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普通の人が米国で暮らすコツ その3 ~政治が合わないとこはやめとけ~

前回、ハワイに1年ちょっと住んでから出た話をしました。

元々いたボストンに戻る前に、無職のまま、少し他の土地も見ようとなりました。もし気に入ったらそこに住めばいいじゃないか。

若いっていいですな。

(脳内でミー&ボビー・マギー流れる)

で。

行きついたのはサンフランシスコ。

知り合いがルームメイト探してるってさ。結婚しているのにルームメイトと暮らすというね。笑
しかも住んだ場所は、オークランドのクッキー工場を「アーティストロフト」として貸しているところでした。今でこそオシャレな感じに聞こえるでしょうが、昔のオークランドですよ…。

死ぬかと思った!笑

ロフトはほぼ工場のまんま。ギャングもウロウロしていて、その辺に一晩路駐なんかしたら車盗まれる。注射器とかあちこち落ちてる。夕方過ぎたら外を歩けない。泥棒をウッカリ見てしまって、それに気づいた泥棒に声を掛けられた時には、聞こえないフリしてそそくさと角を曲がり、そこから猛ダッシュで隠れて難を逃れた。撃たれると思った。

そうそうそこで数か月、就職活動もしましたけれど、911の後、しかも1回目のITバブルが弾けたばっかりの頃で、ベイエリアはあんまりいい雰囲気ではなかったんです。今思えばあの時にあの辺の不動産買っていたら今頃…ですが、当時は当然金も無し!笑

ルームメイトはそれでも自分で起業をしようと頑張っている女性でね。

無茶苦茶な生活に聞こえると思いますが、そのロフトにはそんな人たちが集まっていて刺激的ではあったんです。ベイエリアらしいなあと思う事は多かったです。

私は「意識高い系」っていい事だと思うんですよ。

でも自分で調べて考えて刺激し合う意識高い系と、ファッション意識高い系といるじゃんよ。どっちかというと後者が多い印象でした。本人たちはたぶん気が付いていない。そんでそういう人同士で「ネットワーク」づくりに励むもんだから独特の世界観があって入れない。

私は意識低いんじゃ!ほっといてくれよ!

家賃が払えなくなってきているのにグルメ気取るルームメイト1
ベジタリアンをナンパしようとするルームメイト2

独特の世界についていけない。

で、まあ皆さんもご存知の通り、カリフォルニアは全体的に政治がメンドクサイ地域です。リベラルの押し売りみたいな。合っている人には合っているんでしょうがね。これは2001年頃の話なんで、まだこれでも普通の人が住めてた状態でしたが、今は生活費の高騰と、様々な規制だの税金だので企業までカリフォルニアから脱出しているでしょ?土地のカルチャーだからね。こういうのはなかなか変わらないと思います。

そう。ハワイだろうが日本だろうがそういう事です。
完璧な世界はどこにもありませんが、自分に合わないカルチャー、思想、価値観が政治に反映されている土地にいても、ずっとモヤモヤするだけ。
大人として元気に動けるのなんてたったの何十年間の短い話ですから、できるだけ自分が気持ちよく住めるところに行った方がいいです。

また土木や環境の観点からすると、カリフォルニアもあまり住むのに良くない土地です。サクラメントは洪水問題がある一方、他は水不足と山火事だらけ。昔ながらの街並みでは無く、同じようなスプロウル拡げた都市づくり。それでも気候がいい、寒いとこ嫌とかそんな理由で決める人もいるからね…。そんな人に限って洪水や山火事が起こるところに住んじゃう。脱出しても、また水不足のテキサスのスプロウルとかに行っちゃう。意識高いな。ウン。

この経験の後、ボストンがやっぱり合っていると確信しました。

ボストンは実は意地悪で有名な都市なんですが(笑)、これを良く取れば「程よく冷たい」んです。たぶんニューヨーク辺も同じだと思いますが、境界線がある多様性って感じかな。無理に仲良くならない、しようともしない。色んなのがそのまま共存している感じ。

若者や大学が多い都市部は「リベラル」な風潮はあるけれど、カリフォルニアの感じとはちょっと違う。意外と保守的な若者も多いし、郊外に出ればかなり保守。でも外国人ヘイト的な保守ではなく、アメリカ建国の意識の名残りというか、古いものを大切にしつつもプログレッシブで、バランスを保ちながら「自由」を追い求める文化。東京生まれ、東京&埼玉育ちの私には、こんな感じのとこの方が住みやすいです。

これでいてニューヨーク市やベイエリアに比べたらずっと安いです。古き良き街並みも多く残る郊外で古家に住めば、普通の人が普通の仕事して暮らせます。森もたくさん、あまりスプロウル化していない、災害は少な目、水不足も聞かないです。冬は寒いけれど中西部と較べたら温暖です。ニューイングランド地方全体が、教育レベルも高めで治安もまあまあでどこも住みやすいと思います。

つまりボッチ好きで真面目な変人が住みやすい。

夫の出身地ですが、なんだかんだ自分にピッタリでした。

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