見出し画像

音楽大学卒業後の“生き方”について|音大卒の20代に30代として伝えたいこと

例年1月〜3月のこの時期、各音楽大学での卒業演奏会等も終わり、いよいよ卒業後の進路について考える方も多くなっていることでしょう。

この記事を書いている私自身も音大卒業後の進路を考え始めたのはこの時期で、幸い運よく私立の学校に非常勤講師として勤務することができ、自身の演奏活動等と並行。

そして、卒業から約10年経った今では、学校勤務を辞めて演奏団体を代表したり、サロン・ダールという音楽家サポート事業を展開するなど、音楽事業のみで生計を立てることができるようになりました。

大学院への進学、海外留学などなど音楽大学卒業後の進路は人それぞれですが、小さい頃から大学まで音楽に没頭してきた人なら「できることなら音楽で生きていきたい」と思っている人も少なくないのではないでしょうか。

しかし実際に「音楽大学 進路 相談」といったワードでインターネット検索をしてみても出てくるページの多くは「就職支援について」。

どこか「音楽を諦めて就職をしなさい」と言われているような気もしてしまいます。

もちろん就職しても立派に活躍している音大卒の先輩方も多くいらっしゃるわけですが、もし仮に一般企業に就職することが最初から人生の目的だったのなら、「音楽大学への進学」という選択自体も、高校時代に遡って考えてみた方が良いようにも思います。

この記事では「同じ音楽大学卒業をした少し先の先輩」として、これから音楽大学卒業する学生さんたちにとって何か役に立てることはないか?

という想いを書いています。

この記事を読んでほしい人

・音楽大学卒業後の進路について悩んでいる
・クラシック音楽に関わって生きていきたい
・演奏活動を続けられるライフスタイルを確立したい

私たちは大学の進路窓口のように一般企業への就職を斡旋するといったいわゆる「安定」を提供することはできません。

あくまでも音楽家を音楽家目線で支援することが目的ですので、興味のある人は最後まで読んでみてください。


音大卒業後これまでにできるようになったこと

まずは改めて私自身が音楽大学を卒業してから約10年間の間にできるようになったことを書き出してみます。

・音楽団体を運営して小規模ながら年間700万円の売り上げが上がるまでの団体に成長させる

・ピアノ教室を東京都内に開業。縁もゆかりもない地で1からスタートし開始1年で黒字化、現在では講師一人あたり40名の生徒さんがいる教室に成長

・音楽家のための会員制サロン Salon d'Art サロン・ダールを立ち上げライブ配信やコンサートマネジメントといった音楽家支援を行い、ライブ配信事業は2年間ですでに150公演近くを実施

と、こう書いていくとなんとなく雑多な印象ですが、どの事業も根っこにあるのは「一人でも多くの音楽家が音楽を通して生きていくことができるように」という想いで、それは今もこれからも変わりません。(もちろんこれ以外にも、自身の演奏活動やレッスン活動といった音楽活動も並行しています。)

最初は右も左も分からない中でただひたすらにむしゃらにやっていた感もありますが、今ではおかげさまで少しは周りにいる音楽家たちを支えることができるようになったのかなと思います。

ちなみに次の「目標」も決めているのですが、それについてはSalon d'Art会員(月額500円)対象のオンラインサロン内でのみ詳しく話していますのでもし興味ございましたらそちらも覗いてみてください。

さて、それではここで実際に音大卒業生にとって必要なことについてお話ししたいと思います。

音大卒業後のポイント①地盤を固める

卒業後まず考えなければならないことは「お金に縛られないようにする」です。いきなり当たり前のことを言ってますね笑

言うまでもないことですが、卒業=社会人1年目です。基本的に自分の生活基盤は自分で整えなければなりません。

ここで多くの「音楽を続けたい卒業生」は、アルバイトという選択肢を選ぶわけですが、学生のうちならまだしも卒業して生計を立てるという意味では、アルバイトの時間効率は決して良くありません。

そして(よほど家庭が裕福だとかお金の心配がいらないという人を除けば)結果的に「お金のために働く」というサイクルが生まれてしまい、そのサイクルが一度生まれてしまうと、歳を重ねる中でなかなかそのサイクルから抜け出すことが難しくなってしまい、いわゆる

やりたかったことができない
やりたかったことを忘れてしまった

という状況、ひどい場合は音楽を諦めるという結果に陥ってしまいます。

そんなこと言ったって。。。と言う声が聞こえてきそうですが、ここで落ち着いて考えなければならないことがあります。

それが、

アルバイトをするとしても、それと並行して「アルバイトを辞めることができる準備をしておく」

だとか、

時間効率の良い仕事を考える

といった見方。

そして、このいずれにも必要な考え方が「自分の強みを活かす」です。

もちろん人それぞれ強みは違いますが、この記事を読んでいるみなさんに共通しているのは「音楽大学を卒業した」ということ。

最近だと、下記のような書籍が出版されるなど音大卒をいかにキャリアに繋げるかという動きも強まっていますね。

この強みを活かした自分の基盤づくり、さらに言えばこの強みに加えた自分の強み(他の音大生と違うこと)まで掘り下げて考えていけると、卒業後もスピード感を持って地盤を固めることができるようになるはずです。

音大卒業後のポイント②自分がやりたいことを見極める

音大卒業後のポイント③その道の先を行く人に会いにいく

と続けていきたいと思いますが、文量がとんでもないことになってしまうので一度この記事はここで終わりにしたいと思います。


なぜこの記事を書いているのか?

最後に、なぜこの記事を書いているのか?についてお話ししておきたいと思います。

この記事を書いている一番理由、それは最初にも言った通り「音大卒業の学生さんの助けになりたい」なのですが、実はこの理由には裏の理由が3つ(も)あります笑

それが、

仲間を増やしたい
良い人材に出会いたい
③若い人の空気を入れたい

です。

①仲間を増やす

私たち音楽家のための会員制サロン Salon d'Art サロン・ダールは2021年の事業スタート以降、多くの事業展開を行うことができるようになりました。

コロナ禍にスタートした私たちの事業は、「どんな状況であっても音楽家が暮らしていける」ことを考えながら進めることになり、それには多様な(全国、世界中の)音楽家仲間の力が必要だと感じています。

そしてそれを実現していくのが「オンラインサロン」で、オンラインサロンでは日々私たちの活動であったり「音楽家にとって必要な情報」を2,000文字程度の文章としてお伝えしております。

おかげさまで現在では会員数も100名を超えましたが、その数つまり『①仲間を増やす』ことでさらに音楽家を支える基盤ができると考えていて、ゆくゆくはサロンの会費を若い音楽家のためにまとめて使う。そんな流れも生んでいけたらとも思っています。

②仲間を増やす

そして、私たちが現在行っている事業は

・会員向けコンテンツ(ブログ等)事業
・音楽スタジオ運営
・ライブ配信事業
・コンサート等収録事業
・コンサートマネジメント事業

と多岐に渡っており、各業務に必要なスタッフは関係者でもある音楽家仲間(皆一流の演奏家でもあります)を手配しながら行ってきました。

しかし、これは大変ありがたいことでもありますが、業務が拡大する中で「人手不足」に陥ることも増え、『②良い人材の確保』が必要になってきました。

私たちが必要とする人材に一番求めること、それが「音楽家の気持ちがわかる人」で、この条件を満たすのがまさにこの記事で取り上げている「音大卒業生」です。

③若い人の空気を入れたい

実はこれが一番今私たちが必要としていることかもしれません。

私たちサロン・ダールのスタッフはおよそ全員音大卒業し音楽家として、または各分野のプロフェッショナルとして活躍する30代です。

会社と思って見ればまだまだ若いのかもしれませんが、やはり今を生きる20代の気持ちがわかるかと言われれば正直なところ自信はありません。

私たちでさえ、年配の方々と仕事をしていると「ん?なんでこういう考えになるのだろう?」といった“価値観の相違”に悩まされることがあります。

それぞれの世代にはそれぞれの価値観があるわけですが、時代に乗り続けるためには間違いなく若い世代の価値観が必要になってきます。

そのためにも私たちは今若い人の空気を必要としています。

今春音楽大学を卒業するような今の20代が自分達目線で考えていること、価値観、生き方、人生設計、、、

そんな新しい風を取り入れていきたいと思っておりますので、もし私たちサロン・ダールの活動に興味ございましたらぜひ一度お問合せください。

(最終的にゴリゴリのリクルート情報になってしまいました。お許しください。)

私たちのお金に対する考え方の話

最後に少しだけお金の話をしておきます。(この内容は2021年1月13日のオンラインサロンで詳しく話しています)

私たちは先にもお話しした通り「音楽家が音楽家として生きていく」ことを応援しています。

なので、演奏する以外の仕事でお金を支払うことに関しては、非常にセンシティブに考えていて、いわゆる「安く使う」ということをしたくありません。

もちろん仕事を仕事としてきちんとこなしてくれる人材であることは前提ですが、例えばライブ配信事業のカメラマン業務でいえば

1回12,000円(時給換算2,500円以上)

程度で最低でも考えています。

それはその人の「音楽家である強み」を評価しているからこそで、逆に言えばその強みを遺憾なく発揮してほしいとも思っていますし、これがあなたにとっての時間効率の良い仕事であって欲しいとも思います。

さいごに〜音大卒の20代に30代が伝えたいこと〜

音楽大学卒業を間近に控えたあなたは、さまざまな悩みや希望を持って社会に出ていこうとしているはずです。(#急な校長先生口調)

そんな皆さんに30代に突入した音大卒の先輩から言えることは、

20代の10年間が自分の基盤を作る大切な10年だということ。

そして、

30歳を機に音楽の道から離れる仲間もたくさんいるということ。

です。

今の時代、才能ある音楽家の人が必ずしも生き残れるかというと実際のところは決してそうではありません。音楽の才能があっても音楽で生きていくことを諦める人は少なくない人数います。

私たち音楽家のための会員制サロン Salon d'Art サロン・ダールは、そんな才能ある音楽家たちが一人でも多く社会で活躍できるように、そして結果的に音楽がもっと社会にとって身近にある。

そんな社会を皆さんと一緒に実現していきたいと活動をしています。

この記事が皆さんにとって少しでも「指針」になっていれば嬉しく思います。

そして、私たちと活動してみたい!少しでもそう感じてくれた方はぜひ一度(できれば自分は何ができるか、自分の強みを添えて)下記よりお問い合わせください。

音楽家を幸福にすることで音楽家の力を最大にし、音楽家の力で社会を幸福にする〜Salon d’Art〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?