのは、N国党関係者全体的とも言える「危機感の無さ」である。先日、埼玉県坂戸市で行われた選挙(2020年04月05日告示・12日投開票:市長選 N国党 尾崎全紀氏 落選、市議選 N国党 石川新一郎氏 落選)でも、すでに関東地区のあちこちで集団になるイベントや集会等の自粛要請が行われていたにも関わらず、何人ものN国党関係者が他所から集まり、選挙運動を行ったのである。そこには立花氏の姿も見られた。
十数人が集まり、代わるがわる行われる街頭演説の最中でも、マスクを着用していた者は僅か数名であった。

この件についても、「不謹慎」「危機感が無さ過ぎる」などの批判の声は多く挙がった。しかし、その声はN国党関係者へは届かないのである。

上記2名の埼玉県坂戸市の選挙投開票日の同日、鹿児島市では市議会議員選挙の告示が行われた。(2020年04月12日告示、19日投開票)N国党からは、最勝寺辰也氏が立候補した。
あろうことか、関東含む各地の緊急事態宣言が出された地域から、N国党関係者が続々と応援に駆けつけたのである。先の埼玉県坂戸市での批判も止まぬ中、N国党関係者は皆揃ってその声に耳を傾けようとはしない。インターネットの中では、さらに批判の声は急増した。

これには現地・鹿児島市民もたまったものではない。非常識と指摘するも、独特な解釈と理論で反論し、全く話しにならないのである。

集まった(2020年04月17日時点での)N国党関係者は下記の通り。
最勝寺辰也:鹿児島市議会議員選挙 立候補者
浜田聡:N国党所属 参議院議員(現職)
田中健:N国党浜田聡参院議員元政策秘書 衆院静岡4区補選立候補者
黒瀬信明:埼玉県戸田市議会議員選挙 N国党立候補予定者
多田ひとみ:大阪府和泉市議会議員選挙 N国党立候補予定者
尾崎全紀:埼玉県坂戸市長選挙 N国党立候補者(落選)
久保田学:東京都立川市議会議員(現職)
他:N国党支持者数名

久保田学氏は、(以下、ツイッターの投稿そのまま)
「すみません、鹿児島で最勝寺候補の担当であることも踏まえ遅れてしまい悩みましたが現地入りしました。この時期にと賛否両論あるのは当然であると認識しております。人混みを避け、駅前にも立たず選挙カーを中心とした活動をしますのでどうぞご容赦ください。」
と理解を求める返答を一部で返すものの、一方で黒瀬信明氏は、
「非常宣言でてますよ?
鹿児島県民はコロナから守っていただけませんか?」
という一般人からの指摘とお願いに対して、
「日本国中の国民にお願いして下さい。
私1人に言ったて何にも出来ません。
理解出来ます?」(黒瀬信明氏)
と返答し、さらに別の一般人から、
「不安な国民に対して、私一人に言ったって何にも出来ません。理解できます?なんて発言を簡単にするような人が選挙活動なんてしないでください。」
との言葉が出ると、
「だったら選挙しないで下さい」(黒瀬信明氏)
と言い放つ始末である。その言葉を一般人相手に投げかけて、何が解決するというのだろう。ただ自分に批判の声を向けさせないための詭弁でしかないのは明らかである。自分が責められなければ良い、自分が責任を負わなければ良いという考えが念頭にある言葉だと言わざるを得ない。これほど軽率で浅はかで、無責任な考えで発言と行動を続けるのがN国党関係者たちだ。

久保田学氏の出した結論は残念なものであるが、一度考えて想い悩むあたりはまだ改善される可能性も見られる。しかし、このような可能性を見せるN国党関係者はほとんどいないのが現実である。先に記載した危険物服用騒動の大橋氏は、なんと(04月15日時点では)N国党副党首の立場にある人物なのだが。

(2020年04月20日 追記)
本記事は04月18日に公開したものであるが、19日、N国党 浜田聡参議院議員はこの日告示であった岡山県倉敷市長選挙の応援に出向いていた。鹿児島に続いて岡山へも出向き、新型コロナウィルス感染に関する緊急事態宣言の中で各東京間を行き来しているのである。浜田議員の本職は医師である。その面を考慮すると、浜田議員自身の予防対策などはそれなりに気を配られているはずと考えられるが、それでもやはり軽率であると言わざるを得えない。
国会議員の交通費などは歳費として「文書通信交通滞在費」が税金から支給されるのだが、今回の一連の各交通費や滞在費が”それ”として申請されるのかは、現時点では不明である。

こういったN国党関係者の浅はかで軽率な言動・行動の一因が、立花氏には無いと、果たして言えるだろうか。

※今後もN国党関係者が軽率な発言や行動を取った場合、本記事の追記更新で皆様へお知らせしたい。

まず、NHKからの前にウィルスから国民を守れ

上記でも記述したが、「NHKからお爺ちゃんお婆ちゃんを守る」よりも先に「新型コロナウィルスから国民を守る」のが優先ではないのだろうか。
一部有識者が語る通り、いずれ日本全国民が感染する可能性はあるだろう。しかし、その状況に成らざるを得ないとしても、それはできる限り先延ばしさせなければならない。市民レベルでの自粛や予防でなんとかやり過ごすことに意味があるのは、治療方法の確立を待っているからなのだ。

治療方法が未だ示されないままの状況下で、「選挙があるから」というだけの理由で、新型コロナウィルス拡散を助長する行為が正しいわけがない。
立花氏自身も「いずれ全員に感染するとは思っているけれども、それはゆっくりじゃなきゃいけない」と言っている。せめてこの言葉の真意だけでも、N国党関係者の方々には理解してほしいところである。

そして立花氏も、「NHKからお爺ちゃんお婆ちゃんを守る」と言って自己正当化するのは構わないが、その言葉だけを受け取って軽率な行動に出るN国党関係者への影響をもっと考慮していただきたい。
NHKからお爺ちゃんお婆ちゃんを守ってあげたとして、その方々が後に新型コロナウィルスに感染し、治療が間に合わずに亡くなっていくのは仕方が無いのか。もう一度よく考えてほしい。

立花氏も「人の命がかかっている」と関連動画では発言している。
N国党の方針である自由については口を挟むつもりは無いが、公党なら公党らしく、必要最低限の「事態に対する姿勢」は党として示すべきである。

今は、NHKからの前にウィルスから国民を守ってあげてほしい。


N国党・立花孝志と新型コロナウィルス(終)


モンキーポッドとしましては、主立った出来事を中心に、世に周知する必要があると思われることについては、引き続き活動を行っていく所存です。

モンキーポッド 関連記事

N国党・立花孝志氏の職歴詐称疑惑とは
N国党・立花孝志党首の裁判履歴
N国党・立花孝志党首の問題発言
N国党・党員と支持者の問題行動
N国党・立花孝志氏の選挙戦略とは
NHKから国民を守る党を疑問視する