痛みの原因(内臓編)
前回の記事では運動パターンによる身体的なストレスについてお話ししていきました。今回は内臓からくる身体の痛みについてです。内臓による身体の痛みについては内臓から直接的に症状を出すというよりも間接的に症状を出すことが多いです(直接症状が出ている場合は内臓自体の症状が進行していることが多いように思われます)。
内臓による身体の痛みの要因
内臓による身体の痛みの要因として、今回は4つに分けて紹介していきます。①内臓の緊張による運動制限、②経絡に沿った運動制限、③自律神経の興奮による背骨の運動制限です。④内臓の関連筋の弱化による運動や姿勢パターンの変化です。
①内臓の緊張による運動制限
内臓の緊張とは、内臓の使い過ぎによる疲労によって起こります。筋肉を使いすぎると筋肉痛になるのをイメージしてみてください。内臓も基本的には筋肉で使いすぎると疲労を起こします。少し例をあげると、胃であれば食べ過ぎたり、肝臓や腎臓であればアルコール・添加物・薬などの摂り過ぎ、小腸であれば小麦や砂糖の摂り過ぎ、大腸であれば水分不足や便秘など内臓にはそれぞれの働きがあり使い過ぎは内臓疲労のもとになります。
内臓の緊張による影響は2つあります。
1つ目が、内臓を使い過ぎることで内臓は緊張し、内臓が緊張することでその部分の動きが制限を受けます。制限を受けることで、前回までお話ししていた動きづらい部分ができ、動きすぎる部分ができます。その結果、動き過ぎた部分にストレスがかかり痛みが出現します。一例をあげると肝臓の緊張は身体を捻る動きを制限して、首や膝が過剰に捻れて首や膝に使い過ぎにより痛みを生じたりします。
2つ目が、人間の身体には全身を覆うように膜が張りめぐらされています。その膜を筋膜や内臓膜といったりします。その膜は全身タイツのような状態なため、一部分を引っ張ると全身がそこに集まるように引っ張られます。内臓の周囲には内臓膜という膜があり、筋肉の周りには筋膜という膜があります。その二つの膜は名前は違いますが繋がっています。そのため、内臓が緊張するということは内臓膜が緊張すること同じで、緊張した内臓に全身の膜が引っ張られていきます。それが運動制限となり、動きやすい部分と動きづらい部分が生まれてきます。また、同様に動きやすい部分にストレスが生じて痛みとなります。よくあるパターンとしては、肝臓の緊張があると右腕を上げにくくなったり(肝臓は身体の右側にあります)、胃が緊張すると左の腕が上げにくくなったりします。
このように、内臓の緊張が全身の動きを制限する可能性があります。
②経絡に沿った運動制限
少し難しい話になるので簡単に書きます。東洋医学がテーマの時にもう少し詳しく書いていきたいと思います。
東洋医学では、五行論という概念があり、次の5つに分けることができます。
肝(胆)・心(小腸)・脾(胃)・肺(大腸)・腎(膀胱)
※西洋医学的な臓器とは全く同じではないので必ず当てはまる訳ではないので注意が必要です。
五行論では、それぞれに経絡と言ってエネルギーの流れが全身に流れています。内臓疲労を起こすことで、それぞれに当てはまる経絡のライン上で緊張を起こします。それが運動の制限となり、動きやすい部分と動きにくい部分が生まれストレスが生じて痛みとなることがあります。例としては、肝臓のラインは身体の前面を通るので後に身体を反らす動きを制限したり、腎臓のラインは身体の後を通るので前屈を制限したりします。
③自律神経の興奮による背骨の運動制限
自律神経は背中に存在し、内臓の働きを調整してくれています。しかし、内臓の疲労が起こると自律神経は興奮し背骨の周りの筋肉を緊張させてしまいます。そして、背骨の周りの筋肉が緊張することで背骨の動きを制限してしまいます。背骨の動きが制限されるとどうなるかというと、動くときに背骨以外の関節を代償的に動かします。それにより首・肩・股関節・膝など背骨以外の関節全てストレスをかけて、痛みを起こしやすくなります。
④内臓の関連筋の弱化による運動や姿勢パターンの変化
これもちょっと難しい話になるので簡単に書かせてもらいます。
内臓には異変があるとそれぞれ決まった筋肉に影響を出します。その筋肉のことを関連筋と言ったりします。特に内臓が疲労したり、弱っている時にその筋肉は力が出しにくくなります。その結果、力を出しにくくなった筋肉は過剰に収縮しなくてはいけなくなり、カチカチに緊張してしまいます。カチカチになった筋肉により運動が制限されてり、姿勢が変化したりします。それにより、使いすぎる部分と使っていない部分に分かれて、使い過ぎている部分から痛みが出てきます。(筋肉が過剰に凝りすぎると筋肉の関連痛というものあり、痛みや痺れを出すこともあります)。例としては、食べすぎで胃の疲労があり、関連筋である首の筋肉が凝り、首や肩甲骨が動かしにくくなるため、代わりに肩関節を過剰に動かします。その結果、肩の炎症を起こし痛みが出ることがあります。実は、このような状態が気がついていないだけで日常的によく起こっています。これ以上はマニアックになりすぎるので、この辺りも今後詳しく記事にしていきたいと思っています。
簡単にできる対策は?
簡単にできる対策としては、一つ目が内臓を疲れさせないことです!自分の身体の得意•不得意な食べ物を知り、食事に心がけることが大切です。
特にアルコールや食品添加物、砂糖、小麦粉などの食品の取り過ぎ、水分不足(1日1.5ℓ以上の水を取ること)、遅い時間の食事はあまりおすすめできません。
二つ目の対策としては適度な運動です。特に内臓は圧迫、捻り、伸長させることで血行が良くなり内臓の調子も改善しやすいです。
まとめ
内臓の状態はかなり身体へ影響を出しています。西洋医学の知識だけだと分かりづらい部分ですが、東洋医学的な考えや他の身体の知識を使って繋げていくと原因が見えてくることがたくさんあります。今ある痛みが内臓の影響があるのかもしれないと少しでも知るきっかけになっていただけたらと思います。
最後に
一般の方は、普段あまり意識することが少ないかもしれませんが内臓の機能は、身体にかなりの影響を起こしています。血液データ上は結果として出ていなくても、ちょっとした内臓の疲労は皆さんあります。今回あげた内臓の身体への影響はほんの一部ですが、今後もう少し詳しい記事を書いていきたいと思っています。興味のある方はぜひご連絡ください。
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