4月に読んだ本&一言感想(雑多に)
店舗派だったわたくしめもネット注文の波に乗り、ジャガイモや玉ねぎや洋服や電子書籍なんかをぽこぽこ注文しています。こないだ買ったワンピースは自力で着られるが脱げない代物。脱ぎかけのまま倒れたら確実に餓死するどころか、脱いでる途中で呼吸がしにくい。母親に脱がせて貰いました。良いところはデザインの素晴らしさしかないワンピースだが、見た目が良ければなんでも許せるのね、、、。ワンサイズ上を買うという選択をしました。the,課金。ホストに注ぎ込む気持ちがとっても理解できました。
それで、今までプリペイド式のクレジットカードを使っていたのですが、使えないサイトもままあり(noteは使えなかった)やっとこさ普通のクレジットカードを作成。色々買い物をして残金をアプリで確認すると、微塵も減っていないのだが!!?!、??。?!、!? どうやら引き落としというものが毎月20ウン日にあるというのです(知っとけ)。なるほど、てことは使い切っちゃったらマイナスになるの??? クレジットカード、なんて恐ろしいシステム……。
いくら残っているかわからないチキチキレースをしつつ本を買ったり積読を消化したりしています。読書記録に備えて頭良さそうな本を読むぞ!!と新訳の「武士道」「学問のすすめ」「般若心経」を買ったのですが全く手をつけていません。スミマセン……。
では今月も、10冊ちょっとお付き合いくださいませ!はじまりはじまり〜。
家族終了/酒井順子
自分が生まれ育った家族を「生育家族」、結婚などすることによってつくった家族を「創設家族」というらしい。ご両親とお兄様を亡くされた独身の著者にとって、「生育家族」も「創設家族」もいない。まさに家族終了。
養子までとっても家を継ぐという時代においては考えられなかったは家族終了ですが、元気な親御さんや兄弟姉妹がいる人にとっても「このまま自分が結婚しなければ……」と考えると結構身近に感じるかもしれない。いやはや私もですが……。
家族の枠が多様化した現代、「家族」が好きか嫌いか、欲しいか要らないかはさておき、一度立ち止まって家族について考えてみるのもなかなかオツなもんです。
もやしもん(1~13巻完結)/石川雅之
言わずもがなの有名作ですが、肉眼で菌が見える主人公が農大の仲間とわちゃわちゃしたり酒作ったり発酵させたりするお話です。みんなゴスロリ好きよね。
もやしもんコラボのアマビエビールがうちに届きました↓コレ
丸の内魔法少女ミラクリーナ/村田沙耶香
自分から怒りの感情がなくなってきているのかもしれない、と感じたのが3年前。怒りに近い悲しみや嫉妬やプライドといったモノは十分にあるのですが、怒りを抱くことのデメリットを考えてしまうと、これはどの感情より真っ先に過去の産物になってしまうのかもしれないと思ったのです。
短編5本はどれもが私たちのユートピアでありディストピアであるのだろう。一番最後の作品、ぜひ読んでみてください。
プシュケの涙/柴村仁
ライトノベル世代が大人になるのに合わせて、タッチは軽くもしっかりとした読み応えが魅力の文庫レーベルである「メディアワークス文庫」。
本作の初出展は電撃文庫(ラノベ)だが、その作品力からメディアワークス文庫、さらには出版王手の講談社文庫での展開もされた。すごいね!(現在Amazonでの取り扱いは講談社文庫のみ)
夏休み、同級生女子の自殺の謎を解明するために動き出したのは、少女が飛び降りる瞬間を目撃した榎戸川と、変人の由良。うだるような暑さと受験へのプレッシャーから、皆、日々押し潰されそうになっている。過ぎた者は皆、高三の苦労なんか微塵も憶えていないかのように、自分が乗り越えたんだから大したことないと言うように。
これは誰もが触れてこなかった、あの子の物語。
しくじらない飲み方 ~酒に逃げずに生きるには~/斉藤章佳
酒はドラッグだ!!この考え、どう思いますか?ドラッグという考えが社会的にまだまだ低い日本は、イヤなことやつらいことを酒で忘れる文化が根強い。浴びるように飲むって字面だけ見たらビールかけですよね……。
一時的な記憶の忘却はそのときのことを美化するので、ストレスの溜まる毎日の中で夜の飲酒だけが過剰に美化されていくといつのまにか酒にハマってしまっているのだろう。
本書の内容はアルコール依存度テストから最新の依存症治療プログラムまで。特に、一度アル中になったら治療は「断酒」しかないと言われていた今までのやり方に、新たな選択肢として「減酒」を提案する治療外来が紹介されており興味深かった。最新の「酒」本という感じで、近年爆発的ブームを巻き起こしているストロング系の話も盛り込みつつ、とてもとっつきやすい読み物となっている。
本書内のアルコール使用障害度テストを用いて、みんなもどれくらい酒好きかをチェックしてみよう!!
結婚/林真理子
いくえみ綾さんのイラストカバーで思わず表紙買い。7つの短編作品の中での彼女たちの在り方を見、自分の中に隠れていた結婚への意外なまでの興味や渇望を引き出されるようで、「結婚てこんなに力強いモノなのね……!」と感じる一冊。
失踪日記2 アル中病棟/吾妻ひでお
病気や自分の体験をポップに描くというのは、想像以上に難しいのである。そう考えるとホームレスや工事現場の労働や病棟入院をケロッと、まるで4コマのギャグ漫画のように描いてしまう吾妻ひでお氏のような作品というのは、他に類を見ないものすごいジャンルだと思うのだ。自伝というより、もはや「吾妻ひでお」という主人公が活躍するひとつの冒険記のようだ。
読み応え、ゆるさ、どうしようもなさ、愛らしさ、ヨシ!暇なアナタやワタシにうってつけの漫画。手にとってみては。
太宰を読んだ人が迷い込む場所/齋藤孝
太宰を知らない人ほどダメ人間という印象ばかりが強く、太宰好きな人は彼の才能に羨望し嫉妬し読み耽る、そして太宰と生活を共にした友人や家族たちは、、、案外ダメ人間という印象ばかりが強かったかもしれません。遺したたくさんの作品の偉大さに触れると、生き方としてのダメ人間を演じていたのかもしれない、と思わず考えてしまいます。
齋藤先生が太宰の著書から名文を抜粋し作品の魅力や解説をする一冊。作品の簡単なあらすじが載っており、この本を読了後どの作品を読もうかと考える余裕を持たせつつも、着々と太宰の世界に浸かる準備が進められているかのような感覚。
ハジの多い人生/岡田育
まえがきに「金メダリストでも大量殺人犯でも大統領でもない貴方の自伝に読者がいるのはなぜ?」と今の住まいNYで訊かれることがあるという。
いやはや、日本ではブログもTwitterもエッセイ本も、ありとあらゆる「普通の人」が自伝を日々更新していて、それが当たり前だと思っていたのだがNYでは違うのか。
が、エッセイは面白いから読むのであって、その人がスゴイ人だから読む、という感覚はあまり無い気がする。普通の人として生活し娯楽としてエッセイ本を消費する私と、エッセイを書きつつ普通の人として生活する作家。もちろん作家である方々と同じフィールドにいるとは表現し難いかもしれない。しかし、中心ではない端を攻める生き方をチョイスし、また決してスゴイ生き方をしている訳ではない「普通」という共通項を持つからこそ、エッセイというのはこんなにも私たちの生活に馴染むのであろう。
日本人はもうセックスしなくなるのかもしれない/湯山玲子、二村ヒトシ
少し表現は荒っぽいかもしれないが、日本人はセックスが「お勤め」から「楽しむ」に存在意義が変わり始めてから、急激にしなくなったと思う。
私たちは必死に生きる必要がなった途端、生きる意義を探すように、意義を疑うとなにかとグジグジ必要性を考えてしまうような生物なのだ。考えると面倒くさくなって、結果恋愛や友人すらいらないやと思ったりして。
大人たるもの、自分の根底にある生物的な感情や欲望を隠していかないといけない、というような漠然とした雰囲気に乗っかって日々過ごしている。
本書を読むときにはその障壁を一旦外して、セックスやAVの歴史を振り返ってみようじゃないか。
脳はみんな病んでいる/池谷裕二・中村うさぎ
脳科学の最新事情がポンポン登場しまたそれがどれも抜群にオモシロくて興味深い。巻末に出典元の論文(参考文献)が紹介されているのでどれか読んでみるか~!と思ったら全て英語で書かれており撃沈。いいとこ取りの本書を読みつつ脳に想いを馳せたいと思う🧠
おしゃれと無縁に生きる/村上龍
イケてるメンズ雑誌に載ってるストールやらボルドー色のパンツやらを使ったイタリア人コーデなんかパチモンで、本当はものすごく保守的な格好(いわゆる無地シャツとパンツ)をする人種、らしい。へぇ~!
捻くれていると言われればそれまでだが、社会をナナメから眺めてエッセイを書く作家の中で、彼ほどの冷静で真っ直ぐな眼の持ち主はそういないだろう。
絶望の国の幸福な若者たち/古市憲寿
数ヶ月に一章のペースで読んでいたので、読み切るのに一年近くかかったんじゃないか。対費用が抜群のお得な本と言えよう。
脚注は本文の下段にスペースを、単行本発行時から変わったことがあればそこもちゃんと脚注、追加に。膨大なデータや読書量から考える冷静沈着な古市氏のアタマだが、時折りズレた発言から人間臭さを感じたりしなかなか面白い!まあそのズレというのも、ユーモアを交える古市氏の世渡り術に我々がまんまと踊らされているだけのような気もするが……
Kindleの還元セールで半額分のポイントが戻ってくるらしい。500円しない社会学の本ってなんだよ!(褒め言葉)
持ってるけど買っちゃうしかない。↓
鳥肉以上、鳥学未満。/川上和人
大ヒット作『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』を家族が持っているはずだと思って借りたら、これだった。まあ鶏肉の話なら美味しそうだしいいだろうと思い読む。メインは鳥肉だが、わりと著者はどの部位も食っているので鶏肉とも言えよう(鶏肉はニワトリのみ指すのか?)。
夕食を10分で完成させる平野レミ並の手際と雑さを誇る私は、鳥肉初心者である。モモ肉しか使ったことない。ということで一念発起、手羽中を買って料理。美味しかったが手羽中はなかなかに初心者向けの優しい調理法の部位だという。なんということだ……。次の挑戦者はささみ。
結婚疲労宴/酒井順子
なんと20年以上前のエッセイなので、「今風のシンプルな結婚をする人たちも写真館で結婚写真だけは撮る」との記述にエッ?!?!!といちいち驚いたり、かと思えば今も昔も結婚のめんどくさい部分はなにも変わらなかったり。
結婚雑誌を読みたいから結婚したい!という考えを強く推していきたい。めちゃくちゃわかる。
でも結婚について考えるのは面倒くさくも、なかなかオモシロイのかもしれない。ま、周りで見ているだけで充分なのかもしれないけど!
少子/酒井順子
さて結婚エッセイの次は出産エッセイである。
とはいえ出産適齢期だが特に子供を産む予定や希望はない著者が、日々溜めているフツフツとした怒りのパッションを正論で発散させているようななかなか尖った作品である。
人生や社会とは煮え切らないことばっかで、「とはいえ少子化だし」「とはいえ産みたくないし」はどちらも正論である。今のご自身の立場から、本当の本当に正直なところを語る<核心>を掴んだ本作は、歪んだ嫌味の数々で疲弊した誰かの支えにきっとなることだろう。
バカが全裸でやってくる/入間人間
才能があるのかないのかわからない、が、大賞受賞を目指してひたすら小説執筆。寝る間も惜しんで執筆、当然学校も食事も交友も削って削って削りまくる。だが、そんな平凡な人がひたすら自制し自己と向き合って書いた完璧なコンディションの小説より、バタバタと不可解なトラブルに巻き込まれて日々汲々としながら書いた荒っぽい小説の方が、なんだか面白そうじゃないか?
冴えない作家志望の僕の元に、全裸のバカやってくる。僕の生活に居座られて迷惑で今すぐいなくなって欲しい。でも案外執筆意欲が湧いてきたり。このバカは一体何者だ?
それでも、逃げない/三浦瑠麗・乙武洋匡
ストイックなお2人だからこそ、社会より自分から「逃げない」という印象を強く受けた(私だったらイヤな自分や周りの面にそこまで向き合えず音ゲー始めたりなんかして現実逃避することだろう)。テレビやSNSなどメディアで見たことのある人がどんな感情を抱いているかはわからないが、それぞれの生活で沢山のことに向き合った2人の対談はなかなか興味深いものでした。
潜熱(1〜3巻完結)/野田彩子
誰にもいえないからこそ、余計に惹かれるのだと思う。バイト先の客である中年の男は俗に言う「危ない人」である。こと小説や漫画のキャラクターでは好きになるが、相手はホンモノの稼業の人。
だからといってこの感情を抑えることは、大学生の瑠璃にとってとても難しいことなのだと知る。相手の生き方と自分の秘めた感情を正当化しつつ、徐々に正しさが濁っていく彼女の世界に浮かされてしまうようだ。
最後までお読みいただきありがとうございました!
「ミスミ」という小噺をnoteで更新しましたので、良かったら覗いてみてください。みなさんの死生観とはどんなものですか?
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