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2021.11.30 米中会談で漏れたバイデンの本音

11月16日、バイデン大統領と習近平でオンライン会談が行われました。

これまで電話会談はありましたが、オンライン会談は初めてのことです。

1対1の電話と違って、国務長官や財務長官などの閣僚も同席するので、オンライン会談は、より重みのあるフォーマルな位置付けです。

では、その会談の成果はどうだったのか?

実は、外交的に価値のある会談だったのか?
については、会談後の対応を見れば分かります。

会談後の流れは、大体この4つのパターンです。

①成果◎
会談後に共同声明。双方の署名がある⇒一番成果が見える

②成果◯
会談後に共同声明。ただし署名はなし⇒合意は取れたが不十分な点もあった

③成果△
会談後に共同記者会見⇒相手が横にいるので嘘はつけない

④成果✕
会談後、各自で記者会見⇒自分の解釈だけで説明

では、今回はどうだったかと言うと、④の会談後、各自で記者会見でした。

さらには、米中それぞれの発表に食い違いもあったため、ほとんど進展がなかったと見られます。

どのような食い違いがあったのか?

うっかり出たバイデンの本音

3時間半の会談の中で貿易、環境問題、疫病…と、内容は多岐に渡りましたが、最も議論の争点になったのは台湾問題でした。

中国の新華社通信や人民日報は、
「バイデンは台湾独立を支持しないと言った」
と報じたのですが、対してアメリカ側は、
「独立を支持しない」
とは言っていません。

それどころか、バイデンは一歩も譲歩していないのです。

そう言い切れる理由は2つあります。

一つは、米中会談の翌日と翌々日に、アメリカと台湾の政府高官による会議がワシントンで開催されたこと。

これはつまり、アメリカと台湾が同盟関係だということを示しているようなものです。

そしてもう一つ、バイデンが歩きながら記者たちに囲まれ、マイクを向けられた際、うっかり本音が出てしまったのです。

それは、
「台湾はすでに独立している」
という発言。

その後、
「アメリカが独立を促しているわけではなく、台湾自身が決めることだ」
と弁解のような発言がありましたが、正式な記者会見の場ではないからこそ、
「独立している」
という言葉は本音だと見ていいでしょう。

少なくとも、
「独立を促していない」と「独立を支持しない」
では全く意味が異なります。

結局、この会談の目的は何だったのか?

中国はこの会議で進展があったと話しますが、アメリカの政府関係者によると進展はなかったといいます。

このように温度感にも食い違いが見られるのですが、そもそもこの会談の目的は何だったのか?

日本や海外の中国ウォッチャーは、“緊張緩和が目的”と見ていましたが、それは本来の目的ではありません。

この会談は北京が朝、ワシントンが夜の時間、つまり中国の都合に合わせて開催されているので、アメリカ側から会談を持ちかけたと見られます。

なぜアメリカが会談を望んだのでしょうか?

これには、アメリカ民主党の
「話し合いで解決する」
という伝統的な外交スタイルが関係しています。

民主主義、人権問題など、アメリカが持つ価値観を守るためには、今のバイデン政権は中国に一歩も譲歩できない状態です。

中国に弱腰な状態では、アメリカ国民からの支持を得る事はできず、もはや構造的に中国と対立せざるを得ないのです。

ですが、外交を怠っていないことを示す必要もあるので、そのアピールとして開催されたと考えられます。

これは、緊張緩和というより民主党従来のやり方なのです。

初めから譲歩するつもりは一つもなかったということです。

このような両者の姿勢から、米中対立はまだまだ長期化するということがわかるでしょう…。

では、いつまで続くのか?
それは、中国共産党政権が崩壊するまでだと思います。

最後までお読み頂きまして、有り難うございました。

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