大学受験の変革

 今の世の中、普通科高校生の6割強が大学に進学しています。しかし、大学受験業界において最難関とされている旧帝国大学(東京大学、京都大学、大阪大学、名古屋大学、東北大学、北海道大学、九州大学)+早慶(早稲田大学、慶應義塾大学)に入学する人の多くは限られた進学校出身となっています。そしてこれらの進学校は大都市の私立中高一貫となっていることが多いため、実際には中学校入学時点で進学する大学はおおまかに決まってしまうと言っても過言ではありません。では、地方出身の公立高校生には難関大学合格の未来を見させてはもらえないのでしょうか。
 この問いに対して、現在の状況は決して向かい風ではありません。その理由は大きく2つあります。
 1つ目は、情報化社会の現代において自分たちが必要とする情報に簡単にアクセスできるようになったからです。以前の大学受験では、受験実績のある名門校に過去の知恵が蓄積していて勉強方法や受験方法を知ることができる。一方で就職が一般的な地方公立高校では今までに難関校に受験した人の経験談がないため先生もよく大学受験について知らないということが多々ありました。しかし、現在はYoutubeやSNS等で勉強方法や対策の立て方について多くの情報が掲載されています。それにより、大都会に住んでいようが辺境の地に住んでいようがネット回線さえあれば必要な情報にアクセスできるようになっています。
 2つ目は、大学受験用参考書が豊富にあることです。従来の大学受験では、「大学受験=予備校に行く」という考え方が根強くありました。実際に、大手の予備校では実績のある講師陣による多くの授業が受講できます。しかし、その多くは校舎を持って行っているため予備校のない地域は長い通学時間をかけて行くか、行かないという判断をせざるを得ません。では参考書はどうでしょう。通信販売を利用すればどのような場所に住んでいても参考書を手に入れることができます。ところが多くの人は思うはずです。「参考書なんかで本当に理解できるの?」と。東進衛星予備校を例に上げてみましょう。塾や予備校といえば先生が直接生徒に講義をする対面授業が主流だったとき、録画した授業動画を全国各地に配信するという革命的な授業スタイルを確立したのが東進衛星予備校でした。しかし革命に批判はつきものです。「動画を見るだけなんて授業じゃない」「わからなかったらどう解決するの?」「こんなやり方で成績が上がるはずない」という声が多くありましたが、それでも多くの合格実績を叩き出しています。参考書学習も今まさに大学受験業界に新しい風を吹かせようとしています。
 情報化社会の進展と参考書の発達によって、もはやどこに住んでいるかやどのような高校似通っているかは関係なくなってきています。大学受験は本来その人の能力や努力量によって結果が決まるべきなので、それら以外の要因が限りなく排除されることは良いことです。この状況が加速し、誰でも公平に大学受験ができることを望んでいます。
 

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