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2020.5.22 中国の疫病が変えた世界史④

地球規模で拡がるウイルス感染

1918年秋、全世界でスペイン風邪と呼ばれるインフルエンザが猛威をふるいました。

世界で6億人が感染し、死者は2,000万人から4,000万人と言われています。

日本でも2,300万人以上が感染し、約39万人が死亡しました。
米国での死者は、南北戦争と第二次世界大戦の戦死者をも上回りました。

スペイン風邪という名称から、スペインが発源地と誤解されやすいですが、スペイン王室の王族がインフルエンザに罹って新聞に報道されたことから、この名称が使われるようになったらしいです。

そもそもは1918年5月末、フランスのマルセイユで流行し始め、半月ほどの間に第一次世界大戦の西部戦線で睨み合っていた両軍兵士たちの間に蔓延しました。

一説ではマルセイユの前にインドで発生していて、インドとマルセイユの間を行き来する船に乗る人々によってフランス南部に持ち込まれたと言われています。

そして、インドには中国の広東省から伝染したという説が多くの学者によって支持されています。

別の説では、中国人労働者からアメリカ国内の軍人へ感染し、彼らがマルセイユ経由で欧州に派兵させられたことによって、西部戦線に広がったという考え方もあります。
この説でも発生地は中国と考えられています。

20世紀に入ってから、ウイルスによる感染症の地球規模の大流行は3度ありました。

このスペイン風邪と、1957年のアジア風邪、そして1968年の香港風邪です。

いずれも中国発のインフルエンザだと言われています。
こうしてみると、今回の新型コロナウイルスは中国発の地球規模のウイルス感染としては、20世紀に入ってから既に5度目になります。

つづく…

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