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絆を紡ぐリーダーシップ

 かつて、私はリーダーとして何度も部署を変遷し、その度に新たな挑戦に直面してきました。最も記憶に残るのは、意思疎通の不足に苦しむ部署を引き受けた時のことです。そこでは、問題が頻発し、多くのスタッフがその日に何をすべきかさえ理解していませんでした。
 私が取り組んだのは、シンプルながらも革新的なアプローチでした。雑談と笑い話を促し、部下たちとの間に信頼を築くことに全力を尽くしました。20名の部下全員の誕生日を記録し、彼らの好みを考慮したプレゼントを選び、家族のような絆を育みました。それは高価なものではありませんでしたが、心からの感謝と愛情を込めた贈り物でした。
 3年間の努力の結果、部署内の意思疎通の問題は見事に解決しました。私は和気あいあいとした雰囲気を好む人間ではありませんが、それが問題解決の鍵となるのであれば、それで良いと思いました。批判もありました。仲良しの集まりが本当のチームとは言えない、と。しかし、私は競争ではなく、協力によって高みを目指すチームを望んでいました。
 正解か間違いかはわかりません。しかし、私たちのチームワークが強くなったことだけは、確かに感じられました。絆は、単なる成果を超えたものであり、互いに支え合い、一緒に成長することの真価を教えてくれました。
 そして、ある日、私は深く実感しました。真のチームとは、単に仕事をこなす集まりではなく、共に苦楽を分かち合い、お互いを高め合う家族のような存在なのだと。それは、ひとりひとりが自らの役割を全うし、お互いの成功を心から願う場所。そこには、無限の可能性と、深い愛情が存在していました。
 私たちの物語は、人々が真に繋がることの力を証明するものです。それは、目に見える成果を超え、心に残る、温かい光を放ちます。人と人との間に橋を架けること、それが私たちが共に築いた最大の成果であり、最高の報酬です。


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