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2020.7.25 ついに結成!?米国主導の反中同盟

アメリカが、ようやく「反中国バランシング同盟」の形成を目指し始めました。

ほとんどの方には
「は?何それ?!」
といったところでしょうか?

バランシングとバックパッシングの事は2020.7.17の記事にも書きましたが、改めて書いておきます。

侵略的な敵国に対抗する手段は、大きく分けて二つあります。

一つは、バランシング(直接均衡)。
これは、自国が責任をもって侵略的な国に対抗する手段です。

もう一つは、バックパッシング(責任転嫁)。
これは、「他国と敵国を戦わせる」手段です。

たとえば、アメリカは中国が敵だと思っています。

ですが、自分では戦わず、たとえば日本を中国を戦わせたりする方法です。

この記事を読んでいる皆さんの多くが、卑怯な感じだと捉えるかと思います。

自分で戦うバランシングと他国に戦わせるバックパッシング。

大国は、どちらの戦略を好むか?

これは、明らかに他国に戦わせるバックパッシングを好みます。

リアリズムの神様である政治学者のジョン・ミアシャイマー教授も
「バックパッシングの方が『安上がり』だからだ!」
と断言しています。

ところが、バックパッシングができない状況が生まれることもあります。

そう、敵国が強すぎる場合、
「自分以外に奴を倒せる存在はいない!」
となります。

アメリカにとって、今の中国がまさにそんな感じです。

中国の周りを見てください。
日本に中国が倒せるでしょうか?
常識的に考えれば無理です。

中国の軍事費は日本の5倍で、核兵器も大量にもっています。

世界3位の経済力を誇る日本が無理なら他国にも無理です。

韓国?
むしろ
「レッドチームに入れてくれ!」
とアプローチしています。

フィリピン?
ドゥテルテ大統領は、既に
「中国には勝てっこない」
と敗北宣言を出しています。

ベトナム?
気合だけは十分です(笑)

カンボジア?
チャイナマネーがズブズブで、中国と運命を共にしそうな弱貧国です。

ブータン?
インドがいないと国を守ることすらできません。

台湾?
蔡英文総統は非常によく頑張っていますが、中国に侵攻の口実を与えないよう、「独立宣言」もできない状態です。

ロシア?
今やアメリカを打倒するために、中国の部下に成り下がりました。

インド?
この国は、10年もすると中国に対抗できる力を手に入れるでしょう。
しかし、現状はまだ弱すぎです。

こう見ると、中国の周りに…、いや世界中のどこにも中国に対抗できる勢力はありません…、一国を除いては…。

その一国は、いうまでもなくアメリカ合衆国です。


ところが、アメリカは今まで、とても頼りない状態でした。

はっきりいえば「戦略的ではない」動きをしていました。

「戦略的」とはどういうことか?というと、

前述した、自分が責任をもって敵国と戦う「バランシング」。

これは、さらに二つに分けることができます。

内的バランシング。
これは、自国が強くなることです。
要するに軍備を増強することです。

外的バランシング。
これは、自国が責任をもって、敵国と戦う仲間を増やしていく。
つまり、「バランシング同盟」をつくることです。

ところが、トランプ大統領はこれまで、
「アメリカファースト」「自分ファースト」
で、同盟国との関係をボロボロにしてきました。

彼は、米中覇権戦争を戦いながら、日本や欧州に「経済戦争」を仕掛けていました。

その結果、アメリカと欧州、特にドイツとの関係はボロボロになっています。

また、前アメリカ大統領補佐官のボルトン氏の暴露本には、
『トランプ大統領はアメリカ軍の日本駐留費用を“今の4倍払わせよう”と画策していた』とありました。

しかし、最近ようやく「戦略的な動き」をするようになってきました。

トランプ大統領は6月30日、
「G7をG11にしたい」
と発言。
つまりG7にインド、オーストラリア、韓国、ロシアを加えたいと。

インド、オーストラリアについては文句をつけたい人はいないでしょう。

しかし、
「おいおい!韓国入れるな!ロシア入れるな!」
という人は多いと思います。

トランプ大統領は、G11で何をするかについて、
「中国の未来を話し合う」
と言っています。

韓国、ロシアについて、感情的に
「やめてくれ!」
と思いがちですが、戦略的に考えてみましょう。

東アジアのパワーバランスは、
日本、アメリカ、韓国 対 中国、ロシア、北朝鮮
です。

ところが最近は、韓国の文在寅がフラフラし、
日本、アメリカ 対 中国、ロシア、北朝鮮、韓国
といった感じになっています。

このパワーバランスの変化は、もちろん「ヤバい状況」です。

トランプ大統領はこれをG11構想によって、
日本、アメリカ、韓国、ロシア 対 中国、北朝鮮
としたいと思っています。
もちろん、うまくいくかはわかりません。

しかし、パワーバランスを回復する動きをするのは、少なくとも悪くありません。

そして、韓国はともかく、ロシアをこちらの陣営に引き入れることに成功すれば、中国の敗北は決定的になります。

ポンペオ訪英の意味

ポンペオ国務長官は7月21日、イギリスでジョンソン首相と会談しました。

主要テーマは「香港問題」です。

そして、中国の圧政に対抗するための「有志連合構築」を呼びかけました。

これは別の言葉で、
「反中バランシング同盟の結成を呼びかけた」
ともいえます。

現状、これに加わりそうなのは、いわゆるファイブアイズ。
つまり、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド。
ただ、これだけではまだ弱いです。

ここに、日本、欧州、インドが入ってくると、中国に勝ち目はないでしょう。

ロシアが寝返れば、中国の敗北は決定的になります。

米中覇権戦争は、続いています。
そして、ますます激化しています。

しかし、日本人の9割近くの人は、おそらく米中が絡むこのパワーバランスには気がついていないでしょう。

拙生はこれからも、米中の覇権争いの動向を書き綴っていきます。

もちろん理由としては、皆さんが世界の流れに翻弄されることがないように。

そして、
この激動の時代を「戦勝国」として勝ち抜ける。

日本が自虐国家から「自立国家」に転身する。

戦後日本が置き去りにした美徳を復活させるために、もう一度「和の世界を創る」。

これが、拙生が望む日本の道です。

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