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ミームという言葉を作った人が無神論者な話

電子図書館アプリでオーディオブックを借りて、自分で買う気は無いけれど何となく気になる本を通勤中に聴き、現代を考えるシリーズ第3弾!

第1弾は、ミチオ・カク氏、第2弾はスティーヴン・ホーキング氏と理論物理学者の本でしたが、今回は進化生物学者、動物行動学者のリチャード・ドーキンス氏の本です。

本当は彼の一番有名な著書『利己的な遺伝子(The Selfish Gene)』を読みたかったんですよ。

この方が作ったんです。「ミーム」という言葉と概念を。
1976年出版の本で。
そう。これは単なるネット用語じゃないんですよ。

人が次世代に残しているのは遺伝子だけではない。
ミーム(meme)もだと。

ドーキンスのミームの定義によると、文化は人の脳から脳へと伝達されるミームからできており、ミームは文化の原子のようなものである。遺伝子は精子と卵子を通じて広まるが、ミームは脳を通じて広まる。したがって、より多くの脳に広まったミームが文化形成に大きく関与していることになる。

Wikipedia

残念ながら、アプリに見つからなかったので、代わりに「A Macat Analysis of Richard Dawkins' The Selfish Gene」というこの本の内容と当時の批判、評価、現在に至るまでをまとめた本を聴きました。なのでだいたい流れが掴めました。

そして次に読んだ同じリチャード・ドーキンス氏の本がこれ!

The God Delusion

そう。ズバリ言ったんです。もちろん宗教家からは、物凄く批判されています。

私はいわゆるよくいる日本人、神仏まぜまぜ、クリスマスやって、初詣に行って、大乗仏教のお葬式って家で育っていますが、個人的には何のお参りもお祭りもしません。ウェディングもしていませんし、指輪も何もありません。日本にいる時は自分は「無宗教」という認識でしたが、海外に長い事住んだ挙句「無神論者」に近いと気が付きました。

よく「科学」も宗教みたいなもんじゃないか!

って言う人がいますよね。私もそう考えた事があります。
実際、科学者なんて世の中のごく少数ですし、多くは科学を利用しながらも普段は何にも考えずにいます。エンジニアだってそんなもんです。すでに知られた科学を社会に適用する仕事ですから。確かに宗教っぽさがあります。

しかし、科学はデータや法則を積み上げながら、間違っているかもしれないという前提で変わっていくものですし、私たちはその変化を受け入れますよね。科学は疑うもの設定、宗教は疑ってはいけない設定です。性質が異なるものです。

この本では、ドーキンス氏は科学者として、さまざまな例を挙げながら宗教の問題点を指摘していくのですが、イギリス人ですので一神教者に向けての解説中心となり、聖書の引用が多かったりします。私にはチンプンカンプンな部分もありましたし、ここまで砕いて説明しないといけないのか…みたいな驚きもありました。

言いたい事はわかったのですが、読書感想としては、この本はイマイチでした。ちょっと攻撃的すぎるかな。

動物学者としての見解やミーム論からの宗教観の辺は面白かったのですが、その他はちょっと飽きてしまいました。
ミーム論の人がやたらとシェイクスピア引用するのも個人的には引きました。(実は昔結構読んだのですが、割と俗っぽいと思ってます。笑)

彼個人が、子供の時に当たり前のように英国国教会の環境で育ち、その後、色々と気が付いちゃってここに至る、みたいな人なので、私には想像もできないような強い想いがあるのだろうというのは感じました。

さて次はオーディオブックならではの感想です。この本は、男女の2声で朗読されます。男性はドーキンス氏の解説部分、女性の方はセリフや引用の部分を朗読します。この女性の朗読が役者のような「クイーンズ・イングリッシュ」です。それこそシェイクスピアの演劇聴いているような。

微妙にうざかったです。(ひどい。笑)

私は米国住まいですが、もう長いので英国人だろうが、オーストラリア人だろうが、インド人だろうが、ランダムな移民の訛りだろうが、割となんでも聞けるとこまで来てはいますけれどね。この本はクセありすぎ。

そして気が付きました。飽きてきた時に、この英国英語の朗読スピードを110%に上げたら、なぜか聞きやすくなりました。この辺(ボストン)の英語に近くなったってことだろうか?

科学的発見!
あ、いや、神様のおかげかもしれない。

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