見出し画像

隠された名作「クビキリサイクル-青色サヴァンと戯言遣い」

こんばんは〜。周りのみんながビジネス書やプログラミング言語を勉強している中、西尾維新の小説を読み漁ることにハマってしまった大学4年生(22歳)です(笑)

個人的には物語シリーズが大大大好きなのですが、文体に魅せられて西尾維新先生のデビュー作「クビキリサイクル」を読みましたので見所や個人的解釈をメモ程度に記述します!

クビキリサイクルに秘められた事

つらつらと考察を述べる前に「クビキリサイクル」という題名にはどんな意味が込められていると推測されますか?

僕は、まぁ文字通り「首斬り?事件」「サイクルだから連続事件?」と取りました。

結論から言いましょう。

この解釈は正解です。しかし、クビキリサイクルには他にも様々な意味が内包されていました。しかし、これを述べようとすると、どうしてもネタバレを含まざるを得ないので一旦控えます。ヒントは「どこで区切るのか」ということ。

「クビキリ/サイクル」「クビキ/リサイクル」

さすが言葉遊びの達人、西尾維新先生です。しかも、これがメフィスト賞を受賞することになった、所謂デビュー作なのだからおったまげ。彼がこの作品を書いたのは20代前半なので、ほぼ同い年やん!?と驚愕しました(笑)

果たして天才とは

本作には、鴉の濡れ羽島に集められた天才たち、主人公「ぼく」、島の住人と数名の人物しか登場しません。西尾作品では、ありがちなのですが人が少ない分、彼ら一人一人のキャラクター性が際立ちます。それは、彼らの言葉の節々に現れ、物語の中心的要素となっています。

果たして天才とは?

そんなこと今まで考えたこともありませんでした。確かに、尊敬できる人はいましたし、自分にできないことが簡単にできる人がいたのも事実です。しかし、圧倒的な天才という存在に僕はまだ出会したことがありません。

本作では、青色サヴァンという副題からみて取れる通り、サヴァン症候群の玖渚友という少女がヒロインとして登場します。

サヴァン症候群 » 精神障害や知能障害を持ちながら、ごく特定の分野に突出した能力を発揮する人や症状を言う。

天才は確かに凄いことに違いはないでしょう。しかし、本作を通して僕が感じたのは「天才だろうが人であって、天才であることと幸せかどうかはイコールでない」ということでした。アインシュタインだって、ムンクだってゴッホだって、凄いことに違いはないでしょう。

しかし、玖渚友や他の天才たちがそうであったように、彼らも僕たちと同じ人間なのです。悩み苦しみ日々を生きる。例えば、ゴッホが耳を切り落としたことは有名でしょう。また、生前は苦悩の日々を送っていても、晩年・死後に天才として評価されるなんてことはよく聞く話です。

そう思うと、僕は遠かった彼ら・彼女らのことを身近に、さながら近所の山田さんくらいの感覚に落とし込むことができました。

西尾さん作品に見る共通点

僕は、昔から説明文より小説を読むことが好きです。理由を挙げると枚挙にいとまがありませんが、おそらく計り知れなさというのが大半を占めるでしょう。僕が言うまでもなく、周知の通り、基本小説は何でもありです。言葉を選ぶのであれば、可能性に富んでいる、飛んでいるとも表現できるのではないでしょうか。イメージとしては、書き手はそのストーリー(世界)の神様になることができます。そんな西尾ワールドを紐解いていくと幾つかの共通点を発見しました。

(1)数学的思考や知識の幅

作家さんは基本文系だろう、なんて思いますし、実際文系と理系なんて区別をするのは高校までで十分なのでしょうが、西尾先生はどうやら数学もお好きなようだと感じました。物語シリーズの暦・老倉が数学マニアであり、オイラーの公式等々が登場したように、数学的要素が本作にも散見されました。僕の高校の教師が、真の文系は数学もできる奴なんて言っていましたが、そうゆう意味では西尾維新は真の文系なのかも知れません。あぁ、素晴らしや。

(2)知っていることと知らないこと 

戯事シリーズと物語シリーズしか読んでいないので、大きなことは言えませんが「なんでも知っている人」や「何にも知らない人」等々が、どうやら西尾作品では出てきます。それは例えば、物語なら専門家・臥煙さん、本作では占い師・姫菜さんです。そして基本、主人公は「何にも知らない」部類に属されます。哲学者ですし、長くなるので割愛させていただきますが、彼女らがいることで、なんでも見透かしてしまうお姐さんの存在が物語を面白くしていることは間違いないでしょう。

戯言という名のおまけ

本作は先述のとおり西尾維新デビュー作のため少しばかり古いですが、非常に物語として面白く、当時京都で大学生だった西尾先生と自分を重ねながら読んでいました。例えば、中立売通が〇〇みたいなことが書いてあった時は、親近感が湧きましたね(笑)

実は、クビキリサイクルはアニメ化もしているようなのですが、残念なことにNetflix等のサブスク系はおろかレンタルもされていないようです。ブルーレイ又はDVDを購入しようかどうか僕は非常に迷っています、との文字通り戯言でした(笑)





この記事が参加している募集

読書感想文

いただいたお捻りは一人暮らしの生活費に使わせていただきます(^^)泣笑 本当にありがとうございます! Kiitos paljon. Thank you. เพิ่ตั้งครับ. Teşekkürler ederim.