【デザイナーの学び】“円山動物園ヘビ遠足”が驚きと気付きの連続だった話
新しい年が始まった1月某日、社内のデザイナー有志が集まり円山動物園(札幌)へ行ってきました。
「来年の干支であるヘビの生態を知ってデザイン制作に活かそう」ということで、昨年末に突如社内チャットであるslackの #自由掲示板 で呼びかけがあったこの企画。発起人のデザイナー チャパの計らいによって、なんと動物園のガイドボランティアさんが特別に案内をしてくれることに。(※ボランティアガイドは通常平日のみの開催です)
ヘビの生態を豪華なガイドつきで知れるまたとない機会に、お子さんを含めた社内スタッフ15名が参加してきました!
『円山動物園へび遠足』と題したこの企画に参加したデザイナー2名に詳しい話を聞いてみると、とても有意義で学びが多い時間だったことがわかりました。
今回話を聞いたのはこちらの2人。
【サヨエル】
グラフィックデザイナー。ソルトで干支のデザイン制作をするのは今年で9年目。好きな動物はネコ。
【マチネ】
グラフィックデザイナー。ソルト入社1年目。奇遇にも前職は動物園の職員(デザイナー)。好きな動物はエゾシカ。
当日の流れ
①現地集合・移動
当日は少し早めに正門に集合。円山動物園までは歩いてくる人、バスで来る人、車で来る人さまざま。全員揃ったらガイドボランティアの方が待つ《は虫類・両生類館》へ向かいます。
②ガイドボランティアさんのレクチャーを受ける
待ち合わせの場所まで行くと、6名ものガイドボランティアさんがスタンバイしていらっしゃました。参加者15名に対してなんとも贅沢…!
まずは資料や模型を見ながらヘビについての説明を受けます。普段は出すことがないという貴重な資料や説明用アイテムを用意してくださっていて、とてもわかりやすく興味深いお話ばかり。
一方的に説明を聞くのではなくクイズ形式による進行だったので、ヘビの生態への理解が深まることはもちろんとても楽しい時間になりました。
③ガイドさんの案内で《は虫類・両生類館》を見学
説明を聞いた後は3グループに分かれて館内をぐるりと一周。体の特徴やヒミツを知ってから実際にヘビを目にするので、1匹に対してじっくりと時間をかけて観察したくなります。体の部位一つ一つにも意味があって、生き物ってすごい!面白い!と思うことがたくさんでした。
怖いだの可愛くないだのいわれがちなヘビに、親近感や愛おしささえ感じるひとときになりました。
④おまけの動物見学・解散
ガイドさんによる案内は《は虫類・両生類館》のみの予定でしたが、ご厚意で“この時期オススメの動物”を案内していただけることに!国内では北海道のみに生息するエゾユキウサギとエゾタヌキを見学しました。どちらもこの時期ふわふわの毛皮を身に纏っていて真っ白な雪景色がよく似合います。
可愛い小動物たちに癒されて、これにてヘビ遠足は終了。円山動物園には他にもたくさんの動物(その数145種753点 ※R5.12末時点)がいるので、解散後も自由に見学して回った参加者が多かったようです。
ヘビについて学んだことや気づき
ーーー印象に残ったお話や新たな発見を教えてください。
マチネ:ヘビは前進しかできないという体の作りに驚きました。お腹の鱗が引っかかるから後退はできないそうです。くねくねと自在に動いているのに実は前にしか進んでいないっていうのが凄いですよね。前進あるのみのポジティブなイメージが、年賀状にぴったりだなって思いました。
サヨエル:体の内部構造まで細かく教えていただいたので、実際のヘビを見学する時も「こういう体の作りだからこんな動きをするんだ」と今までと違う視点で見ることができました。
特に印象に残っているのは、毒の有無と体長が関係しているというお話。毒を持たないヘビは、獲物を仕留めたら巻き付いて締め付けることができるように体長が長くなっているんです。逆に毒を持ったヘビは締め付けの必要がないから体長が短いそう。なるほどな〜ってすごく勉強になりました!
マチネ:そのお話は実際に模型を見ながら説明していただきました。体が長いのは、蛇行(体をくねらせる)して早く移動できるようということもあるそうです。体の形状や仕組みには全て意味があって、ヘビを知れば知るほど奥深く強い生き物だと感じました。
サヨエル:写真を見たり自分で軽く調べたりするだけではわからないようなヘビの特徴をガイドボランティアさんの説明で知ることができました。知識の定着度が格段にUPした気がします。ヘビってどうしても“こわい”とか“気持ち悪い”みたいなイメージを持たれがちですが、生きていくためにそういう体のつくりや特徴になったと知るだけでも、全然イメージが変わるなと今回とても感じました。
デザイン制作に活かせそうなこと
ーーー来年は巳年。今回の学びを年賀状デザインの制作に活かせそうですか?
マチネ:すごく活かせそうです!いろんなテイストでヘビを描いていかないといけないので、可愛いデフォルメのヘビを描くにしても知識があるのとないとでは全然違う絵になると思います。生態以外でも今回知ったことがいくつかあって、頭の中で「このモチーフはいけそうだな」っていうものもありました。
サヨエル:今回「へーそうなんだ!!」ということをたくさん教えていただきました。ヘビを描くうえで、まぶたの有無や口・歯のつくりといった体の構造はとても参考になるしアイデアの幅も広がりそうです。また、しめ縄のモチーフになっていたり、神様として祀っていたり、ヘビが年賀状やお正月との関連があることも知れたのでグラフィックに取り入れていきたいですね。
マチネ:話を聞いた後に自分でも少し調べてみたのですが、鏡餅はヘビがトグロを巻いた姿を模しているともいわれているみたいです。ヘビと縁起物は相性が良さそうなので、それを表現できたらいいなと思います。正直巳年のデザイン制作は大変だなぁと不安だったのですが、デザイン制作が一気に楽しみになりました!
サヨエル:干支の中でもヘビや辰は鬼門といわれることが多いんですよね。可愛くないから売れないとかって…。でも去年の辰年デザインの売れ筋を見てみると案外そうでもなくて、人気デザインの中にはポップな龍モチーフもありました。つまり、デザイン次第でポジティブな印象を与えることができ、「このデザインならヘビの入った年賀状にしよう」とお客さんに選んでいただくことにも繋がります。今回得たヘビの知識をうまくグラフィックに取り入れて、選んでもらえるデザインを生み出していきたいです。
今回のような取り組みについて
ーーー全体を通して今回の企画の感想をお聞かせください。
マチネ:自分で調べるだけでは得られない知識ばかりで、参加して本当によかったです。ガイドボランティアの方々の、ヘビの魅力を伝える熱量や生き物への愛情を強く感じました。貴重な時間をいただいたこともあり、今回の学びをひとつでも多く業務に活かしたいですね。あと、私自身もヘビへの愛着が湧きました♪
サヨエル:シンプルにとても良い企画だったと思います。単に動物園にヘビを見にいくのではなく、ボランティアガイド付き だったのが最大のポイントだと感じます。聞いた話にさらに質問することで理解が深まるし、限られた時間で集中して学ぶことでグタグタにならなかったのもよかったです。企画してくれたチャパにはとても感謝しています。今回のような、普段の仕事につながる体験やワークショップは今後もデザインチームとして積極的に行っていきたいです。次は私も企画します!
おわりに
『円山動物園へび遠足』では、ヘビの生態を学ぶことはもちろん、情報を自分たちで掴みにいくことの大切さや、インプット量を増やすことで視野が格段に広がることに改めて気付かされた参加者たち。
なんでもインターネットで調べればわかる時代だからこそ、手間や時間をかけて得た知識や直接見て聞いて得た情報はしっかりと自分の頭の中に蓄積されます。アイデアの引き出しを増やすためには、個々の琴線に触れる体験を増やすことが大事なのかもしれませんね。
今回の学びをこれから始まる巳年デザインの制作に存分に活かしていってほしいですね。
来年の年賀状デザインの公開をお楽しみに!
(巳年の年賀状サイトの公開は2024年10月上旬を予定しています。)
最後に、今回私たちの依頼に快く応じてくださりご協力いただいた円山動物園の皆さま・ガイドボランティアの皆さまに心より感謝を申し上げます。この度はありがとうございました。
〜おまけ〜
今回、デザイナーの参加者が大半でしたが、社内随一の“爬虫類好き女子”も参加していたので、ちらっと感想を聞いてみました。
【ミヤマ】ソルト入社1年目のマーケター。フトアゴヒゲトカゲの「たま」を飼っている無類の爬虫類好き。
ーーー今回参加してみてどうでしたか?
ミヤマ:トカゲを飼っている身として、ヘビの先祖がトカゲだったことがびっくりでした。ヘビの強くてたくましい歴史と生態を知れてとても楽しかったです!ますますヘビや他の爬虫類への愛が増しちゃいました!!
デザイナーさんによって受け取り方や表現方法が違うと思うので、形になるのがとても楽しみです。私が所属する販促チームでは、ユーザーの使い方目線でデザインを紹介することが多いですが、デザイナー視点でデザインを紹介したり深掘りしたりする販促企画ができたらいいなとも思いました。
ミヤマ:…それにしてもヘビって可愛いんですよね〜♡ヘビの魅力はやっぱり筋力ですかね。そんな体勢にもなれるの?!と驚かされます。ヘビにしかできない浮遊感、見ていて飽きないです。それとやっぱり私はまんまる黒目のヘビが好みかなぁ。
(もっともっと熱く語ってくれたのですがこのあたりで…)